次の日の放課後、会議のために放送室へ。全員が集まり、円になるように並べた椅子に座ると会議は始まる。実は朝からビクビク怯えていた。それは、そたくんに朝出会った時「あの動画はダメ!」とだけ言われていたからだ。しかも強めに。いつも画面の中では穏やかな王子様だった。だから、初めて見るそたくんのそんな雰囲気にとても驚いた。
「あの~、動画のどこの部分がダメでした?」
僕は恐る恐るそたくんに質問した。
「どこがダメだと思った?」
逆に質問されたけれど、答えは見つからない。するとみずっきくんが手を挙げた。
「いつきくんが、あんまり出てこなかったところかなぁ」
「正解!」
そたくんは言いながら思いきり頷いた。
「だけど、メインは四人だし。そんなに僕はたくさん映れる立場ではなかったし……」
そたくんはなんとも言えない微妙な表情で僕を見つめてきた。
気まずい雰囲気になって、溶けてしまいそうになっていると「僕もその動画いじってみたいかも~」と、予想外にしーおんくんが名乗りを上げた。
まさかの展開に全員でしーおんくんを見る。
「一回やってみたいと思っていたし。そんなに僕が立候補するの、驚くこと?」
ほわほわしながらしーおんくんがそう言うと、全員が同時に頷いた。それからしーおんくんは話を続けた。
「それにね、いつきんは四人と同じぐらいの時間、映像に映ってもいいと思う。だって、送ってもらった動画眺めていたら、見えた気がするんだもん。いつきんの和風王子だったっぽい前世が」
――んっ? 僕の前世?
「えっ、じゃあ、いつきくんもプリレボに?」
みずっきくんの表情はパッと明るくなった。
「えっ? 待って、僕がプリレボなんて……100%超えるぐらいに想像できないです」
「でもいつきくんは話しやすいから、プリレボに入ってくれたらうれしいな」
「みずっきくん、そう思っていてくれたんだ……うれしい、ありがとう。僕もね、みずっきくんとは一番話しやすいなって思っていたよ」
僕とみずっきくんは顔を合わせると、えへへと笑った。
「でもしーおんは、星占いはすごく当たるけれど、前世が王子かどうかを当てる確率は半分ぐらいだからな、今のところ」
そたくんは腕を組みながら言った。
その話はもちろん僕も知っている。プリレボのインタビュー映像でその話をしていたのを真剣に見ていたから。
「プリレボメンバーの前世が王子だった姿は、しーおんくんが小さい時、確実に見えたんですよね? たしか、前世が王子だったっぽい人たちが他にもいたとしーおんくんは思っていたけれど、その人たちの前世は実は王子ではなかったとか……」
「そうだよ! 三人の前世は昨日のいつきんの時よりもはっきりと見えたの。ちなみに僕自身の場合は、鏡を眺めていたら、鏡に映る僕に重なるようにして僕の前世が見えてきたんだよ」
僕が質問するとしーおんくんが答えてくれた。
「前世の話とか、いつきんは僕たちのことをよく知ってるよね?」と、みずっきくんは微笑む。
――だって、四人のことが大好きだから。
と正直なことは、恥ずかしくて言えない。
「それにしても、僕の前世が王子だったことは、はっきりとは見えなかった……ということは、やっぱり気のせいでは?」
「気のせいなのかなぁ。でも王子っぽい気もしたんだよね」
しーおんくんは首をかしげた。
「僕の前世が王子の確率が100%ではなく、半分ぐらいの確率なら、僕がプリレボに加入するのは、ファンの人たちや世間が微妙な雰囲気になるのでは?」
僕は顎に手をやり真剣に考えた。
「いや、なんで葉月がプリレボに加入する話になってるの?」
れんくんが声を低くしてそういった。僕も同意の意味で何回も頷いた。
れんくん、もしかして怒ってるのかな?
れんくんをチラッと見ると思った通り、ムッとした表情をしていた。
「れんくん、ごめんなさい」
迷わずあやまりの言葉が僕の中から出てきた。
「なんで俺にあやまる?」
「だって、僕なんかが憧れのプリレボに入れるなんて、そんな図々しい発言を……」
「葉月がどうのではなくって、俺たちはどんな時もずっと四人で頑張ってきて……」
れんくんは眉を寄せ、何か不満があるような表情をする。
話の途中でそたくんは、両手を合わせパチンとならすと空気を明るく変えた。
「さて、話を戻そうか。じゃあ、とりあえずしーおんはいつきんが編集してくれた映像で、いつきんが映っているシーンを増やす作業をしてみる?」
「してみる。でもね、編集の仕方が分からないなぁ」
「あの、僕、教えましょうか?」
編集ならできるから、僕でも教えることはできる。でも僕がプリレボのメンバーに何かを教えるとか、図々しかったかな。プリレボにはもっと上手に編集できる知り合いがいそうだしな――。
「うん、教えて? じゃあ、週末、僕たちの家で教えてほしいな」
「プリレボの家でですか!?」
しーおんくんの返事にほっとした。と、同時にまさかのプリレボが全員住んでいるお城で作業を?
