精神崩壊

『………………………………』
「…………………………」
『…………………………………………………………』
 再び、音がぼくの耳を通り過ぎていく。
 ぼくを置いて勝手に話を進める先生と女子。その光景がぼくにとって、彼らの言葉はもはや意味を持たない音の羅列でしかなかった。
 ぼくを置いて勝手に進む時間は、ただただ醜く、不快だ。
『………………………………………………』
「………………」
『…………先に更衣室で着替えてきていいよ』
 先生が話を切り上げた。
 ぼくに呆れたのだろうか。それとも、早く二人きりになるために彼女を追い出したのだろうか。そんな傲慢な期待が、ぼくの喉を熱くさせる。
 彼女がこの場を去り、足音が遠ざかっていく。
代わりに、先生の衣擦れの音や、静かな呼吸だけがぼくの耳を占領し始めた。
 静まり返った廊下。ぼくと先生は、二人きりになった。