「なんだ、そんなことか! そうだよね、放送部の撮影なんだから、いつきんが編集すればいいよね。いつものクセでマネージャーに渡していたよ」
そたくんは笑顔で言ってくれた。嬉しさとともに、ほっとした。気持ちを伝えて良かった!
だけど他のメンバーにも確認しないと。
みずっきくんと目を合わせると「いいよ~、どんなふうに仕上がるのかな? 楽しみだね」とうなずいてくれた。
しーおんくんとれんくんは?
車の後ろを覗いてみた。
「あの、おふたりは……」
「いいよ! 星のように、キラキラに仕上げてね!」
しーおんくんからも許可をもらった。残りはあとひとり……実は、れんくんとはまだ話もあんまりしていない。気安く話しかけられない雰囲気をまとっていて。だけど許可をもらわないと。
「あ、あの、れんくんは、どうですか?」
しばらく目が合うも、何も言ってはくれない。断られるかな?と思っていたその時だった。
「俺が作詞作曲した歌で、今日の撮影風景に似合う歌がある。そのデータを後で送るから、それに動画を合わせてみてほしい」
まさかの、れんくんからのお願いごと!
「はい、う、うん。もちろん! やります! やらせてください!」
僕の返事がおかしかったのか、なんといつも無表情でクールなれんくんが、ふっと笑ってくれた。
「あっ、でも……れんくんの連絡方法が僕の元にはひとつもありません。なのでデータをこっちに送れません。あの、手段になるようなものを、聞いてもよいですか?」
「ふふっ、いつきん、すごく遠回りな言い方だね。じゃあさ、データ共有するために、みんなでハピネスイチゴのグループ作ろう」
ハピネスイチゴとは、スマホなどでメッセージや色々なデータをやりとりするアプリ。
そたくんは『エンタメ特別放送部☆』とタイトルの文字をスマホに打つと全員をそのグループに招待した。
「あれ? うちの部活そんな名前だっけ?」
「そうだよいつきん! 放送部はふたつあって、『エンタメ特別放送部』は、僕たちだけの特別な放送部だよ」
そたくんが説明してくれた。
知らなかった。決める時はひとつしか見当たらなかったような気がしたけれど。どうであっても、特別って言葉の響きがなんかいいな!
僕たちだけの、特別な部活!
そして、れんくんから送られてきた歌が全員に共有された。僕はすぐに再生ボタンを押してみた。
爽やかで、空色と太陽がとても似合いそうな曲だった。れんくんの歌声は強くて、でもその中にはふわりとした優しさも混ざっていた。
聞き終えると、とにかく感動した。
「わぁ、今日の風景にピッタリだ! 青春! いつもクールなれんくんが、まさか、こんなに爽やかな曲を作るなんて――」
れんくんの方から鋭い視線が……。
〝クールなれんくんが、まさか〟とか言ってしまったからかな。
「……今の、れんくんに対して失礼な発言でしたでしょうか?」
「いや、別に」
「すごくよくて、感動しちゃって、気持ちが舞い上がって……れんくん、ごめんなさい」
「別に、嫌じゃなかったし」
少し話すと車が去っていった。
自分の部屋に入るともう一度スマホを開いた。
💙みずっき
💜しーおん
❤️れん
💛そた
💚いつきん
プリレボのメンバーと僕の名前が一緒に並んでいる。それだけで気持ちが舞い上がる。
まさかまさかのプリレボメンバーのグループの中にいる僕。僕は全員の名前が並んでいる画面をスクショした。
ずっとスマホの画面を眺めているとそたくんからメッセージが。
そた『今からメンバーそれぞれが撮ったデータを送るから、ダウンロードしてね』
次々とデータが送られてきた。
貴重すぎるデータを送ってくれたことにお礼を言わないと。
いつきん『ありがとうございます』
みずっき『僕も見てみよ』
そた『そうそう、いつきん。編集終わったら最終調整があるから、少し動画の全体が変わるかもだけど、いつきんは大丈夫?』
いつきん『もちろん、大丈夫です!!!!』
編集させてもらえるだけで幸せなこと。もう、それ以上の贅沢なんて望まない。そたくんから来た瞬間に素早く返事を送信した。
そういえば、カメラのデータもスマホに送らないと。
カメラのデータをスマホに飛ばし、データを整理すると、スマホで編集作業を始める。
まずは、撮影データと曲を編集アプリに置いて、使えそうなシーンをピックアップして行く。
