7月に入り、ある決心をした。それは文化祭で犯罪による被害者と加害者、そして家族がどれほど辛い思いをするのかを展示する、というものだ。この提案をする理由は犯罪を知ることであの事故の恨みを乗り越えられるのでは、と思ったからだ。クラスでそのことを提案するときに7年前に飲酒運転の車の事故で両親を失った過去も話した。最初はとても驚かれた。「マジで?」「そんなことが…。」それに良い反応はなかった。「文化祭でそれは暗くない?」「ちょっとな…。」やっぱり駄目か。そう思ったとき真央が口を開いた。「私は、大ちゃんの案に賛成。」「え?」「私、中2の頃に飼い猫が老衰で死んじゃったの。私たちの家族だったから凄く悲しかった。」「そんなことが…。」「だから家族を失う苦痛はよく分かる。犯罪でそんな思いをする人を減らせるかもしれないならこの展示をやりたい。」そう真央が言うと、俺の案に賛成する生徒が続々出てきた。「真央ちゃんがそう言うならうちも。」「僕も。勉強になるかもしれないし。」「俺も賛成!」「私も賛成!」こうして俺の案が採用された。文化祭当日までの3ヶ月間日本の犯罪件数、被害者と加害者がどんな苦しみを負うのか、被害者や加害者への支援、犯罪をなくすために自分ができることを調べ、まとめていった。その途中に事故の恨みを思い出し、それに押しつぶされそうになるときもあった。けれどそんなときに恋人や親友が俺を支えてくれた。
