禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

「よく似合っている。そのドレスも靴も」

 武虎は満足げに目を細め、雪乃の手をそっと取った。
 そして曲が少し大きくなると同時に、彼女を舞台の中央へ導いた。

 最初の数歩は耐えられた。
 だが、軽やかな旋回の瞬間ーーぐきっ。

 鋭い痛みが雪乃の足首を走る。
 思わず身体が傾き、前につんのめる。
 その身を支えたのは、まるで待ち構えていたかのように伸びてきた武虎の逞しい腕。

「大丈夫だ、雪乃」
 強く、しかし優しく。
 背と腰を抱く逞しい腕は雪乃にとって救いの手のように感じた。

 雪乃は痛みに顔を歪めながらも、武虎の胸に支えられて息を整える。
「す、すみません。うまく動けなくて」

「謝る必要はない」
 武虎は雪乃の耳元で囁いた。

 声は甘く、低く、心の奥まで響く。

「足を痛めたのなら、私が導こう」
 そのまま、彼は雪乃の腰を支え、歩く必要のない抱くようなダンスへと姿勢を変えた。

 片腕で雪乃をしっかり支え、もう片方の手で彼女の指を絡め、雪乃の動きは武虎に完全に預けられた。
 雪乃は、痛みのせいで弱った心を武虎の腕に委ねる。

「旦那様、申し訳ございません。助かりました」