「本当においしい料理をありがとうございます。これは俺からのお礼のお酒です。ぜひ一緒に飲みましょう」
バックパックからお酒の入った瓶を取り出す。
このすばらしいキノコ料理には酒が合うに違いない。
「ほう、お酒ですか。うちの村では祝いの席くらいしか飲めないのですが、本当にいただいてもよろしいのですか?」
「ええ、こんなおいしい料理を無料でいただいたお返しです。それに俺もお酒を飲むのなら大勢で飲んだ方が楽しいですからね。遠慮なくどうぞ」
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えます」
「よっしゃあ、ご馳走になるぜ!」
「ありがたくいただきます!」
みんなのコップに少しずつ酒を注ぐ。
そして俺も改めて焼いたルミナダケをかじり、冷えたエールを流し込んだ。
「かああ~うまい! やっぱりこれだよなあ!」
疲れた身体に染みわたるうまさだ。
異世界のキノコを肴に異世界の酒を飲む。こういうのでいいんだよ!
「おおっ、このエールは冷えておりますな。これはうまい」
「こいつはいけるぜ!」
バックパックに入れたものはそのままの状態で保存でき、この世界には魔法がある。俺は魔法を使えないので、氷魔法を使える知人に頼み、エールを冷やしてもらった。
こちらの世界のエールは日本人がよく飲んでいるラガービールとは違うエールビールなので、少し冷やしたくらいがちょうどよかったりする。ラガービールほどのど越しがスッキリしているわけではないが、エールビールの方がより麦の味と香りがとても芳醇なのだ。
うん、ルミナダケはエールによく合うな。それに他のお酒にもよく合いそうだし、いろいろと料理しがいのありそうな食材だ。こいつは自分でも料理するのが楽しみだぜ。
「お父さん、僕も飲んでみたい」
「私も」
「おっと。みんなにお酒はまだ早いから、とっても甘くておいしい果汁のジュースがあるよ」
「やったあ!」
「おじちゃん、ありがとう!」
村の子供たちにお酒はまだ早いので、プルママの実という果物のジュースだ。こいつはルガルの実よりも甘い果物の果汁百パーセントジュースである。
「うわあ~冷たくて本当においしいね!」
「甘くてほっぺたが落ちちゃいそう!」
うむ、子供たちの幸せそうな笑顔を見ているとこっちまで嬉しくなってくる。こればかりはどんな世界であっても変わらないな。
「お話だけでなく、お酒にジュースまで……本当にありがとうございます」
「いえいえ。おいしいご飯をいただいたお礼ですよ。それにこういう時はみんなで飲み食いするのが楽しいですからね」
いろんな場所へ旅をしながら、現地の人たちと一緒に酒を飲んでうまい飯を食うのも旅の醍醐味である。
「でもこんなにおいしいキノコがあるなら、ビルグの街で見かけてもよさそうでしたけれどね」
「残念ながらこのキノコは収穫するとすぐに鮮度が落ちてしまうのですよ。収穫してから一日経つだけで同じ物とは思えないほどまずくなるのです。ですので、他の街へ持っていくことができないのです」
「へえ~そんなに一気に鮮度が落ちるんですか。でも魔道具もありますし、うまく街まで卸せればいい商売になると思いますけれどね」
「ははっ、多くの物を収納できる魔道具は高価ですから、とても手が出ません。それにビルグの街へ卸そうとしても買い叩かれてしまうだけですな」
「他の収穫した野菜も大した金にはならねえからなあ」
「食料がなんとかなっているだけでもありがたいわ。まともに食べる物がない村もいっぱいあるらしいからね」
「なるほど……」
この村はこの村なりにいろいろと大変なようだ。
「さあ、ルミナダケはまだたくさんありますからな。旅のお話とお酒とジュースのお礼にいくらでも食べてください」
「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」
残念ながら、遠慮しようにもこの味は止まらない。このまま塩で食べてもいいが、今度は別の味で試してみよう。こちらの世界の醤油もどきもあるし、自家製のマヨ七味でもいいな。
村の人たちも本当に気さくで良い人たちばかりだったし、この村にはまた来るとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「それではお世話になりました」
「こちらこそ2日も続けてお酒などをいただいて、本当にありがとうございました。それにあんなに大金もいただいてしまい感謝しております」
「あれは正当な報酬ですからね。あのルミナダケはそれほどの価値があります」
結局昨日もこの村に泊まって二泊させてもらった。昨日はのんびりと村を案内してもらいつつ、夜は一昨日と同じく宴会を楽しませてもらった。
そしてこの村にあるルミナダケをたくさん買い取った。収穫したばかりのものをバックパックに入れたから、当分は困らないはずだ。なくなったらまた購入するために来させてもらうとしよう。
「ガクトおじちゃん、またきてね!」
「また旅のお話をしてくれよな!」
「ああ、また来るよ。それじゃあ、またね」
子供たちの見送りを受けて、ウェルダ村を出発した。
次の村はここからさらに3日ほど歩いた場所にあるナエル村だ。そっちの方にも名物となる食材があるらしいから、街へ戻る前に寄り道していくとしよう。
道中では早速このルミナダケを使った料理をいろいろと試してみるとするか。女神のやつも今度こそ気に入ってくれるといいんだがなあ。
バックパックからお酒の入った瓶を取り出す。
このすばらしいキノコ料理には酒が合うに違いない。
「ほう、お酒ですか。うちの村では祝いの席くらいしか飲めないのですが、本当にいただいてもよろしいのですか?」
「ええ、こんなおいしい料理を無料でいただいたお返しです。それに俺もお酒を飲むのなら大勢で飲んだ方が楽しいですからね。遠慮なくどうぞ」
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えます」
「よっしゃあ、ご馳走になるぜ!」
「ありがたくいただきます!」
みんなのコップに少しずつ酒を注ぐ。
そして俺も改めて焼いたルミナダケをかじり、冷えたエールを流し込んだ。
「かああ~うまい! やっぱりこれだよなあ!」
疲れた身体に染みわたるうまさだ。
異世界のキノコを肴に異世界の酒を飲む。こういうのでいいんだよ!
