この失礼な貴族が現れた余波は、意外と大きな展開へと発展しました。
騒動があった翌日、屋敷に王太后様が様子を見に来てくれたのだ。
「実は、今までもケン君に側室をって勧める貴族は結構いたのよ。中には、ケン君の爵位が伯爵に上がったので男爵家の正妻ではと無神経な事を言う貴族もいたわ」
王太后様は、僕の屋敷の応接室で過去の情報を話してくれた。
僕だけでなくクリスも一緒に話を聞いていたのだが、本当に迷惑で失礼な話でしかない。
一緒にいるスラちゃんも、プリプリと怒っていた。
「ケン君もだけど、クリスちゃんも今や注目株の魔法使いよ。剣士タイプとはいえ、宮廷魔導師に推す声もあるわ。それに、シーリアの後継という実質的な軍幹部よ。ハッキリ言って、今のクリスちゃんを攻撃するのは自分に不利益が返ってくるわ」
「私も、いきなり側室だなんて、しっている人ならともかくこんな下心見え見えな人だなんてちょっと嫌です」
王太后様も、クリスを高く評価していた。
クリス自身も、今回みたいに下手な事をする貴族に嫌悪感を示していた。
なお、こういう側室を勧める話をする場合は一律王家を通す事になった。
それでも、直接僕に話を持ってくる貴族は避けられないだろうし、暫くは警戒しないとならない。
と、ここで屋敷に来客があった。
また側室の件かなと思ったけど、どうやら話が違うみたいだ。
ガチャ。
「失礼します」
「失礼、します……」
応接室に入ってきたのは髪の毛を短く整え貴族服をビシッと着た中年男性で、名前をダグラス騎士爵という。
そして、一緒にちょっと大人しそうな緑の髪を坊ちゃん刈りにした十歳くらいの男の子が入ってきた。
先ずは、席に座ってもらって話を聞こう。
「王太后様がいる中、急な来訪で大変失礼しました。しかし、王太后様がおられた方が私どもにとって都合が良いのです」
ダグラス騎士爵は、ピンと背筋を正して話をした。
王太后様もいた方がいいとは、いったい何のことだろうか。
「ダグラス騎士爵、何やら少し事情がありそうね」
「はい、そうなります。実は、ケン様に私の息子に魔法を教えて頂きたく。他に色々探したのですが、中々難しく……」
王太后様の問いかけに、ダグラス騎士爵はビックリする返答をした。
この大人しそうな男の子が魔法使い?
僕もクリスも、勿論スラちゃんもビックリだ。
ぴょーん。
「わあ!?」
すると、スラちゃんがぴょーんと男の子の腕の中に飛び込んだ。
男の子が分け分からないでいる内に、スラちゃんは一瞬青白く光った。
そして、何事もないかの様に僕の隣にぴょーんと戻ってきた。
フリフリ。
「えーっと、水属性と風属性の魔法が使えるんだね。そこそこ強い魔力なんだ」
「どうやら、本当の話みたいね」
スラちゃんの話を聞き、王太后様も納得した様に頷いた。
「わあ、本当にスライムと会話している……」
すると、男の子が急に感嘆の声をあげたのだ。
何故急に喜んだのかは後で聞くことにして、先ずはこの話を進めよう。
「確かに、今は子ども達に正しい魔法の知識を教える機会がないわ。軍や官僚試験などで発覚して、そこから勉強する機会もあるわね。今回はそのままケン君にお願いするとして、何か良い手がないか検討しましょう」
「王太后様、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
貴族は全ての子どもの魔力チェックをするけど、そこから先の訓練方法がない。
今まではなあなあでできちゃったけど、王太后様の言う通り何かの対策をしないとならない。
そして、王太后様とダグラス騎士爵と話をして、こういう流れに決まった。
「じゃあ、明後日の朝からノヴァ君は僕達が毎朝行っている魔法の訓練に参加するね」
「よ、宜しくお願いします」
緑髪の男の子ことノヴァ君は、立ち上がってペコリと頭を下げた。
こういうお願いだったら、僕もクリスもスラちゃんも大歓迎だ。
なお、ダグラス騎士爵はレッスン料を払うと言ったが、これは固辞した。
