試験状況は逐一通信用魔導具で各所に連絡したが、ジュダの件は直接話した方がいいということになった。
最初は王城の陛下の執務室に集まろうという事になったのだが、急遽大会議室に関係者が集まった。
「一人を除き、他の受験生は真面目にしかも一生懸命に試験に臨んでいました。どうしても貴族と平民では平均学力に差が出ますが、その真面目でやる気のある姿勢はとても評価できます」
「学力や剣技の差は、育った環境差が出るからどうしようもない。それでも、本人が真面目にやるのなら幾らでも助ける事はできる。やる気に満ちている者が多く、余もとても満足している」
僕の報告を聞き、陛下は満足そうに頷いた。
勿論、ヘルナンデス様、ルーカス様、イアン様も僕と同様の意見だ。
クリスも、殆どの受験生はとても良い姿勢を見せたと高評価だ。
後は、上手くクラス分けができれば良いと思っていた。
そして、本題に入った。
「バフェット子爵家の三男は失格だ。正直話にならない。周囲には威張っているのに、ルーカスに木剣を打ち込めないのが全てを物語っている。虎の威を借る狐とは、まさにこの事だな」
ジュダは、子爵家の息子だという事を過剰にアピールしていた。
本人は当主でもないし、しかも偉い人には全く太刀打ちできない。
物事の本質を正しく見極める能力が著しく欠けていた。
「しかも、小心者で姑息な手を使う。カンニングをしたのも、バフェット子爵家の三男だけらしいな。王城としても、そういう者は不要だ」
おお、陛下がジュダをバッサリと切り捨てたよ。
といっても、僕達も同じ意見だけどね。
そして、この後の対応が決まった。
「バフェット子爵とジュダを、今すぐ王城に呼びつける。余から全ての説明をする。ヘルナンデス、ルーカス、ケンは同席するように」
「「「畏まりました」」」
僕、ヘルナンデス様、ルーカス様は、席から立ち上がって陛下に頭を下げた。
イアン様も、学園に戻って色々と対応しないとならない。
軍も、直ぐにバフェット子爵家へと向かった。
「貴族主義勢力が勢いを失っているとはいえ、まだ一定数いるのは間違いない。貴族は特別な存在だと、威張ってばかりで努力することもない。それでは、いくら経っても国は良くならない。声で言っても、中々当人には伝わらないがな」
陛下は、お茶を飲みながらしみじみと語った。
昔は、それでも何とかやっていけたのかもしれない。
でも、帝国との戦争を期に国内の改革に着手した。
そして、コネで入って何もせずに威張っている者への対処も強化した。
普通にしている分なら、特に何もしないんだけどね。
コンコン。
「失礼します。バフェット子爵家の方がお見えになりまりた」
「そうか、入るように」
軍が向かって三十分もしない内に、バフェット子爵とジュダが大会議室に入ってきた。
バフェット子爵は何故かとても良い笑みを浮かべ、対してジュダは僕達を見た瞬間俯いた。
「これはこれは、陛下直々のお呼び出しで」
「バフェット子爵、直ぐに座るように」
「畏まりました」
バフェット子爵は、陛下が冷たく言っているのに全く気がついていない。
なのに、バフェット子爵は何故か揉み手をしながら席に着いた。
ジュダも、真っ青な表情のまま何とか席に座った。
ガチャ、ザッザッザッ。
「「えっ?」」
すると、大会議室に多くの兵が入ってきたのだ。
突然の出来事に、バフェット子爵とジュダは少し混乱していた。
僕達は、取り乱すことなくジッとバフェット子爵親子を見た。
そして、陛下が二人をここに呼んだ理由を説明した。
「先ず、バフェット子爵の三男は学園の入園試験失格だ。ハッキリ言って話にならない。相当頑張らないと、王城に勤めることも不可だ」
「なっ……」
陛下の毅然とした話を聞き、バフェット子爵は目が飛び出るのではと思うくらい驚愕の表情となった。
ジュダも、何故かビックリした表情ですね。
あのとんでもなく酷い内容で、合格したのかと思っていたのでしょうか。
「そして、バフェット子爵は業務中だろうが。何故屋敷にいた?」
「そ、それは……」
バフェット子爵は、蛇に睨まれた蛙状態だ。
今日、バフェット子爵は休暇届も何も出ていない。
