あの日の記憶 希望の未来

月曜日
先週の土曜の件と今日は学校に行かなければならない日で朝から最悪の気分だ。一階に降りると両親は気まずそうな顔をした。「あの、清水君…。」「だから2人には別れろって言ってるだろ」そして学校から帰ると両親がテ−ブルに座っていて大輝も座ってほしいと頼まれた。「実は果穂が高校生のときから2人が付き合っていることは果穂から聞かされているんだ」「じゃあ、あいつがあの事故の犯人の息子ってことも知ってたの?」そう聞くと両親は頷いた。もはや怒る気力すら残っていなかった。「父さんと母さんも俺のことを裏切ったんだな。もう家族なんて信じられない。」「大輝、話を聞いてくれ。」その言葉を無視し部屋に行こうとした瞬間「大輝!」母さんに強く呼び止められた。母さんの顔は悲しそうだが、強い決意を感じさせるような顔だった。「話を聞いて。」俺が再び椅子に座るとこんな話をした。「加害者家族は英語で『隠された被害者』と表現されることもあるの。家族が犯罪を犯したことで世間からのバッシングや孤立、罪悪感など被害者家族だけでなく加害者家族も苦しみを味わうの。私たちは職業柄そういう人たちを大勢見てきた。「だから何?あいつを許せって?」「確かに清水君と果穂が交際していることはいい気分はしないと思う。犯罪を犯した人が償うことは必要。でもまっとうに生きているその家族が生きづらくなる必要はないと思うの。」そう言われて俺は黙り込んでしまった。