「っ⋯⋯」
雪乃自身が震えた。
しかし寒さではない。
胸の奥で何かが破れ、こぼれ出すような感覚。
櫻子は一歩、後ずさる。
「ゆ、雪乃?」
だが雪乃には、もう姉の声は届いていなかった。
瞳が霞む。
視界が白くぼやける。
頭の奥で、何かが囁く。
——冷たさを思い出せ。
ぶわ、と風が一段と強く吹き荒れ、雪乃の黒髪が乱れる。
その髪の一本、一本が光を弾くように色を変えていく。
黒が、白へ。白が、銀へ。
櫻子が目を見開き、息を呑む。
「銀髪!? ば、化け物!」
妖狐は愉悦に満ちた声を漏らした。
「封じられた力が、絶望で目覚めおったか。美しい」
雪乃の肌に薄氷が広がり、吐く息が完全に白くなる。
空は晴れていて霧はかかっているが、雪は降っていない。
だが、彼女の周囲だけが猛吹雪となり、冬の山の頂のように凍りついていく。
雪乃の瞳がゆっくりと開く。
人間ではありえないほど透き通った“氷の蒼”。
泣いていたはずの目が、涙すら凍りついたように冷たく静まり返っていた。
「憎い、許せない。私の敵は一人残らず殺す」
雪乃、声はかすれ、どこか人ならぬ響きを帯びる。
雪乃自身が震えた。
しかし寒さではない。
胸の奥で何かが破れ、こぼれ出すような感覚。
櫻子は一歩、後ずさる。
「ゆ、雪乃?」
だが雪乃には、もう姉の声は届いていなかった。
瞳が霞む。
視界が白くぼやける。
頭の奥で、何かが囁く。
——冷たさを思い出せ。
ぶわ、と風が一段と強く吹き荒れ、雪乃の黒髪が乱れる。
その髪の一本、一本が光を弾くように色を変えていく。
黒が、白へ。白が、銀へ。
櫻子が目を見開き、息を呑む。
「銀髪!? ば、化け物!」
妖狐は愉悦に満ちた声を漏らした。
「封じられた力が、絶望で目覚めおったか。美しい」
雪乃の肌に薄氷が広がり、吐く息が完全に白くなる。
空は晴れていて霧はかかっているが、雪は降っていない。
だが、彼女の周囲だけが猛吹雪となり、冬の山の頂のように凍りついていく。
雪乃の瞳がゆっくりと開く。
人間ではありえないほど透き通った“氷の蒼”。
泣いていたはずの目が、涙すら凍りついたように冷たく静まり返っていた。
「憎い、許せない。私の敵は一人残らず殺す」
雪乃、声はかすれ、どこか人ならぬ響きを帯びる。