「おおっ、このエールは冷えておりますな。これはうまい」
「こいつはいけるぜ!」
バックパックに入れたものはそのままの状態で保存でき、この世界には魔法がある。俺は魔法を使えないので、氷魔法を使える知人に頼み、エールを冷やしてもらった。
こちらの世界のエールは日本人がよく飲んでいるラガービールとは違うエールビールなので、少し冷やしたくらいがちょうどよかったりする。ラガービールほどのど越しがスッキリしているわけではないが、エールビールの方がより麦の味と香りがとても芳醇なのだ。
うん、ルミナダケはエールによく合うな。それに他のお酒にもよく合いそうだし、いろいろと料理しがいのありそうな食材だ。こいつは自分でも料理するのが楽しみだぜ。
「お父さん、僕も飲んでみたい」
「私も」
「おっと。みんなにお酒はまだ早いから、とっても甘くておいしい果汁のジュースがあるよ」
「やったあ!」
「おじちゃん、ありがとう!」
村の子供たちにお酒はまだ早いので、プルママの実という果物のジュースだ。こいつはルガルの実よりも甘い果物の果汁百パーセントジュースである。
「うわあ~冷たくて本当においしいね!」
「甘くてほっぺたが落ちちゃいそう!」
うむ、子供たちの幸せそうな笑顔を見ているとこっちまで嬉しくなってくる。こればかりはどんな世界であっても変わらないな。
「お話だけでなく、お酒にジュースまで……本当にありがとうございます」
「いえいえ。おいしいご飯をいただいたお礼ですよ。それにこういう時はみんなで飲み食いするのが楽しいですからね」
いろんな場所へ旅をしながら、現地の人たちと一緒に酒を飲んでうまい飯を食うのも旅の醍醐味である。
「でもこんなにおいしいキノコがあるなら、ビルグの街で見かけてもよさそうでしたけれどね」
「残念ながらこのキノコは収穫するとすぐに鮮度が落ちてしまうのですよ。収穫してから一日経つだけで同じ物とは思えないほどまずくなるのです。ですので、他の街へ持っていくことができないのです」
「へえ~そんなに一気に鮮度が落ちるんですか。でも魔道具もありますし、うまく街まで卸せればいい商売になると思いますけれどね」
「ははっ、多くの物を収納できる魔道具は高価ですから、とても手が出ません。それにビルグの街へ卸そうとしても買い叩かれてしまうだけですな」
「他の収穫した野菜も大した金にはならねえからなあ」
「食料がなんとかなっているだけでもありがたいわ。まともに食べる物がない村もいっぱいあるらしいからね」
「なるほど……」
この村はこの村なりにいろいろと大変なようだ。
「さあ、ルミナダケはまだたくさんありますからな。旅のお話とお酒とジュースのお礼にいくらでも食べてください」
「ありがとうございます。それでは遠慮なくいただきます」
残念ながら、遠慮しようにもこの味は止まらない。このまま塩で食べてもいいが、今度は別の味で試してみよう。こちらの世界の醤油もどきもあるし、自家製のマヨ七味でもいいな。
村の人たちも本当に気さくで良い人たちばかりだったし、この村にはまた来るとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「それではお世話になりました」
「こちらこそ2日も続けてお酒などをいただいて、本当にありがとうございました。それにあんなに大金もいただいてしまい感謝しております」
「あれは正当な報酬ですからね。あのルミナダケはそれほどの価値があります」
結局昨日もこの村に泊まって二泊させてもらった。昨日はのんびりと村を案内してもらいつつ、夜は一昨日と同じく宴会を楽しませてもらった。
そしてこの村にあるルミナダケをたくさん買い取った。収穫したばかりのものをバックパックに入れたから、当分は困らないはずだ。なくなったらまた購入するために来させてもらうとしよう。
「ガクトおじちゃん、またきてね!」
「また旅のお話をしてくれよな!」
「ああ、また来るよ。それじゃあ、またね」
子供たちの見送りを受けて、ウェルダ村を出発した。
次の村はここからさらに3日ほど歩いた場所にあるナエル村だ。そっちの方にも名物となる食材があるらしいから、街へ戻る前に寄り道していくとしよう。
道中では早速このルミナダケを使った料理をいろいろと試してみるとするか。女神のやつも今度こそ気に入ってくれるといいんだがなあ。


