スクープ!《学校に棲みつく動物2匹と、姿を消した生徒の行方》

 強豪校でもないので部活は暇つぶしに通うものだった。怪我なんかはしていない。ただ写真部に近づきたいと思って新聞部に途中入部した。

 いきなり写真部に突撃すると驚かれて警戒心強くなりそうだったから。新聞部は数人でグループを組んで生徒たちにアンケートを取るというものが多くて人と話すことが楽しそうだなと思った。

 突然俺が入ったことに新聞部のメンバーは初めは驚いていたけれど「神山が入ったのならアンケートもすんなりいくかも!」と歓迎された。

 新聞を作り続けていくと写真を載せる方がわかりやすいのでは? と思うことが多々あった。尋ねると「でも写真部の人たちって1人で活動してるのが多くて話しかけ辛いしね〜……」と返ってくる。

「あ、神山くん! もし本気で写真部と合同になりたいんだったら交渉してきてくれない⁉︎ コミュ力高い神山くんなら写真部と会話出来るかも!」

 女子生徒の部長に提案される。

 視線が合うとすぐに逃げてしまう縁は兎も角、他の生徒たちはそこまで難しくはないだろう……と思っていたが。

 彼ら。中々逃げ足が早い。
 話しかけようとする空気をすぐに察知して俺から逃げていく。

「部長〜……中々厳しいっすね……」
「はは、まあ辛抱強く待ってみないとね」

 写真部が撮ったものは長い間待ち続けた瞬間の1枚だ。辛抱強い彼らと仲良くなるには、こちらも根気よく機会を伺って話しかけに向かわねばならない。

 高校1年の冬から春になり、進級して2年生になった。

 運が良いことにあの『神谷 縁』と同じクラスだった。五十音順に初めは座ることもあって俺の目の前には縁が座る。

「俺、神山 慧護。よろしく!」

 色々と話しかけたい気持ちを抑えてとりあえず席に着いた縁に話しかけた。

 声をかけられると思わなかったのか、振り向いて驚いた顔をした後「よろしく、お願い、します」と随分小さな声でぺこりとされ前に向き直る。

(なんだか本当に、小動物みたいだなあ……)

 朝のHRが始まるまでの時間、縁は朝に撮ってきたであろう写真を眺めている。

 気になる。見たい。
 そっと覗き込もうとするも「席につけー」と新しく担任になった教師がタイミング悪くしてしまったため見ることは叶わなかった。

(いつか見せてくれる日来るかな)

 来るかな、じゃない。来させる。
 縁からは動かないから、俺から行動する。俺を認知させる。
 縁の世界の一部になりたい。

 心の中で誓いながら、俺って随分執着心強くね? と少し自分自身に引いた。