「あれがナエル村か」
ウェルダ村出てから3日。道中は特に大きな問題もなく、無事にナエル村が見えてきた。
ちなみにルミナダケを使った料理には女神も大満足してくれたぞ。やはりあの食材は大当たりだったらしい。特にルミナダケの傘の部分にミンチした肉と野菜を詰めた肉詰めにチーズをかけて炙った料理が好きだと言っていたな。
俺はルミナダケの天ぷらが特に気に入った。あれもいい酒の肴になってくれるので、多めに作ってバックパックに保存しておいたぞ。揚げ物は多少面倒だから、時間のある時に作りだめしておけるのはありがたい。
「こんにちは~」
「むっ、旅人とは珍しいな」
前回と同じようにナエル村の入り口前で中に入らず人が来るのを待つ。現れたのは30代くらいの男性だ。
この村はウェルダ村よりも少し小さな村だった。
「旅をしているのですが、一晩か二晩泊めていただくことはできますか?」
「……ちっと待ってな。村長に聞いてみる」
「はい、よろしくお願いします」
俺をじっくりと見て他の村の人を呼びに行く男性。
うん、これが普通の反応である。俺も警戒をしているが、村の人も流れの旅人なんかはそうやって疑った方がいい。もちろん俺はそんなことをしないが、旅人と偽って、村を攻める盗賊の斥候なんてこともあり得る世界だからな。
しばらく待つと、杖をついた老人と先ほどの男性に加えて5~6人くらいの男性が現れた。
「これは、旅人様。ナエル村へようこそ。いくつかお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろん大丈夫ですよ」
そのあと村長さんからいくつかの質問を受けてそれに答えた。どこから旅をしているのか、武器は持っているか、そしてこの辺りを旅している旅人がわかるような注意すべき魔物や食べてはいけない植物なんかを答えていく。
どれも十分に想定内の質問だったが、結構数が多かったな。まあ、村に変な輩を入れないように気を付けるのはよくあることだ。
「……質問にお答えいただきありがとうございます。問題ございませんので、どうぞ村へお入りください」
「ありがとうございます」
どうやら問題ないと判断されたようだ。これまでいろんな村を訪れたが、立ち入りを禁じられた村はなかったな。まあ、俺のようなどこからどう見ても戦闘能力は皆無なおっさんだからということもあるのだろう。
これまでいろんな場所を歩いて回ってきたから足は多少鍛えられたが、上半身はあんまり強そうに見えないんだよなあ。まあ、その方が周りの人に警戒されないからいいのかもしれないが。
「それではガクト殿の来訪を祝して乾杯!」
「「「乾杯!」」」
持っていたコップをぶつけ合って乾杯をした。今日は村長さんの家でご飯をご馳走になっている。村長さんだけでなく、他にも8人ほどの男が一緒だ。
この村に到着して空いている家を貸してもらった。普通はこの村のようにお金を払って宿と食事を提供してもらう。
「ガクト殿はいろんな場所を旅しているのですな。ぜひ詳しいお話を聞かせてくだされ」
「ええ、もちろんですよ。少しですがお酒もありますので、ぜひみなさんでどうぞ」
「おおっ、これはかたじけない」
「ありがたくいただくよ」
村長さんたちにお酒をふるまう。基本的に多少警戒をされるかもしれないが、お酒をふるまわれて悪い気のする人はいないはずだ。
「それにしても、ガクト殿の鞄は本当にたくさんの量が入ってすごいですね」
「ええ。いろんな場所を旅しているので、これだけは奮発していい物を選びましたよ」
俺のバックパックは1メートルほどもある大きな魔導具だ。マジックポーチなどの30センチメートルほどの物でも結構な容量が入りかなり高価なので、このバックパックだけでも一財産だ。
そのためこのバックパックは借りている家には置いておかずにここまで持ってきている。まあ酒やツマミを取り出したりする目的もあるが、こっちが主な理由である。
「この村のご飯はとてもおいしいですね。お酒が進んでしまいますよ」
