一年前の冬。純太の実習最終日の放課後。
帰り際、分厚い黒いコートを着込んだ純太が立ち止まり、名残惜しそうにコウの方を振り返る。
「それじゃあ、コウ君。……お元気で」
雪の冷たさのせいか、その白い肌と整った顔立ちはどこか寂しげで、今にも景色に溶けて消えてしまいそうだった。
そんな純太のしんみりとした空気をぶち壊すように。 コウは足元の雪をサッとすくい上げると、ふわりとした軽い雪玉にして、純太の胸元めがけて投げつけた。
ポスッ!
「……っ!?」
黒いコートの胸元で白い雪が弾け、驚いた純太が目を丸くして完全にこちらを振り返った。
「何をするんですか、突然……」
目を丸くする純太。その完璧で大人びた仮面が少しだけ外れたのを見て、コウは悪びれる様子もなく、鼻の頭を赤くしながら、いたずらっぽく笑った。
「先生、東京の学校に就職するんですよね! 」
「はい。」
純太は優しく頷く。
「俺、絶対東京の大学に合格するので、応援しててください!あ、もし受かったら、1番に先生に連絡しますね!」
「……」
純太は、どこか酷く哀しい瞳でコウを見つめた。 そして、ふわっとコウの頭を撫でる。
「ありがとう。でも……きっとその頃には、僕のことなんて忘れてますよ」
「忘れるわけないじゃないですか!そんなことより連絡先教えてくださいよ。」
コウの無邪気な返答に純太は静かに微笑むと、手帳の切れ端に何かを書き込んだ。そして、それをコウに渡し、耳元で囁く。
「実習生という立場上、連絡先は教えられない決まりなんです。……ただ、もし本当に、僕を覚えていてくれたなら、ここに手紙を出してください。」
その紙には、東京での住所が書いてあった。
帰り際、分厚い黒いコートを着込んだ純太が立ち止まり、名残惜しそうにコウの方を振り返る。
「それじゃあ、コウ君。……お元気で」
雪の冷たさのせいか、その白い肌と整った顔立ちはどこか寂しげで、今にも景色に溶けて消えてしまいそうだった。
そんな純太のしんみりとした空気をぶち壊すように。 コウは足元の雪をサッとすくい上げると、ふわりとした軽い雪玉にして、純太の胸元めがけて投げつけた。
ポスッ!
「……っ!?」
黒いコートの胸元で白い雪が弾け、驚いた純太が目を丸くして完全にこちらを振り返った。
「何をするんですか、突然……」
目を丸くする純太。その完璧で大人びた仮面が少しだけ外れたのを見て、コウは悪びれる様子もなく、鼻の頭を赤くしながら、いたずらっぽく笑った。
「先生、東京の学校に就職するんですよね! 」
「はい。」
純太は優しく頷く。
「俺、絶対東京の大学に合格するので、応援しててください!あ、もし受かったら、1番に先生に連絡しますね!」
「……」
純太は、どこか酷く哀しい瞳でコウを見つめた。 そして、ふわっとコウの頭を撫でる。
「ありがとう。でも……きっとその頃には、僕のことなんて忘れてますよ」
「忘れるわけないじゃないですか!そんなことより連絡先教えてくださいよ。」
コウの無邪気な返答に純太は静かに微笑むと、手帳の切れ端に何かを書き込んだ。そして、それをコウに渡し、耳元で囁く。
「実習生という立場上、連絡先は教えられない決まりなんです。……ただ、もし本当に、僕を覚えていてくれたなら、ここに手紙を出してください。」
その紙には、東京での住所が書いてあった。
