突然、一人の新兵が木剣を手にして僕を目掛けて突っ込んできたのだ。
僕は、魔法袋から木剣を手にして一気に魔力を解放した。
シュッ、ダッ!
ガキン!
「なっ!?」
僕は身体能力強化魔法を全開にして突っ込んできた兵に接近し、相手の木剣を跳ね上げた。
跳ね上げた木剣は突っ込んできた兵の後方に飛んでいき、兵は驚愕の表情に変わっていた。
シュイン、バシッ。
ドサッ。
「がっ、クソ! ケン、離しやがれ!」
そして、僕は兄が勝手に動けないように拘束魔法で動けないようにした。
そうです、僕が行動不能にした突っ込んできた兵とは僕の兄だったのだ。
剣の訓練場にいたのは新兵っぽい人が殆どだったので、どうやら兄も強制的に剣の訓練を行っていたみたいだ。
「くそ! ケン、なんでそんな豪華な服を着ているんだ! 俺に寄越しやがれ! 死んで俺に詫びろ!」
「「「「「はぁ……」」」」」
直ぐに他の兵が兄を縄で拘束するが、兄はそんなことはお構い無しに僕に悪態をついていた。
兄の無様な姿と口にした理由に、周りにいた人は思わず溜息をついていた。
僕の口から宮廷魔導師になったというと、絶対に揉め事になりそうだ。
というか既に大騒ぎになっていて、多くの兵が何事かと集まっていた。
ザッ。
「騒ぎが起きたと聞いて来てみれば、またお前か!」
「げっ!?」
そして部下を引き連れたヘルナンデス様が一喝すると、兄は途端にヤバいという表情に変わった。
兄は、相変わらず上の立場の人には弱い性格だ。
ヘルナンデス様は、激怒モードで兄を怒鳴った。
「貴様は、今後の判断をするために新兵と訓練をしている最中だろうが! 何故、貴様は勝手な行動をする!」
「ぐっ……」
前にも似たような話を聞いたけど、兄は僕を見ると猪突猛進みたいになるんだ。
まるで、前世の興奮している闘牛みたいだ。
僕は、闘牛の前でひらひらとしている赤いマントかな?
「しかも、剣士扱いなのに、あっさりと年下のケン君に剣を跳ね上げられた。貴様は、剣を扱う資格すらない!」
「ちっ……」
多分だけど、僕は魔法を使わなくても兄の木剣を跳ね上げられた可能性が高かった。
クリスちゃんでも、余裕で兄に勝てたはずだ。
「ケン君は、様々な功績で宮廷魔導師に任命された。全ての貴族や兵にも周知している。ケン君が身につけている服やマントは、王太后である母上が贈ったものだ」
「なっ!?」
あの、なんで全軍に通達した内容なのに、兄は今更になって驚くのだろうか。
兄は、軍からの連絡をキチンと聞いていない証拠にもなった。
「武装解除して、懲罰房にぶち込め!」
「「「「「はっ」」」」」
「なっ、くそ、離せ!」
兄は、尚ももがきながら抵抗していた。
そんな兄のささやかな抵抗など、屈強な兵の前では無意味だった。
兄が連行されたのを確認し、僕はヘルナンデス様に頭を下げた。
「ヘルナンデス様、そして訓練をしているみなさん、兄が勝手な真似をして本当に申し訳ありません」
「ケン君は、愚かな兄を持って本当に大変だな。少なくとも、ケン君の兄は当分の間は王都の軍の施設にいることはできないだろう」
僕の謝罪に、ヘルナンデス様も溜息混じりに返事をした。
軍事裁判を受けるレベルだそうで、当面懲罰房にいることになるという。
「ケン君、大丈夫?」
僕が落ち込んでいると、クリスちゃんが心配そうにのぞき込んできた。
クリスちゃんは、本当に優しいね。
僕は、深呼吸をして気持ちを整えた。
「クリスちゃん、もう大丈夫だよ。ありがとうね」
「ケン君が元気になってよかった」
僕が頷くと、クリスちゃんはニコリとしてくれた。
うん、もう大丈夫。
兄のことは、以前と同じく軍にお任せだ。
「うう、何で私には良い人が……」
僕とクリスちゃんのやり取りを見て、何故かローリー様がズーンと落ち込んでいた。
「しかし、ケンに言うのも何だが、ありゃ獣だな。感情の制御が全くできていない」
「ケンの父親にも会ったことがあるが、全く似たようなもんじゃった。ケンは、間違いなく母親の性格を受け継いでいるのじゃな」
オーフレア様とモーニング様の呟きに、多くの兵が同意していた。
いずれにせよ、父親と兄は色々なことをしでかしたので不名誉除隊にリーチがかかったという。
ただ、父親と兄がこれ以上迷惑をかけないことを祈るばかりだった。
僕は、魔法袋から木剣を手にして一気に魔力を解放した。
シュッ、ダッ!