「ありがとうございます。ガクト殿からいただいたお酒のほうこそうまいですな。冷えたお酒を初めて飲みましたが、普通のものよりもうまいです」
「それはよかったです。……あれ、少し眠くなってきました」
「おや、どうされましたか? お疲れのところにお酒を飲んで急に疲れが回ってきましたかな?」
「……そうかも……しれません」
「ガクト殿、ガクト殿」
「………………」
「……眠ったようじゃな。結構な量を盛ったのにだいぶかかったみたいじゃ」
「ただのボンボンの旅人っぽかったな。ひとりで旅をしている割には警戒心が薄くていいカモだったぜ。金は持っていなさそうだったが、この魔導具はかなりの値打ちもんだ」
「ああ。あとは若い女だったら楽しめたんだが残念だ。まあ、女がひとりでここまで来るわけはないか」
「……なるほど、旅人から身ぐるみを剥ぐ村か。どうやら大はずれを引いたらしい」
「なっ!?」
「き、貴様! 確かに毒薬を飲んだはずなのに!」
俺が身体を村の連中が驚いて武器を構える。
ただし、俺を警戒しているようで、武器を構えるだけで襲ってはこなかった。
「悪いが毒なんかは効かない体質なんでな。ご飯はおいしかっただけに非常に残念だ」
女神からもらった『超健康スキル』の影響で俺に状態異常は効かないのである。なにせ超だからな。普通に健康になるだけではないのだよ。
「ふん、毒が効かなかったところで、この人数に勝てるとでも思っているのか!」
「他にも何か妙な力を持っているかもしれぬから気を付けるのじゃぞ!」
「もちろんあんたらに勝てるなんて思ってはいないさ。このお礼はさせてもらうから、楽しみに待っていてくれ。それじゃあこれで失礼するよ」
ここにいる者はそれほど強いわけじゃなさそうだが、槍などの武器なども持っているし、一般人以下の戦闘能力しか持っていない俺が普通に戦って勝てるわけがない。というわけで、これにて失礼するとしよう。
「んなっ!?」
「き、消えやがった」
「な、なにがどうなっているのだ?」
ウェルダ村出てから3日。道中は特に大きな問題もなく、無事にナエル村が見えてきた。
ちなみにルミナダケを使った料理には女神も大満足してくれたぞ。やはりあの食材は大当たりだったらしい。特にルミナダケの傘の部分にミンチした肉と野菜を詰めた肉詰めにチーズをかけて炙った料理が好きだと言っていたな。
俺はルミナダケの天ぷらが特に気に入った。あれもいい酒の肴になってくれるので、多めに作ってバックパックに保存しておいたぞ。揚げ物は多少面倒だから、時間のある時に作りだめしておけるのはありがたい。
「こんにちは~」
「むっ、旅人とは珍しいな」
前回と同じようにナエル村の入り口前で中に入らず人が来るのを待つ。現れたのは30代くらいの男性だ。
この村はウェルダ村よりも少し小さな村だった。
「旅をしているのですが、一晩か二晩泊めていただくことはできますか?」
「……ちっと待ってな。村長に聞いてみる」
「はい、よろしくお願いします」
俺をじっくりと見て他の村の人を呼びに行く男性。
うん、これが普通の反応である。俺も警戒をしているが、村の人も流れの旅人なんかはそうやって疑った方がいい。もちろん俺はそんなことをしないが、旅人と偽って、村を攻める盗賊の斥候なんてこともあり得る世界だからな。
しばらく待つと、杖をついた老人と先ほどの男性に加えて5~6人くらいの男性が現れた。
「これは、旅人様。ナエル村へようこそ。いくつかお話を伺ってもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろん大丈夫ですよ」
そのあと村長さんからいくつかの質問を受けてそれに答えた。どこから旅をしているのか、武器は持っているか、そしてこの辺りを旅している旅人がわかるような注意すべき魔物や食べてはいけない植物なんかを答えていく。
どれも十分に想定内の質問だったが、結構数が多かったな。まあ、村に変な輩を入れないように気を付けるのはよくあることだ。
