スクープ!《学校に棲みつく動物2匹と、姿を消した生徒の行方》

「……俺のせい?」

 戸惑いの声を出す慧護に田沼は詰め寄る。

「ミヤマのせいだよ。こんな作戦やろうとしなければ、今食われた奴らは生きてたはずだった」

 外の状況も確認せず迂闊に扉を開けたのは田沼だ。僕も慧護も嫌な予感がして止めるよう言っていたのに。

 緩くなった空気に緊張の糸が解けて気を抜いてしまったのだろう。

 そもそも慧護の作戦は実行すらしていない。
 事の発端(ほったん)は田沼のはずなのに。

 責める田沼と、何も言い返さない慧護に……生き残った周りの人々はだんだんと「そうかも」という空気になってくる。

 ミヤマがいたら安心だ。
 ミヤマが言うことなら絶対だ。

 そう意見して自分の意見を出さず、ただ着いていくだけの人々に慧護が責められるのは……なんだか嫌だった。

「起こってしまったことはもう仕方ないよ。それよりも……今後どうするかを一緒に考えない? 友達でしょ?」

 慧護の胸ぐらを掴もうとした田沼の前に咄嗟に出て言葉を振り絞る。だが田沼は僕を一瞥すると「陰キャは黙ってろ」と胸を突き飛ばされ地面に倒れ込んでしまった。

「縁──」
「とりあえずミヤマと仲良くなっておけば不利は無いと思っただけさ。明るくて優しくて? 宿題も見せてくれる甘い奴でさ? でも、今日でわかった。お前といない方がいい」

 流れが、嫌な方に変わっていく。
 生徒たちの目線が棘のように僕たちに突き刺さった。……居心地が悪い。

「悪かっ……た」

 悪いことはしてないのに。謝った慧護に目を見開く僕とは対照的に、田沼は満足そうに離れていく。

「わかったなら出ていけよ。ミヤマと一緒だったらオレたちまで食われちまう」

 慧護は黙って教室を出ていく。
 僕も慌てて着いていくと「陰キャくんも付き合う相手は選んだら? 今ならオレらのとこに置いてやってもいいけど」と田沼が言う。

 何が置いてやってもいい、だ。
 こちらから願い下げだ。

 廊下に出る前に田沼を振り返り一言伝える。

「僕、キミの一方的に決めつけるところずっと気に食わなかったんだよね」
「なんだよ。決めつけなんか──」
「僕は慧護くんの記事を破ってはいない。それから……今の出来事だって、慧護くんは扉を開けるのを止めていた。キミは……怪異に呑み込まれないように後ろにいた生徒を身代わりにした。違う?」
「……」

 周りがざわざわと騒がしくなる。田沼の睨みがキツくなり、僕もその教室から抜け出し歩いていく警護の背中を追いかける。

 僕は僕が信じる人に着いていくだけだ。