ガキン!
「なっ!?」
僕は身体能力強化魔法を全開にして突っ込んできた兵に接近し、相手の木剣を跳ね上げた。
跳ね上げた木剣は突っ込んできた兵の後方に飛んでいき、兵は驚愕の表情に変わっていた。
シュイン、バシッ。
ドサッ。
「がっ、クソ! ケン、離しやがれ!」
そして、僕は兄が勝手に動けないように拘束魔法で動けないようにした。
そうです、僕が行動不能にした突っ込んできた兵とは僕の兄だったのだ。
剣の訓練場にいたのは新兵っぽい人が殆どだったので、どうやら兄も強制的に剣の訓練を行っていたみたいだ。
「くそ! ケン、なんでそんな豪華な服を着ているんだ! 俺に寄越しやがれ! 死んで俺に詫びろ!」
「「「「「はぁ……」」」」」
直ぐに他の兵が兄を縄で拘束するが、兄はそんなことはお構い無しに僕に悪態をついていた。
兄の無様な姿と口にした理由に、周りにいた人は思わず溜息をついていた。
僕の口から宮廷魔導師になったというと、絶対に揉め事になりそうだ。
というか既に大騒ぎになっていて、多くの兵が何事かと集まっていた。
ザッ。
「騒ぎが起きたと聞いて来てみれば、またお前か!」
「げっ!?」
そして部下を引き連れたヘルナンデス様が一喝すると、兄は途端にヤバいという表情に変わった。
兄は、相変わらず上の立場の人には弱い性格だ。
ヘルナンデス様は、激怒モードで兄を怒鳴った。
「貴様は、今後の判断をするために新兵と訓練をしている最中だろうが! 何故、貴様は勝手な行動をする!」
「ぐっ……」
前にも似たような話を聞いたけど、兄は僕を見ると猪突猛進みたいになるんだ。
まるで、前世の興奮している闘牛みたいだ。
僕は、闘牛の前でひらひらとしている赤いマントかな?
「しかも、剣士扱いなのに、あっさりと年下のケン君に剣を跳ね上げられた。貴様は、剣を扱う資格すらない!」
「ちっ……」
多分だけど、僕は魔法を使わなくても兄の木剣を跳ね上げられた可能性が高かった。
クリスちゃんでも、余裕で兄に勝てたはずだ。
「ケン君は、様々な功績で宮廷魔導師に任命された。全ての貴族や兵にも周知している。ケン君が身につけている服やマントは、王太后である母上が贈ったものだ」
「なっ!?」
あの、なんで全軍に通達した内容なのに、兄は今更になって驚くのだろうか。
兄は、軍からの連絡をキチンと聞いていない証拠にもなった。
「武装解除して、懲罰房にぶち込め!」
「「「「「はっ」」」」」
「なっ、くそ、離せ!」
兄は、尚ももがきながら抵抗していた。
そんな兄のささやかな抵抗など、屈強な兵の前では無意味だった。
兄が連行されたのを確認し、僕はヘルナンデス様に頭を下げた。
「ヘルナンデス様、そして訓練をしているみなさん、兄が勝手な真似をして本当に申し訳ありません」
「ケン君は、愚かな兄を持って本当に大変だな。少なくとも、ケン君の兄は当分の間は王都の軍の施設にいることはできないだろう」
僕の謝罪に、ヘルナンデス様も溜息混じりに返事をした。
軍事裁判を受けるレベルだそうで、当面懲罰房にいることになるという。
「ケン君、大丈夫?」
僕が落ち込んでいると、クリスちゃんが心配そうにのぞき込んできた。
クリスちゃんは、本当に優しいね。
僕は、深呼吸をして気持ちを整えた。
「クリスちゃん、もう大丈夫だよ。ありがとうね」
「ケン君が元気になってよかった」
僕が頷くと、クリスちゃんはニコリとしてくれた。
うん、もう大丈夫。
兄のことは、以前と同じく軍にお任せだ。
「うう、何で私には良い人が……」
僕とクリスちゃんのやり取りを見て、何故かローリー様がズーンと落ち込んでいた。
「しかし、ケンに言うのも何だが、ありゃ獣だな。感情の制御が全くできていない」
「ケンの父親にも会ったことがあるが、全く似たようなもんじゃった。ケンは、間違いなく母親の性格を受け継いでいるのじゃな」
オーフレア様とモーニング様の呟きに、多くの兵が同意していた。
いずれにせよ、父親と兄は色々なことをしでかしたので不名誉除隊にリーチがかかったという。
ただ、父親と兄がこれ以上迷惑をかけないことを祈るばかりだった。