と、そんな感じでれんくんの反応がずっと気になったままだったけれど、週末プリレボが住んでいるお城におじゃますることになった。
その日が来るまで僕はどんなお城かなと毎日想像ばかりして、ドキドキしていた。
*
「あの~、動画のどこの部分がダメでした?」
僕は恐る恐るそたくんに質問した。
「どこがダメだと思った?」
逆に質問されたけれど、答えは見つからない。するとみずっきくんが手を挙げた。
「いつきくんが、あんまり出てこなかったところかなぁ」
「正解!」
そたくんは言いながら思いきり頷いた。
「だけど、メインは四人だし。そんなに僕はたくさん映れる立場ではなかったし……」
そたくんはなんとも言えない微妙な表情で僕を見つめてきた。
気まずい雰囲気になって、溶けてしまいそうになっていると「僕もその動画いじってみたいかも~」と、予想外にしーおんくんが名乗りを上げた。
まさかの展開に全員でしーおんくんを見る。
「一回やってみたいと思っていたし。そんなに僕が立候補するの、驚くこと?」
ほわほわしながらしーおんくんがそう言うと、全員が同時に頷いた。それからしーおんくんは話を続けた。
「それにね、いつきんは四人と同じぐらいの時間、映像に映ってもいいと思う。だって、送ってもらった動画眺めていたら、見えた気がするんだもん。いつきんの和風王子だったっぽい前世が」
――んっ? 僕の前世?
「えっ、じゃあ、いつきくんもプリレボに?」
みずっきくんの表情はパッと明るくなった。
「えっ? 待って、僕がプリレボなんて……100%超えるぐらいに想像できないです」
「でもいつきくんは話しやすいから、プリレボに入ってくれたらうれしいな」
「みずっきくん、そう思っていてくれたんだ……うれしい、ありがとう。僕もね、みずっきくんとは一番話しやすいなって思っていたよ」
僕とみずっきくんは顔を合わせると、えへへと笑った。
「でもしーおんは、星占いはすごく当たるけれど、前世が王子かどうかを当てる確率は半分ぐらいだからな、今のところ」
そたくんは腕を組みながら言った。
その話はもちろん僕も知っている。プリレボのインタビュー映像でその話をしていたのを真剣に見ていたから。
「プリレボメンバーの前世が王子だった姿は、しーおんくんが小さい時、確実に見えたんですよね? たしか、前世が王子だったっぽい人たちが他にもいたとしーおんくんは思っていたけれど、その人たちの前世は実は王子ではなかったとか……」
「そうだよ! 三人の前世は昨日のいつきんの時よりもはっきりと見えたの。ちなみに僕自身の場合は、鏡を眺めていたら、鏡に映る僕に重なるようにして僕の前世が見えてきたんだよ」
僕が質問するとしーおんくんが答えてくれた。
「前世の話とか、いつきんは僕たちのことをよく知ってるよね?」と、みずっきくんは微笑む。
――だって、四人のことが大好きだから。
と正直なことは、恥ずかしくて言えない。
「それにしても、僕の前世が王子だったことは、はっきりとは見えなかった……ということは、やっぱり気のせいでは?」
「気のせいなのかなぁ。でも王子っぽい気もしたんだよね」
しーおんくんは首をかしげた。
「僕の前世が王子の確率が100%ではなく、半分ぐらいの確率なら、僕がプリレボに加入するのは、ファンの人たちや世間が微妙な雰囲気になるのでは?」
僕は顎に手をやり真剣に考えた。
「いや、なんで葉月がプリレボに加入する話になってるの?」
れんくんが声を低くしてそういった。僕も同意の意味で何回も頷いた。
れんくん、もしかして怒ってるのかな?
れんくんをチラッと見ると思った通り、ムッとした表情をしていた。
「れんくん、ごめんなさい」
迷わずあやまりの言葉が僕の中から出てきた。
「なんで俺にあやまる?」
「だって、僕なんかが憧れのプリレボに入れるなんて、そんな図々しい発言を……」
「葉月がどうのではなくって、俺たちはどんな時もずっと四人で頑張ってきて……」
れんくんは眉を寄せ、何か不満があるような表情をする。
話の途中でそたくんは、両手を合わせパチンとならすと空気を明るく変えた。
「さて、話を戻そうか。じゃあ、とりあえずしーおんはいつきんが編集してくれた映像で、いつきんが映っているシーンを増やす作業をしてみる?」
「してみる。でもね、編集の仕方が分からないなぁ」
「あの、僕、教えましょうか?」
編集ならできるから、僕でも教えることはできる。でも僕がプリレボのメンバーに何かを教えるとか、図々しかったかな。プリレボにはもっと上手に編集できる知り合いがいそうだしな――。
「うん、教えて? じゃあ、週末、僕たちの家で教えてほしいな」
「プリレボの家でですか!?」
しーおんくんの返事にほっとした。と、同時にまさかのプリレボが全員住んでいるお城で作業を?
と、そんな感じでれんくんの反応がずっと気になったままだったけれど、週末プリレボが住んでいるお城におじゃますることになった。
その日が来るまで僕はどんなお城かなと毎日想像ばかりして、ドキドキしていた。
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