禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

その中心に、確かに自分がいたことを。

ーー俺は、雪乃に殺された?

喉を震わせ、声を出そうとするが、出ない。

天狗と交わした契約、禁忌の妖術の代償として、既に声を失っていたことを思い出す。
(声まで失って雪乃を守ろうとしたのに、雪乃は俺を殺した)

目の奥に涙がにじむ。
凍てつく風のような絶望が胸を締め付ける。

恋人の雪乃が雪女だと知った時、絶望よりも愛が勝った。

大妖の使い魔である妖狐をあっという間に倒した彼女に恐れを抱きそうになっても、一緒にいたい気持ちが勝った。

大妖に襲われ手も足も出ないのに、自分を逃がそうとした雪乃を愛おしいと思った。
そんな彼女だから、何を失っても時を遡っても守ろうと決意した。

だが、時を遡り、声を失ってまで雪乃を救おうとした自分の努力は、結局、彼女に裏切られ、命を奪われるという残酷な結末に終わった。

心の奥で、怒りも悲しみも、すべて絡まり合い、混沌の渦となって押し寄せる。

声も出せず、動くこともできないまま、ただその事実に打ちのめされる。

――俺は、彼女を守れなかった。それどころか彼女に殺された。