スクープ!《学校に棲みつく動物2匹と、姿を消した生徒の行方》

 狸は奥へ奥へと進んでいく。狸から逸れないように、僕たちもそれぞれ淡く光る石を持ちながら進んでいく。

「……図書室に隠し部屋があるとしても……こんなに歩く距離はないはず、だよな」
「うん……歩いても5歩くらいしかない小さな部屋だと思ってたけど……狸くんはずっと先を歩き続けているね……」

 怪異や不思議な現象が多々起こるこの場所は現実を考えない方がいいのかもしれない。僕たちは狸に導かれるまま着いていく。

 少し先に小さな光が見えた。先に辿り着いていた狐だった。丸まって眠っている。足音に気付くと狐は目を開け「やっと来たか」という表情をして背筋を伸ばす。

「長い間待たせちゃったね……」
「狐くん、ここは何?」

 2匹の動物にくん付けで問いかける慧護を少し可愛いなあと思いながら狐を見つめる。狐は僕たちをチラ、と見ると体からさらに強い光を放った。

 真っ暗な空間は青白い光に満たされていく。狐が狸を見つめると、狸ものそのそと反対側に立って強い光を放つ。

 目の前に大きな壁画が現れた。

 全体像は学校を表しているようだ。
 この学校には大きな秘密がある。そんな予感がした。

 狐と狸が右側に歩いていく。着いていくと、次に描かれているのは今まで目にして来た怪異。人を丸呑みにしている部分と……中身は人間が閉じ込められている。

 僕たちが見て来たものだった。

 また移動して目にするのは。
 
 狐が学校の屋上、狸が大きな木の下に石が配置されている。

 怪異は二箇所に配置された石の光を浴びせられ消滅し、取り込まれた人々が元に戻る……という壁画だった。

「……これを、俺たちがやると?」

 慧護が狐に問いかける。狐はただじっと慧護を見ているだけだった。

「じゃあ、この石をそれぞれ屋上と木の下に置かないといけないんだね」

 この石にそんな力が。
 普段なら信じられないが、今は青白く光っているからきっとやるしかないのだろう。

「これが成功したら、元の世界に戻ることが出来る……?」

 2匹に尋ねてもじっと見つめられるだけだった。「きっと戻れるさ」と明るく肯定してくれるのは慧護だった。

「屋上に向かうにはまた怪異が徘徊している廊下に出ないといけない。気を引き締めていかないと。……縁、行けそうか?」

 怖がりな僕を気遣ってくれる。
 慧護がいるなら大丈夫だと頷くと「よし」と彼も頷いた。

「怪異の暴走を終わらせよう」

 慧護の言葉と共に振り返って来た道を戻る。

 長いと思っていた真っ暗な廊下は帰り道は短かった。
 いつもの図書室に戻り、外に出ようとして……。

 扉を開ける前、外から腐敗臭が漂っていることに気付く。