というのも、これを期にキチンとした魔法訓練の場などを提供する事を検討しているためだ。
偉い人達が決めてくれるので、方針決定を待つことにした。
ノヴァ君は嫡男だそうで、普段は勉強して過ごすことが多いという。
時間があれば、簡単な勉強も教えられると思ったのだった。
「確かに、僕も小さい頃は本で魔法の使い方を習いました。その後、国境でオーフレア様とローリー様にキチンとした魔法の使い方を習いました」
「私も、オーフレア様とローリー様に色々教えてもらいました。軍の訓練に参加しなければ、魔法使いになれなかったのかもしれません」
ダグラス騎士爵とノヴァ君が帰った後も、僕達は色々な話をした。
僕とクリスは、直接魔法を教わったのも色々な事情からだもんなあ。
セレナさんとユリアさんも、軍に入って初めて魔法使いだと判明した。
そう考えると、小さい頃に魔法の使い方を教える手立てがあってもいい。
「取り敢えず、この話はここまでにしましょう。ケン君の弟子になるのだから、教える時はしっかりとね」
「「はい!」」
王太后様も、僕とクリスに真面目に声をかけた。
勿論、やるからには真剣にやる。
それは、クリスも同じだった。
コンコン、ガチャ。
「失礼します。その、ケン様に側室をと言う貴族の方が面会を希望しております」
ここで、ハンナおばさんが申し訳なさそうに来客を告げた。
うん、確かに一番会いたくない来客かも。
「ふふふ。どんな貴族なのか、しっかりと顔を拝まないと……」
ところが、王太后様が俄然とやる気になってしまった。
まあ、王家に話を通す事になったのにいきなり破ったのだからなあ。
軍を呼ぶことにならない程度にして欲しいと、僕は心から思ったのだった。
騒動があった翌日、屋敷に王太后様が様子を見に来てくれたのだ。
「実は、今までもケン君に側室をって勧める貴族は結構いたのよ。中には、ケン君の爵位が伯爵に上がったので男爵家の正妻ではと無神経な事を言う貴族もいたわ」
王太后様は、僕の屋敷の応接室で過去の情報を話してくれた。
僕だけでなくクリスも一緒に話を聞いていたのだが、本当に迷惑で失礼な話でしかない。
一緒にいるスラちゃんも、プリプリと怒っていた。
「ケン君もだけど、クリスちゃんも今や注目株の魔法使いよ。剣士タイプとはいえ、宮廷魔導師に推す声もあるわ。それに、シーリアの後継という実質的な軍幹部よ。ハッキリ言って、今のクリスちゃんを攻撃するのは自分に不利益が返ってくるわ」
「私も、いきなり側室だなんて、しっている人ならともかくこんな下心見え見えな人だなんてちょっと嫌です」
王太后様も、クリスを高く評価していた。
クリス自身も、今回みたいに下手な事をする貴族に嫌悪感を示していた。
なお、こういう側室を勧める話をする場合は一律王家を通す事になった。
それでも、直接僕に話を持ってくる貴族は避けられないだろうし、暫くは警戒しないとならない。
と、ここで屋敷に来客があった。
また側室の件かなと思ったけど、どうやら話が違うみたいだ。
ガチャ。
「失礼します」
「失礼、します……」
応接室に入ってきたのは髪の毛を短く整え貴族服をビシッと着た中年男性で、名前をダグラス騎士爵という。
そして、一緒にちょっと大人しそうな緑の髪を坊ちゃん刈りにした十歳くらいの男の子が入ってきた。
先ずは、席に座ってもらって話を聞こう。
「王太后様がいる中、急な来訪で大変失礼しました。しかし、王太后様がおられた方が私どもにとって都合が良いのです」
ダグラス騎士爵は、ピンと背筋を正して話をした。
王太后様もいた方がいいとは、いったい何のことだろうか。
「ダグラス騎士爵、何やら少し事情がありそうね」
「はい、そうなります。実は、ケン様に私の息子に魔法を教えて頂きたく。他に色々探したのですが、中々難しく……」
王太后様の問いかけに、ダグラス騎士爵はビックリする返答をした。
この大人しそうな男の子が魔法使い?