「……質問にお答えいただきありがとうございます。問題ございませんので、どうぞ村へお入りください」
「ありがとうございます」
どうやら問題ないと判断されたようだ。これまでいろんな村を訪れたが、立ち入りを禁じられた村はなかったな。まあ、俺のようなどこからどう見ても戦闘能力は皆無なおっさんだからということもあるのだろう。
これまでいろんな場所を歩いて回ってきたから足は多少鍛えられたが、上半身はあんまり強そうに見えないんだよなあ。まあ、その方が周りの人に警戒されないからいいのかもしれないが。
「それではガクト殿の来訪を祝して乾杯!」
「「「乾杯!」」」
持っていたコップをぶつけ合って乾杯をした。今日は村長さんの家でご飯をご馳走になっている。村長さんだけでなく、他にも8人ほどの男が一緒だ。
この村に到着して空いている家を貸してもらった。普通はこの村のようにお金を払って宿と食事を提供してもらう。
「ガクト殿はいろんな場所を旅しているのですな。ぜひ詳しいお話を聞かせてくだされ」
「ええ、もちろんですよ。少しですがお酒もありますので、ぜひみなさんでどうぞ」
「おおっ、これはかたじけない」
「ありがたくいただくよ」
村長さんたちにお酒をふるまう。基本的に多少警戒をされるかもしれないが、お酒をふるまわれて悪い気のする人はいないはずだ。
「それにしても、ガクト殿の鞄は本当にたくさんの量が入ってすごいですね」
「ええ。いろんな場所を旅しているので、これだけは奮発していい物を選びましたよ」
俺のバックパックは1メートルほどもある大きな魔導具だ。マジックポーチなどの30センチメートルほどの物でも結構な容量が入りかなり高価なので、このバックパックだけでも一財産だ。
そのためこのバックパックは借りている家には置いておかずにここまで持ってきている。まあ酒やツマミを取り出したりする目的もあるが、こっちが主な理由である。
「この村のご飯はとてもおいしいですね。お酒が進んでしまいますよ」
「ありがとうございます。ガクト殿からいただいたお酒のほうこそうまいですな。冷えたお酒を初めて飲みましたが、普通のものよりもうまいです」
「それはよかったです。……あれ、少し眠くなってきました」
「おや、どうされましたか? お疲れのところにお酒を飲んで急に疲れが回ってきましたかな?」
「……そうかも……しれません」
「ガクト殿、ガクト殿」
「………………」
「……眠ったようじゃな。結構な量を盛ったのにだいぶかかったみたいじゃ」
「ただのボンボンの旅人っぽかったな。ひとりで旅をしている割には警戒心が薄くていいカモだったぜ。金は持っていなさそうだったが、この魔導具はかなりの値打ちもんだ」
「ああ。あとは若い女だったら楽しめたんだが残念だ。まあ、女がひとりでここまで来るわけはないか」
「……なるほど、旅人から身ぐるみを剥ぐ村か。どうやら大はずれを引いたらしい」
「なっ!?」
「き、貴様! 確かに毒薬を飲んだはずなのに!」
俺が身体を村の連中が驚いて武器を構える。
ただし、俺を警戒しているようで、武器を構えるだけで襲ってはこなかった。
「悪いが毒なんかは効かない体質なんでな。ご飯はおいしかっただけに非常に残念だ」
女神からもらった『超健康スキル』の影響で俺に状態異常は効かないのである。なにせ超だからな。普通に健康になるだけではないのだよ。
「ふん、毒が効かなかったところで、この人数に勝てるとでも思っているのか!」
「他にも何か妙な力を持っているかもしれぬから気を付けるのじゃぞ!」
「もちろんあんたらに勝てるなんて思ってはいないさ。このお礼はさせてもらうから、楽しみに待っていてくれ。それじゃあこれで失礼するよ」
ここにいる者はそれほど強いわけじゃなさそうだが、槍などの武器なども持っているし、一般人以下の戦闘能力しか持っていない俺が普通に戦って勝てるわけがない。というわけで、これにて失礼するとしよう。
「んなっ!?」
「き、消えやがった」
「な、なにがどうなっているのだ?」