つまり、バフェット子爵は陛下を目の前にしながら堂々と業務をさぼっていることになる。
「先代が犯した罪を受け、別の部署に異動した。しかし、貴様は貴族らしい仕事ではないと殆ど出勤していない。どうやら、罰を受けた意味を理解していないようだな……」
「うぐっ……」
陛下の鋭い睨みが更に増し、バフェット子爵は顔面蒼白だ。
しかも、罪状はこれで終わらなかった。
「バフェット子爵、貴様は先代と共に横領をしていたな。貴様は上手く隠したと思っているが、証拠を掴んでいる」
「あっ……」
バフェット子爵は、今度はヤバいという表情に変わった。
百面相みたいに、コロコロと表情が変わるなぁ。
なお、スラちゃん達が偵察することもなく、普通に執務机の中に大量に証拠が残っていた。
「バフェット子爵を拘束し、連行しろ!」
「「「「「はっ」」」」」
バフェット子爵は、ガックリと項垂れながら兵に縄で拘束されて連れて行かれた。
目の前で父親が拘束されるという光景に、ジュダはガタガタと震えていた。
「ジュダ、王国は法治国家だ。法律以外にも様々な取り決めがある。余でも、違反を犯したら罰せられる。なのに、貴族だからなんでもしていいのか。取り決めを無視していいのか。お前は、そんな基本すら理解していないようだ。違反を犯したからこそ、目の前で父親が捕まる。そういう事だ」
「は、はは、はい!」
ジュダは、陛下の語りかける様な話に、わなわなしながらも何とか答えた。
とはいえ、本人がどこまで理解しているかは全く不明だ。
しかし、陛下は更に言葉を続けた。
「なお、長男と次男にも捕縛命令を出した。そして、屋敷への強制捜査命令も指示した。これがどういうことか、屋敷に帰ってよく考えるように」
「は、はい……」
ジュダは、真っ青な表情で陛下に頷いた。
いずれにせよ、バフェット子爵家で残っている直系男子はジュダしかいない。
これから、バフェット子爵家は茨の道を歩むことになるだろう。
なお、ジュダは軍が懇切丁寧に屋敷まで送り届け、屋敷で聴取を受ける事になる。
でも、スラちゃん達とピーちゃん達も強制捜査に参加しているから、証拠は根こそぎ見つかるだろうな。
最初は王城の陛下の執務室に集まろうという事になったのだが、急遽大会議室に関係者が集まった。
「一人を除き、他の受験生は真面目にしかも一生懸命に試験に臨んでいました。どうしても貴族と平民では平均学力に差が出ますが、その真面目でやる気のある姿勢はとても評価できます」
「学力や剣技の差は、育った環境差が出るからどうしようもない。それでも、本人が真面目にやるのなら幾らでも助ける事はできる。やる気に満ちている者が多く、余もとても満足している」
僕の報告を聞き、陛下は満足そうに頷いた。
勿論、ヘルナンデス様、ルーカス様、イアン様も僕と同様の意見だ。
クリスも、殆どの受験生はとても良い姿勢を見せたと高評価だ。
後は、上手くクラス分けができれば良いと思っていた。
そして、本題に入った。
「バフェット子爵家の三男は失格だ。正直話にならない。周囲には威張っているのに、ルーカスに木剣を打ち込めないのが全てを物語っている。虎の威を借る狐とは、まさにこの事だな」
ジュダは、子爵家の息子だという事を過剰にアピールしていた。
本人は当主でもないし、しかも偉い人には全く太刀打ちできない。
物事の本質を正しく見極める能力が著しく欠けていた。
「しかも、小心者で姑息な手を使う。カンニングをしたのも、バフェット子爵家の三男だけらしいな。王城としても、そういう者は不要だ」
おお、陛下がジュダをバッサリと切り捨てたよ。
といっても、僕達も同じ意見だけどね。
そして、この後の対応が決まった。
「バフェット子爵とジュダを、今すぐ王城に呼びつける。余から全ての説明をする。ヘルナンデス、ルーカス、ケンは同席するように」
「「「畏まりました」」」
僕、ヘルナンデス様、ルーカス様は、席から立ち上がって陛下に頭を下げた。
イアン様も、学園に戻って色々と対応しないとならない。
軍も、直ぐにバフェット子爵家へと向かった。
