禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

和臣は早朝、雪乃を助けようと部屋に突撃したがそこはも抜けのから。
裏口から続く足跡を辿り、雪乃を探しに来たのだ。

彼の温もりを知っているはずなのに、雪乃の心は認識の迷宮に囚われていた。

絶望と恐怖、裏切りの記憶が入り混じり、目の前の存在を“敵”として見せた。
氷のような蒼い瞳が光り、手のひらから白く鋭い氷の刃が生まれる。

凍てついた風が雪乃の意志のままに舞い上がり、周囲を白く覆い尽くす。

「お前も逃さない! 私の敵は皆殺しだ!」
声にならない叫びが、嵐の中で氷の刃を増幅させる。

黒影は動揺しているが、雪乃の意識の中では“敵”としか映らない。

氷の槍が黒影を貫き、瞬く間にその全身を覆う。

白銀の霜が巻き上がり、指先から頭頂まで、体が硬直し、光を失っていく。

雪乃はその瞬間、凍てつく静寂の中に立ち尽くす。

風の音だけが残り、吹雪は止むことなく周囲を白く染める。

冷えきった世界が、和臣の感覚をゆっくりと侵食していく。

雪乃の指先が頬に触れた瞬間、氷の結晶が彼の皮膚を覆い、呼吸が凍りついた。