段々と、クリスのお腹も目立ってきた。
それでも、臨月までは普通に軍で働くという。
今日も、学園生の校外学習で軍の施設案内をするらしい。
クリスも食べられるようになってきてから、本当に元気になった。
でも、念のためにトラちゃんとシロちゃんがクリスの側についていた。
学園生もクリスが妊娠中だと知っているので、無理をさせることはないだろう。
そう思っていたんだけど……
「えっ、軍でトラブル? クリスも巻き込まれている?」
執務室で普通に仕事をしていたら、僕の通信用魔導具に至急の連絡が入った。
一緒に仕事をしていたアーサー様の通信用魔導具にも連絡が入り、しかも送信者はルーカス様だった。
「貴族の子弟の新人兵が、見学に来た学園生に喧嘩を売ったみたいだな。自分は昨年学園に選ばれる基準に達していなかったから、学園に通うことができなかった。それで、学園生に恨みを持っているみたいだ」
アーサー様も、ため息をつきながら通信用魔導具に表示された内容をかみ砕いていた。
確かに、昨年学園生になった人は全員官僚試験に合格した者だった。
自分が何故選ばれないのかと、反感を持っているんだね。
「アーサー様、どうしますか?」
「ヘルナンデス様も来て対応しているそうだ。ひとまず、様子見だ。もし軍に来てくれと言われたら、直ぐに行ってくれ」
揉めている現場に軍の幹部が集まっているので、取り敢えず大丈夫らしい。
すると、今度は別の人から連絡が入った。
その内容を見た瞬間、僕とアーサー様は思わず固まってしまった。
「まさか、現場視察に行っていた陛下に喧嘩を売るとは。頭に血が登って、理性が制御できなくなったんですかね?」
「ヘルナンデス様も、困惑しているみたいだ。ケン君、悪いが直接現場を見に行ってくれ」
ちょっとどころではなく、かなりの大問題となってしまった。
僕は、ギンちゃんと共に急いで執務室を出て、身体能力強化魔法を全開にして軍の施設へと走り出した。
「おっ、来た来た」
「ケン、待っていたぞ。こっちだ」
あっという間に軍の施設に到着すると、検問所で顔見知りの兵が僕を待っていた。
兵と共に現場の訓練場に急行すると、そこにはたくさんの人だかりが出来ていた。
人だかりを分け入って進むと、そこには木剣を手にした陛下と伸びている兵の姿があった。
うん、全然状況が分からない。
クリスが近くにいたので、話を聞いてみよう。
「喧嘩を売ったのが、伸びている兵ね。どれだけ自信過剰なのかってくらいに自信過剰なのよ。私達に突然喧嘩を売ったとおもったら、ルーカス様、ヘルナンデス様と次々と対応した人に喧嘩を売ったのよ。極めつけはこれね。陛下が直々に相手をしてやると言って、瞬殺だったわ」
クリスも、思わずため息をつくレベルの騒動だったみたいだ。
うーん、何というか……
「ルーカス様、なんでこのレベルの兵が新人兵訓練に合格しているんでしょうか?」
「私もその点は気になった。今、当時の試験状況を確認するように指示を出している」
ルーカス様も、かなり呆れている状況だ。
倒された新人兵は、拘束されてから担架で運ばれていった。
勿論、医務室ではなく牢屋だ。
「陛下、ヘルナンデス様、その、大丈夫ですか?」
「あまりにも手応えがなくて、拍子抜けしてしまったわ。久々に、余に挑む元気のある者が現れたのかと思ったぞ」
「手合わせ自体は不問にすると兄上は言っているが、心身共に全く鍛えられていない。こんな者が兵として採用された事が問題だ」
陛下もヘルナンデス様も、もう喧嘩を売った事よりも採用関係に意識を向けていた。
うーん、これはちょっと大きな事件になる気がするぞ。
今日学園に行っていたスラちゃん達も、急遽軍に招集されたそうだ。
「ある意味、収穫のある現場視察となった。後の対応は任せた」
「「「「「はっ」」」」」
ヘルナンデス様達軍の幹部が、陛下に一例した。
クリス達校外学習組はまだ見るところがあるので、見学を再開させた。
そして、僕は陛下と共に馬車に乗って王城へ戻る事になった。
「あれは、自分は偉いんだぞという気持ちを拗らせただけだ。確か、父親は財務系の貴族だったはず」
馬車に乗ると、陛下はため息をつきながら愚痴に似た言葉を口にした。
財務系貴族って、数年前に色々やらかした気がする。
エレンお祖父様とかはしっかりしているが、まだどうしょうもないのがいるのかな。
でも、軍の検問所にいるブドウちゃんの監視をすり抜けるはずが無い。
その辺も含めて、軍が詳しく調査をする事になった。
「何というか、そんな奴が新人兵としていたのか……」
王城に到着して執務室に戻り、アーサー様に状況を報告した。
アーサー様は、開いた口が塞がらないって状態だ。
「ありゃ、食堂のおばちゃんよりも弱いぞ」
陛下が相手をした新人兵がどれくらい弱いかを教えてくれたが、僕的には食堂のおばちゃんはかなり強い方に入る気がした。
午前中からかなり大変な事になってしまったが、よく考えればまだ事件は起きたばっかりだった。
