禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

 和臣は胸に手を当て、雪乃を真っ直ぐに見つめる。
言葉にはできない。
 けれどその瞳に、“守りたい”という強い意志だけが宿っていた。

 雪乃は手紙を胸に抱きしめた。
 その細い肩が、ふるふると震える。

「私、信じます。和臣様の言葉を⋯⋯。いいえ、和臣様そのものを、信じています」

 和臣の胸の奥で、熱が静かに、しかし強く灯った。
 冬の風が二人の間を通り過ぎ、雪乃の髪がそっと揺れた。
 手紙を抱えたままの彼女は、まっすぐに和臣を見つめて微笑む。

「ありがとうございます。和臣様の言葉⋯⋯しっかりと受け取りました」

 和臣はうなずき、そっと手を伸ばし、雪乃の手に触れようとする。

 伸びてきた和臣の手を雪乃はぎゅっと握りしめた。
冷たいはずのその手は、雪乃の優しさで不思議と温かかった。

 軒先に吊るされた風鈴が、小さくちり、と鳴る。
和臣はそのまま雪乃の手を引くと、商店街へと足を進めた。

 過去に恋人だったときに、二人で商店街を歩いたことを思い出したのだ。

ーー甘いものが好きな雪乃に甘いものを食べさせてあげたい。
ーー飾り気のない格好をしてても、実はお洒落に興味のある彼女を着飾りたい。

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