僕もクリスも、勿論スラちゃんもビックリだ。
ぴょーん。
「わあ!?」
すると、スラちゃんがぴょーんと男の子の腕の中に飛び込んだ。
男の子が分け分からないでいる内に、スラちゃんは一瞬青白く光った。
そして、何事もないかの様に僕の隣にぴょーんと戻ってきた。
フリフリ。
「えーっと、水属性と風属性の魔法が使えるんだね。そこそこ強い魔力なんだ」
「どうやら、本当の話みたいね」
スラちゃんの話を聞き、王太后様も納得した様に頷いた。
「わあ、本当にスライムと会話している……」
すると、男の子が急に感嘆の声をあげたのだ。
何故急に喜んだのかは後で聞くことにして、先ずはこの話を進めよう。
「確かに、今は子ども達に正しい魔法の知識を教える機会がないわ。軍や官僚試験などで発覚して、そこから勉強する機会もあるわね。今回はそのままケン君にお願いするとして、何か良い手がないか検討しましょう」
「王太后様、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
貴族は全ての子どもの魔力チェックをするけど、そこから先の訓練方法がない。
今まではなあなあでできちゃったけど、王太后様の言う通り何かの対策をしないとならない。
そして、王太后様とダグラス騎士爵と話をして、こういう流れに決まった。
「じゃあ、明後日の朝からノヴァ君は僕達が毎朝行っている魔法の訓練に参加するね」
「よ、宜しくお願いします」
緑髪の男の子ことノヴァ君は、立ち上がってペコリと頭を下げた。
こういうお願いだったら、僕もクリスもスラちゃんも大歓迎だ。
なお、ダグラス騎士爵はレッスン料を払うと言ったが、これは固辞した。
というのも、これを期にキチンとした魔法訓練の場などを提供する事を検討しているためだ。
偉い人達が決めてくれるので、方針決定を待つことにした。
ノヴァ君は嫡男だそうで、普段は勉強して過ごすことが多いという。
時間があれば、簡単な勉強も教えられると思ったのだった。
「確かに、僕も小さい頃は本で魔法の使い方を習いました。その後、国境でオーフレア様とローリー様にキチンとした魔法の使い方を習いました」
「私も、オーフレア様とローリー様に色々教えてもらいました。軍の訓練に参加しなければ、魔法使いになれなかったのかもしれません」
ダグラス騎士爵とノヴァ君が帰った後も、僕達は色々な話をした。
僕とクリスは、直接魔法を教わったのも色々な事情からだもんなあ。
セレナさんとユリアさんも、軍に入って初めて魔法使いだと判明した。
そう考えると、小さい頃に魔法の使い方を教える手立てがあってもいい。
「取り敢えず、この話はここまでにしましょう。ケン君の弟子になるのだから、教える時はしっかりとね」
「「はい!」」
王太后様も、僕とクリスに真面目に声をかけた。
勿論、やるからには真剣にやる。
それは、クリスも同じだった。
コンコン、ガチャ。
「失礼します。その、ケン様に側室をと言う貴族の方が面会を希望しております」
ここで、ハンナおばさんが申し訳なさそうに来客を告げた。
うん、確かに一番会いたくない来客かも。
「ふふふ。どんな貴族なのか、しっかりと顔を拝まないと……」
ところが、王太后様が俄然とやる気になってしまった。
まあ、王家に話を通す事になったのにいきなり破ったのだからなあ。
軍を呼ぶことにならない程度にして欲しいと、僕は心から思ったのだった。


