謁見が終わり、僕達は応接室へと移動した。
王家の方も集まってきて、ビアンカちゃん達はニコニコしながら僕の周りに集まって来た。
最初に、僕は席から立ち上がった。
「陛下、王妃様、ヘルナンデス様、クリスの件で色々言及頂き本当にありがとうございます」
「ケンよ、気にすることはない。なにか言う者がいるのは予想できた。なにか言ってきた者に対応するのは、余の仕事だ」
僕が頭を下げるが、陛下は全く気にしなかった。
王妃様もヘルナンデス様も、僕にニコリとしているだけだ。
本当に良い人に恵まれたと、僕は改めて感じた。
「クリスの宮廷魔導師候補についても、本当にありがとうございます」
「クリスの宮廷魔導師候補については、以前より話に上がっていた。帝国兵を圧倒したのも良いポイントだ。ただ、まだマントは与えられないぞ」
宮廷魔導師でないとマントはつけられやいので、こればかりは致し方ない。
クリスは、僕が宮廷魔導師になった時に、僕がつけたマントをとても羨ましそうに見ていたっけ。
クリスなら、頑張ればきっと宮廷魔導師になれるはずだと思った。
「その他については、特に異論はなかった。これからも、粛々と政策を実行していく」
「「「「「はっ」」」」」
その後も簡単に業務の事について話をし、僕はアーサー様と共に執務室へと戻った。
しかし、道中とあるトラブルに巻き込まれてしまった。
それは、執務室がある部屋の少し前だった。
「うおー、離せー! あの小僧をぶん殴ってやるんだ!」
「早く縄を持ってこい!」
「不法侵入の現行犯だ!」
なんと、僕に文句を言った貴族が沢山の兵に押さえつけられていたのだ。
騒いでいる貴族は魔法で拘束されているが、どうやら執務室に残っていたギンちゃんが騒ぎに気がついて拘束魔法を発動したらしい。
執務室があるフロアは、たとえ貴族であっても関係者以外は立ち入り禁止だ。
文句を言った貴族は官僚試験にも落ちているので、フロア自体に立ち入りが禁止されている。
堂々と破って、僕に何かしようとしていたみたいだ。
そこに、怒り心頭のアーサー様がゆっくりと近づいた。
「貴様、謁見での振る舞いは不問となったのに堂々と規則を破るとは。ケン君は、そんな程度の貴様とはレベルが違う」
「うるせー! 俺は貴族なんだ、偉いんだ!」
アーサー様の指摘を受けても、兵によって縄でぐるぐる巻きにされても、尚も貴族は大暴れしていた。
完全に興奮状態で、これではまともに対応できないぞ。
すると、アーサー様からある魔法を使う様にと指示が出た。
僕は、軽く魔力を溜めた。
シュイン、もわーん。
「小僧、なに……ぐうっ」
バタン。
僕がアーサー様から指示を受けて放ったのは、制圧の際などで使う睡眠魔法だ。
騒いでいた貴族は、寝息を立ててぐっすりと眠った。
ふう、これでようやく静かになったを
「おい、担架を持ってこい!」
「貴族用の牢屋ではなく、重犯罪者用の牢屋に運ぶぞ」
兵が慌ただしく動き始めたのを確認し、僕達は執務室へと入った。
そして、執務室があるフロアは物凄く厳重な警備となった。
「ギンちゃん、対応してくれてありがとうね」
「そうだな。この程度の騒ぎで落ち着いたのも、このスライムのお陰だ」
ギンちゃんは僕だけでなくアーサー様からも褒められ、ちょっと照れた仕草だ。
スラちゃん達も、ギンちゃんをとても褒めていた。
「このフロアには、陛下の執務室もありますもんね。重要な書類も沢山ありますし」
「あんな馬鹿者が、足を踏み入れていいところではない。残念だが、厳罰を受けるだろう」
アーサー様も、ため息をつきながら席についた。
クリスなども、用事がない限り執務室に入ることはない。
というか、全ての貴族に通達されている基本的な事なんだけど。
「あの馬鹿の両親はまともだったが、奴は贅沢をする事に溺れた。あっという間に借金を作り、身動きが取れなくなった。そこで、ケン君の財産に目をつけたのだ」
何という馬鹿なことをしたのか。
アーサー様も、説明しつつまたため息をついてしまった。
なんというか、欲に溺れると周囲が見えなくなるという典型例だ。
「おっ、ルーカスが軍を率いて奴の屋敷に向かったそうだ。ただ、はたいて出るのは埃だけだろう」
僕の通信用魔導具にも通信が入ったが、ルーカス様も今回の馬鹿げた件に相当怒っているという。
うん、ここからは偉い人にお任せだ。
僕は、仕事に集中しようと気持ちを切り替えたのだった。
「王城で謁見をしているタイミングで、私の通信用魔導具にシーリア様から連絡があったのよ。私も流石にびっくりしたわ」
業務後の屋敷の夕食時、クリスがあれこれ教えてくれた。
どうやら、陛下からの指示でシーリアさんからクリスに連絡が行くようにしてくれたみたいだ。
「先ずは、体調を戻して軍の任務に復帰しないと。学園には、セレナさんとユリアさんが代わりに行ってくれるそうよ」
セレナさんとユリアさんなら、剣の指導も魔法の指導もバッチリだ。
今度二人に会った時に、僕からもお礼を言わないと。
クリスの体調がもう少し良くなったら、お祝いの夕食をする事にした。
アイちゃん達も、クリスが宮廷魔導師候補になった事をとても喜んでいたのだった。
