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 年末の奉仕活動の翌日、新しい年を迎えた。
 いよいよ僕とクリスも十五歳となり、この世界での成人を迎える。
 大体の貴族は成人を迎えるとパーティーを開くらしいが、僕とクリスの場合はそれが結婚式になる。
 何にせよ、春に向けてとても忙しくなる。

「ケン様、焦らなくて大丈夫です。結婚式に向けて、使用人も精一杯準備のお手伝いをしますので」

 ハンナおばさんも、他の使用人も、結婚式の準備は大丈夫だと太鼓判を押してくれた。
 フリージアお祖母様とダイナー男爵家のケーラさんが、張り切って結婚式の準備をしている。
 因みに、明日僕とクリスの服の採寸をする事になっていた。
 僕とクリスも準備を整えて、スラちゃんと共に王城に向かった。

「じゃあ、行ってくるね。クリスも頑張ってね」
「ケンも気をつけてね」

 王城で僕とスラちゃんは馬車から降り、クリスは軍の施設へと向かった。
 チビスライム達とピーちゃんは、クリスと共に軍の施設へと向かったのだった。

「いよいよ、ケンも成人か。初めて会った時はかなり幼く小さかったのに、今ではこんなに大きくなったのか」

 陛下の執務室に行くと、陛下が感慨深そうに話してきた。
 アーサー様も職員も、僕の事を目を細めて見ていた。
 因みに、今日から普通に仕事を始めるのだが、この後いきなり会議が行われるという。
 と言うことで、僕とスラちゃんは陛下とアーサー様と一緒に大会議室に向かった。
 なお、クリスもルーカス様とヘルナンデス様と一緒に王城に向かうらしい。
 それだけ重要な会議なんだと、僕もスラちゃんも良く分かった。
 会議室には閣僚や軍の幹部に主だった貴族も集まっており、ローリー様とオーフレア様の姿もあった。

「それでは、新年最初の会議を始める。各部署の説明に入る前に、帝国との講和会議についてヘルナンデスから話がある」

 陛下が最初に軽く話し、直ぐにヘルナンデス様が立ち上がって説明を始めた。

「それでは、説明をする。予定では、二週間後にガルフォース辺境伯領にて講和会議を行う予定だ。しかし、昨日元軍人よりもたらされた情報により、過激派が講和会議阻止に向けて動いている可能性が伝えられた。実際にガルフォース辺境伯領では不審者の拘束が増えており、今回の件と合わせて対策を進める事にした」

 昨日ユータがゴードン様に手渡した手紙には、そんな事が書いてあったんだ。
 確かに、これはとても重要な話だ。

「そこで、事前に二段階の対策を取ることにした。第一弾として、ケン君の連れているチビスライムのうち、三匹を今日中に魔導船でガルフォース辺境伯領へ送る。チビスライム達は馬に乗れるから、巡回に同行してもらう。そして、五日後にケン君とクリスをガルフォース辺境伯領へ派遣する。勿論、軍による巡回も強化する」
「「はい」」

 これは、とても重要な任務だ。
 僕達が先行して、できるだけ不審者を捕らえる様にしないと。
 探索魔法を使った、郊外への抜け道があるかも確認をするという。
 僕とクリスだけでなく、スラちゃんも頑張るぞと気合いを入れていた。
 なお、本日魔導船でガルフォース辺境伯領へ向かうのは、アクアちゃん、レモンちゃん、ミカンちゃん、ピーちゃんに決まった。
 アクアちゃんがリーダーとして、みんなの指示を出すという。
 それに、レモンちゃんもいれば怪我人の治療も可能だ。

「講和会議には、私、ルーカス、オーフレア、そして数人の官僚を連れていく。ケンとクリスも、そのまま講和会議に参加する。下交渉を行なっているので、予定では五日間で完了予定だ。なお、本日の謁見では細かい事は説明せず概略のみ説明する」

 わざわざ過激派に色々な情報を与えなくても良いはずだ。
 この辺の調整は、偉い人にお任せです。
 その後は、普通に色々な話がされていった。
 僕とクリスは冒頭部分のみで良いのではと思ったが、結局全部聞くことになった。
 だが、各部署から懸念事項は報告されず、先ずは講和会議をきちんと終わらせる事が最重要課題だと改めて周知された。
 こうして、二時間に渡る会議は何とか終了したのだった。

「「疲れた……」」

 会議が終わると、僕とクリスは同時にぐったりとテーブルに突っ伏してしまった。
 スラちゃんも流石にお疲れモードで、同じくテーブルの上でへんにゃりとしていた。
 流石に二時間の会議は大変ですよ……

「ははは、ケンもまだまだだな。今年は、ケンにもどんどんと長時間の会議に出てもらうぞ」
「えっ……」

 まだまだ元気な陛下により、僕は再びガックリとしてしまった。
 僕は会議参加回数が少ないのに、流石に長時間の会議はキツイです。
 そして、執務室に戻って僕とスラちゃんは休憩しつつ仕事を再開したのでした。