それでも、臨月までは普通に軍で働くという。
今日も、学園生の校外学習で軍の施設案内をするらしい。
クリスも食べられるようになってきてから、本当に元気になった。
でも、念のためにトラちゃんとシロちゃんがクリスの側についていた。
学園生もクリスが妊娠中だと知っているので、無理をさせることはないだろう。
そう思っていたんだけど……
「えっ、軍でトラブル? クリスも巻き込まれている?」
執務室で普通に仕事をしていたら、僕の通信用魔導具に至急の連絡が入った。
一緒に仕事をしていたアーサー様の通信用魔導具にも連絡が入り、しかも送信者はルーカス様だった。
「貴族の子弟の新人兵が、見学に来た学園生に喧嘩を売ったみたいだな。自分は昨年学園に選ばれる基準に達していなかったから、学園に通うことができなかった。それで、学園生に恨みを持っているみたいだ」
アーサー様も、ため息をつきながら通信用魔導具に表示された内容をかみ砕いていた。
確かに、昨年学園生になった人は全員官僚試験に合格した者だった。
自分が何故選ばれないのかと、反感を持っているんだね。
「アーサー様、どうしますか?」
「ヘルナンデス様も来て対応しているそうだ。ひとまず、様子見だ。もし軍に来てくれと言われたら、直ぐに行ってくれ」
揉めている現場に軍の幹部が集まっているので、取り敢えず大丈夫らしい。
すると、今度は別の人から連絡が入った。
その内容を見た瞬間、僕とアーサー様は思わず固まってしまった。
「まさか、現場視察に行っていた陛下に喧嘩を売るとは。頭に血が登って、理性が制御できなくなったんですかね?」
「ヘルナンデス様も、困惑しているみたいだ。ケン君、悪いが直接現場を見に行ってくれ」
ちょっとどころではなく、かなりの大問題となってしまった。
僕は、ギンちゃんと共に急いで執務室を出て、身体能力強化魔法を全開にして軍の施設へと走り出した。
「おっ、来た来た」
「ケン、待っていたぞ。こっちだ」
あっという間に軍の施設に到着すると、検問所で顔見知りの兵が僕を待っていた。
兵と共に現場の訓練場に急行すると、そこにはたくさんの人だかりが出来ていた。
人だかりを分け入って進むと、そこには木剣を手にした陛下と伸びている兵の姿があった。
うん、全然状況が分からない。
クリスが近くにいたので、話を聞いてみよう。
「喧嘩を売ったのが、伸びている兵ね。どれだけ自信過剰なのかってくらいに自信過剰なのよ。私達に突然喧嘩を売ったとおもったら、ルーカス様、ヘルナンデス様と次々と対応した人に喧嘩を売ったのよ。極めつけはこれね。陛下が直々に相手をしてやると言って、瞬殺だったわ」
クリスも、思わずため息をつくレベルの騒動だったみたいだ。
うーん、何というか……
「ルーカス様、なんでこのレベルの兵が新人兵訓練に合格しているんでしょうか?」
「私もその点は気になった。今、当時の試験状況を確認するように指示を出している」
ルーカス様も、かなり呆れている状況だ。
倒された新人兵は、拘束されてから担架で運ばれていった。
勿論、医務室ではなく牢屋だ。
「陛下、ヘルナンデス様、その、大丈夫ですか?」
「あまりにも手応えがなくて、拍子抜けしてしまったわ。久々に、余に挑む元気のある者が現れたのかと思ったぞ」
「手合わせ自体は不問にすると兄上は言っているが、心身共に全く鍛えられていない。こんな者が兵として採用された事が問題だ」
陛下もヘルナンデス様も、もう喧嘩を売った事よりも採用関係に意識を向けていた。
うーん、これはちょっと大きな事件になる気がするぞ。
今日学園に行っていたスラちゃん達も、急遽軍に招集されたそうだ。
「ある意味、収穫のある現場視察となった。後の対応は任せた」
「「「「「はっ」」」」」
ヘルナンデス様達軍の幹部が、陛下に一例した。
クリス達校外学習組はまだ見るところがあるので、見学を再開させた。
そして、僕は陛下と共に馬車に乗って王城へ戻る事になった。
「あれは、自分は偉いんだぞという気持ちを拗らせただけだ。確か、父親は財務系の貴族だったはず」
馬車に乗ると、陛下はため息をつきながら愚痴に似た言葉を口にした。
財務系貴族って、数年前に色々やらかした気がする。
エレンお祖父様とかはしっかりしているが、まだどうしょうもないのがいるのかな。
でも、軍の検問所にいるブドウちゃんの監視をすり抜けるはずが無い。
その辺も含めて、軍が詳しく調査をする事になった。
「何というか、そんな奴が新人兵としていたのか……」
王城に到着して執務室に戻り、アーサー様に状況を報告した。
アーサー様は、開いた口が塞がらないって状態だ。
「ありゃ、食堂のおばちゃんよりも弱いぞ」
陛下が相手をした新人兵がどれくらい弱いかを教えてくれたが、僕的には食堂のおばちゃんはかなり強い方に入る気がした。
午前中からかなり大変な事になってしまったが、よく考えればまだ事件は起きたばっかりだった。