王家の方も集まってきて、ビアンカちゃん達はニコニコしながら僕の周りに集まって来た。
最初に、僕は席から立ち上がった。
「陛下、王妃様、ヘルナンデス様、クリスの件で色々言及頂き本当にありがとうございます」
「ケンよ、気にすることはない。なにか言う者がいるのは予想できた。なにか言ってきた者に対応するのは、余の仕事だ」
僕が頭を下げるが、陛下は全く気にしなかった。
王妃様もヘルナンデス様も、僕にニコリとしているだけだ。
本当に良い人に恵まれたと、僕は改めて感じた。
「クリスの宮廷魔導師候補についても、本当にありがとうございます」
「クリスの宮廷魔導師候補については、以前より話に上がっていた。帝国兵を圧倒したのも良いポイントだ。ただ、まだマントは与えられないぞ」
宮廷魔導師でないとマントはつけられやいので、こればかりは致し方ない。
クリスは、僕が宮廷魔導師になった時に、僕がつけたマントをとても羨ましそうに見ていたっけ。
クリスなら、頑張ればきっと宮廷魔導師になれるはずだと思った。
「その他については、特に異論はなかった。これからも、粛々と政策を実行していく」
「「「「「はっ」」」」」
その後も簡単に業務の事について話をし、僕はアーサー様と共に執務室へと戻った。
しかし、道中とあるトラブルに巻き込まれてしまった。
それは、執務室がある部屋の少し前だった。
「うおー、離せー! あの小僧をぶん殴ってやるんだ!」
「早く縄を持ってこい!」
「不法侵入の現行犯だ!」
なんと、僕に文句を言った貴族が沢山の兵に押さえつけられていたのだ。
騒いでいる貴族は魔法で拘束されているが、どうやら執務室に残っていたギンちゃんが騒ぎに気がついて拘束魔法を発動したらしい。
執務室があるフロアは、たとえ貴族であっても関係者以外は立ち入り禁止だ。
文句を言った貴族は官僚試験にも落ちているので、フロア自体に立ち入りが禁止されている。
堂々と破って、僕に何かしようとしていたみたいだ。
そこに、怒り心頭のアーサー様がゆっくりと近づいた。
「貴様、謁見での振る舞いは不問となったのに堂々と規則を破るとは。ケン君は、そんな程度の貴様とはレベルが違う」
「うるせー! 俺は貴族なんだ、偉いんだ!」
アーサー様の指摘を受けても、兵によって縄でぐるぐる巻きにされても、尚も貴族は大暴れしていた。
完全に興奮状態で、これではまともに対応できないぞ。
すると、アーサー様からある魔法を使う様にと指示が出た。
僕は、軽く魔力を溜めた。
シュイン、もわーん。
「小僧、なに……ぐうっ」
バタン。
僕がアーサー様から指示を受けて放ったのは、制圧の際などで使う睡眠魔法だ。
騒いでいた貴族は、寝息を立ててぐっすりと眠った。
ふう、これでようやく静かになったを
「おい、担架を持ってこい!」
「貴族用の牢屋ではなく、重犯罪者用の牢屋に運ぶぞ」
兵が慌ただしく動き始めたのを確認し、僕達は執務室へと入った。
そして、執務室があるフロアは物凄く厳重な警備となった。
「ギンちゃん、対応してくれてありがとうね」
「そうだな。この程度の騒ぎで落ち着いたのも、このスライムのお陰だ」
ギンちゃんは僕だけでなくアーサー様からも褒められ、ちょっと照れた仕草だ。
スラちゃん達も、ギンちゃんをとても褒めていた。
「このフロアには、陛下の執務室もありますもんね。重要な書類も沢山ありますし」
「あんな馬鹿者が、足を踏み入れていいところではない。残念だが、厳罰を受けるだろう」
アーサー様も、ため息をつきながら席についた。
クリスなども、用事がない限り執務室に入ることはない。
というか、全ての貴族に通達されている基本的な事なんだけど。
「あの馬鹿の両親はまともだったが、奴は贅沢をする事に溺れた。あっという間に借金を作り、身動きが取れなくなった。そこで、ケン君の財産に目をつけたのだ」
何という馬鹿なことをしたのか。
アーサー様も、説明しつつまたため息をついてしまった。
なんというか、欲に溺れると周囲が見えなくなるという典型例だ。
「おっ、ルーカスが軍を率いて奴の屋敷に向かったそうだ。ただ、はたいて出るのは埃だけだろう」
僕の通信用魔導具にも通信が入ったが、ルーカス様も今回の馬鹿げた件に相当怒っているという。
うん、ここからは偉い人にお任せだ。
僕は、仕事に集中しようと気持ちを切り替えたのだった。
「王城で謁見をしているタイミングで、私の通信用魔導具にシーリア様から連絡があったのよ。私も流石にびっくりしたわ」
業務後の屋敷の夕食時、クリスがあれこれ教えてくれた。
どうやら、陛下からの指示でシーリアさんからクリスに連絡が行くようにしてくれたみたいだ。
「先ずは、体調を戻して軍の任務に復帰しないと。学園には、セレナさんとユリアさんが代わりに行ってくれるそうよ」
セレナさんとユリアさんなら、剣の指導も魔法の指導もバッチリだ。
今度二人に会った時に、僕からもお礼を言わないと。
クリスの体調がもう少し良くなったら、お祝いの夕食をする事にした。
アイちゃん達も、クリスが宮廷魔導師候補になった事をとても喜んでいたのだった。


