
カーテンの隙間から、柔らかな朝の光が差し込んでいた。
「……ん」
梅谷がゆっくりと目を開けると、すぐ隣に南の寝顔。顔が近い……めっちゃ近い。
(……夢ちゃう、よな)
昨日の出来事が、じんわりと身体に残っている。熱も、息遣いも、全部が嘘じゃない。その証拠に、腕の中にある温もりが、今も自分を抱いている。
「ん……おはよう、悠音」
低くてかすれた声。寝起きの南が、笑いながら囁いた。
「……まだ寝とけや」
「え〜、もうちょっと抱きつかせて……。気持ちええねん、悠音の背中」
「……朝からやかましい」
そう言いながらも、梅谷はその腕をどこか名残惜しそうに離さない。
「……なぁ」
「ん?」
「これからも、毎朝こうやって起きたいなぁ」
「……知らん。勝手に起きろ」
「じゃあ、勝手に起きて、勝手にチューするわ」
「アホ。寝起きは口くさいっちゅうねん」
「それでもええ。悠音のくっさいのも、ぜんぶ俺が好きやから」
「……やめろや、アホ」
梅谷は枕に顔をうずめながら、隠しきれない笑いを漏らした。それは、ふたりの恋人としての最初の朝。ちょっと恥ずかしくて、でも心のどこかがじんわり温かかった。
Fin