……全部かっこよすぎて選べない。というか、僕も映っているけれど、自分の姿を全て消してしまいたいぐらいにメンバーから浮いている。
とりあえず、自分の姿は全体だけのシーンでいいかな。僕はシーンをひとつひとつチェックしていく。
そたくんの満面な笑顔のドアップ。
前世が洋風王子のそたくんは笑顔がどれも素敵。特に白い歯を見せた時の全力の笑顔はデビュー当時から変わらずに輝いていて、見ている方も一緒に笑顔になってしまう。
湖の水を片手でバシャバシャさせた後、振り向くみずっきくん。
前世が人魚王子なみずっきくんは、はにかんだ笑顔がたまらない。頑張って最高の笑顔をみせようとしている姿を見ていると「大丈夫だよ! どれもこれも完璧で可愛いから!」と励ましたくなる。ちなみに楽しい時にはいつも笑いながら涙を流していて、その涙は小瓶に収めたくなるぐらいにとても綺麗。そしていつも存在しているだけで本当に癒される。
カメラに視線を向けると腕を組み、右の口角だけ上げてニヤッとしたれんくん。
前世が中華風王子のれんくんはめったに笑顔を見せない。だけど曲がランキング一位をとった時や、本当に楽しいと思っているっぽい時だけほのかに微笑む。たまに見せる笑顔の破壊力がすごくて。それは、その笑顔で世界を征服してしまうのではないのかなと思うほどの強さだった。
好きな人に見せるような表情で、急に空に向かって微笑むしーおんくん。
前世が宇宙人王子のしーおんくんは突然ほわほわとした笑顔を見せる。いつも動きが予想できなくて、周りが無表情な時も急に声を出して笑っていたりする。そんなしーおんくんを眺めていると、なんだかありのままの自分でいいんだよと思わせてくれる。
本当に、本当に全員が魅力いっぱいなグループだなぁ。と、僕はうっとりした。
編集が楽しすぎて、夜中ずっとやっていた。いつの間にか外の色が明るくなってきていた。
「もう、こんな時間か……」
編集の流れはだいたい終わったけれど、一秒以下の細かい微調整もしたい。だけど眠たい。
思ったよりも良い感じにできて早くみんなに見せたかったから、途中までだけど作った動画をハピネスイチゴのグループに載せた。
どんな反応するのか気になりながら僕は眠りについた。プリレボのみんな、おやすみなさい。
☆。.:*・゜
そたくんは笑顔で言ってくれた。嬉しさとともに、ほっとした。気持ちを伝えて良かった!
だけど他のメンバーにも確認しないと。
みずっきくんと目を合わせると「いいよ~、どんなふうに仕上がるのかな? 楽しみだね」とうなずいてくれた。
しーおんくんとれんくんは?
車の後ろを覗いてみた。
「あの、おふたりは……」
「いいよ! 星のように、キラキラに仕上げてね!」
しーおんくんからも許可をもらった。残りはあとひとり……実は、れんくんとはまだ話もあんまりしていない。気安く話しかけられない雰囲気をまとっていて。だけど許可をもらわないと。
「あ、あの、れんくんは、どうですか?」
しばらく目が合うも、何も言ってはくれない。断られるかな?と思っていたその時だった。
「俺が作詞作曲した歌で、今日の撮影風景に似合う歌がある。そのデータを後で送るから、それに動画を合わせてみてほしい」
まさかの、れんくんからのお願いごと!
「はい、う、うん。もちろん! やります! やらせてください!」
僕の返事がおかしかったのか、なんといつも無表情でクールなれんくんが、ふっと笑ってくれた。
「あっ、でも……れんくんの連絡方法が僕の元にはひとつもありません。なのでデータをこっちに送れません。あの、手段になるようなものを、聞いてもよいですか?」
「ふふっ、いつきん、すごく遠回りな言い方だね。じゃあさ、データ共有するために、みんなでハピネスイチゴのグループ作ろう」
ハピネスイチゴとは、スマホなどでメッセージや色々なデータをやりとりするアプリ。
そたくんは『エンタメ特別放送部☆』とタイトルの文字をスマホに打つと全員をそのグループに招待した。
「あれ? うちの部活そんな名前だっけ?」
「そうだよいつきん! 放送部はふたつあって、『エンタメ特別放送部』は、僕たちだけの特別な放送部だよ」
そたくんが説明してくれた。
知らなかった。決める時はひとつしか見当たらなかったような気がしたけれど。どうであっても、特別って言葉の響きがなんかいいな!
僕たちだけの、特別な部活!