「貴族主義勢力が勢いを失っているとはいえ、まだ一定数いるのは間違いない。貴族は特別な存在だと、威張ってばかりで努力することもない。それでは、いくら経っても国は良くならない。声で言っても、中々当人には伝わらないがな」
陛下は、お茶を飲みながらしみじみと語った。
昔は、それでも何とかやっていけたのかもしれない。
でも、帝国との戦争を期に国内の改革に着手した。
そして、コネで入って何もせずに威張っている者への対処も強化した。
普通にしている分なら、特に何もしないんだけどね。
コンコン。
「失礼します。バフェット子爵家の方がお見えになりまりた」
「そうか、入るように」
軍が向かって三十分もしない内に、バフェット子爵とジュダが大会議室に入ってきた。
バフェット子爵は何故かとても良い笑みを浮かべ、対してジュダは僕達を見た瞬間俯いた。
「これはこれは、陛下直々のお呼び出しで」
「バフェット子爵、直ぐに座るように」
「畏まりました」
バフェット子爵は、陛下が冷たく言っているのに全く気がついていない。
なのに、バフェット子爵は何故か揉み手をしながら席に着いた。
ジュダも、真っ青な表情のまま何とか席に座った。
ガチャ、ザッザッザッ。
「「えっ?」」
すると、大会議室に多くの兵が入ってきたのだ。
突然の出来事に、バフェット子爵とジュダは少し混乱していた。
僕達は、取り乱すことなくジッとバフェット子爵親子を見た。
そして、陛下が二人をここに呼んだ理由を説明した。
「先ず、バフェット子爵の三男は学園の入園試験失格だ。ハッキリ言って話にならない。相当頑張らないと、王城に勤めることも不可だ」
「なっ……」
陛下の毅然とした話を聞き、バフェット子爵は目が飛び出るのではと思うくらい驚愕の表情となった。
ジュダも、何故かビックリした表情ですね。
あのとんでもなく酷い内容で、合格したのかと思っていたのでしょうか。
「そして、バフェット子爵は業務中だろうが。何故屋敷にいた?」
「そ、それは……」
バフェット子爵は、蛇に睨まれた蛙状態だ。
今日、バフェット子爵は休暇届も何も出ていない。
つまり、バフェット子爵は陛下を目の前にしながら堂々と業務をさぼっていることになる。
「先代が犯した罪を受け、別の部署に異動した。しかし、貴様は貴族らしい仕事ではないと殆ど出勤していない。どうやら、罰を受けた意味を理解していないようだな……」
「うぐっ……」
陛下の鋭い睨みが更に増し、バフェット子爵は顔面蒼白だ。
しかも、罪状はこれで終わらなかった。
「バフェット子爵、貴様は先代と共に横領をしていたな。貴様は上手く隠したと思っているが、証拠を掴んでいる」
「あっ……」
バフェット子爵は、今度はヤバいという表情に変わった。
百面相みたいに、コロコロと表情が変わるなぁ。
なお、スラちゃん達が偵察することもなく、普通に執務机の中に大量に証拠が残っていた。
「バフェット子爵を拘束し、連行しろ!」
「「「「「はっ」」」」」
バフェット子爵は、ガックリと項垂れながら兵に縄で拘束されて連れて行かれた。
目の前で父親が拘束されるという光景に、ジュダはガタガタと震えていた。
「ジュダ、王国は法治国家だ。法律以外にも様々な取り決めがある。余でも、違反を犯したら罰せられる。なのに、貴族だからなんでもしていいのか。取り決めを無視していいのか。お前は、そんな基本すら理解していないようだ。違反を犯したからこそ、目の前で父親が捕まる。そういう事だ」
「は、はは、はい!」
ジュダは、陛下の語りかける様な話に、わなわなしながらも何とか答えた。
とはいえ、本人がどこまで理解しているかは全く不明だ。
しかし、陛下は更に言葉を続けた。
「なお、長男と次男にも捕縛命令を出した。そして、屋敷への強制捜査命令も指示した。これがどういうことか、屋敷に帰ってよく考えるように」
「は、はい……」
ジュダは、真っ青な表情で陛下に頷いた。
いずれにせよ、バフェット子爵家で残っている直系男子はジュダしかいない。
これから、バフェット子爵家は茨の道を歩むことになるだろう。
なお、ジュダは軍が懇切丁寧に屋敷まで送り届け、屋敷で聴取を受ける事になる。
でも、スラちゃん達とピーちゃん達も強制捜査に参加しているから、証拠は根こそぎ見つかるだろうな。


