禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

 声を奪われたまま今度は字さえも奪われるのかと、そんな焦りが胸を締めつけた。
 雪乃はそっと和臣の手を包み込む。
「和臣様、無理をなさらないでください。ゆっくりでいいんです。私、待ちますから」

 彼女の手は温かかった。
 そして、言葉は意味深にも感じる。
(雪乃は俺と恋仲で笑い合って恋仲だった時を少しでも思い出してくれないだろうか)

 雪乃の言葉は和臣の中の焦燥をあぶり出した。
(雪乃、本当に、覚えていないのか。なのに、どうしてこんなにも⋯⋯)
 言葉にできない想いが、胸の奥で渦を巻いた。