そして、れんくんから送られてきた歌が全員に共有された。僕はすぐに再生ボタンを押してみた。
爽やかで、空色と太陽がとても似合いそうな曲だった。れんくんの歌声は強くて、でもその中にはふわりとした優しさも混ざっていた。
聞き終えると、とにかく感動した。
「わぁ、今日の風景にピッタリだ! 青春! いつもクールなれんくんが、まさか、こんなに爽やかな曲を作るなんて――」
れんくんの方から鋭い視線が……。
〝クールなれんくんが、まさか〟とか言ってしまったからかな。
「……今の、れんくんに対して失礼な発言でしたでしょうか?」
「いや、別に」
「すごくよくて、感動しちゃって、気持ちが舞い上がって……れんくん、ごめんなさい」
「別に、嫌じゃなかったし」
少し話すと車が去っていった。
自分の部屋に入るともう一度スマホを開いた。
💙みずっき
💜しーおん
❤️れん
💛そた
💚いつきん
プリレボのメンバーと僕の名前が一緒に並んでいる。それだけで気持ちが舞い上がる。
まさかまさかのプリレボメンバーのグループの中にいる僕。僕は全員の名前が並んでいる画面をスクショした。
ずっとスマホの画面を眺めているとそたくんからメッセージが。
そた『今からメンバーそれぞれが撮ったデータを送るから、ダウンロードしてね』
次々とデータが送られてきた。
貴重すぎるデータを送ってくれたことにお礼を言わないと。
いつきん『ありがとうございます』
みずっき『僕も見てみよ』
そた『そうそう、いつきん。編集終わったら最終調整があるから、少し動画の全体が変わるかもだけど、いつきんは大丈夫?』
いつきん『もちろん、大丈夫です!!!!』
編集させてもらえるだけで幸せなこと。もう、それ以上の贅沢なんて望まない。そたくんから来た瞬間に素早く返事を送信した。
そういえば、カメラのデータもスマホに送らないと。
カメラのデータをスマホに飛ばし、データを整理すると、スマホで編集作業を始める。
まずは、撮影データと曲を編集アプリに置いて、使えそうなシーンをピックアップして行く。
……全部かっこよすぎて選べない。というか、僕も映っているけれど、自分の姿を全て消してしまいたいぐらいにメンバーから浮いている。
とりあえず、自分の姿は全体だけのシーンでいいかな。僕はシーンをひとつひとつチェックしていく。
そたくんの満面な笑顔のドアップ。
前世が洋風王子のそたくんは笑顔がどれも素敵。特に白い歯を見せた時の全力の笑顔はデビュー当時から変わらずに輝いていて、見ている方も一緒に笑顔になってしまう。
湖の水を片手でバシャバシャさせた後、振り向くみずっきくん。
前世が人魚王子なみずっきくんは、はにかんだ笑顔がたまらない。頑張って最高の笑顔をみせようとしている姿を見ていると「大丈夫だよ! どれもこれも完璧で可愛いから!」と励ましたくなる。ちなみに楽しい時にはいつも笑いながら涙を流していて、その涙は小瓶に収めたくなるぐらいにとても綺麗。そしていつも存在しているだけで本当に癒される。
カメラに視線を向けると腕を組み、右の口角だけ上げてニヤッとしたれんくん。
前世が中華風王子のれんくんはめったに笑顔を見せない。だけど曲がランキング一位をとった時や、本当に楽しいと思っているっぽい時だけほのかに微笑む。たまに見せる笑顔の破壊力がすごくて。それは、その笑顔で世界を征服してしまうのではないのかなと思うほどの強さだった。
好きな人に見せるような表情で、急に空に向かって微笑むしーおんくん。
前世が宇宙人王子のしーおんくんは突然ほわほわとした笑顔を見せる。いつも動きが予想できなくて、周りが無表情な時も急に声を出して笑っていたりする。そんなしーおんくんを眺めていると、なんだかありのままの自分でいいんだよと思わせてくれる。
本当に、本当に全員が魅力いっぱいなグループだなぁ。と、僕はうっとりした。
編集が楽しすぎて、夜中ずっとやっていた。いつの間にか外の色が明るくなってきていた。
「もう、こんな時間か……」
編集の流れはだいたい終わったけれど、一秒以下の細かい微調整もしたい。だけど眠たい。
思ったよりも良い感じにできて早くみんなに見せたかったから、途中までだけど作った動画をハピネスイチゴのグループに載せた。
どんな反応するのか気になりながら僕は眠りについた。プリレボのみんな、おやすみなさい。
☆。.:*・゜



