その晩、雪乃は異国の姫のように着飾られ晩餐会に出席する。
晩餐会の喧騒が一段落し、広間の中央に空間がつくられた。
楽人たちが静かに曲を変え、軽やかな弦の音が響き始める。
その音色は、宴の締めを告げる 舞の時間 であった。
鏡のように磨かれた床に灯籠の光が揺れ、客人たちは三々五々、舞台へと進む。
雪乃は、控えの席で一人、緊張に指を固くしていた。
彼女は舞には慣れていない。
それでも、武虎が隣にいるというだけで、心は少しだけ軽くなっている。
「雪乃」
声に振り向くと、武虎が優しく微笑み、両手に一足の靴を持っていた。
「こちらを。踊りやすいよう、特別に用意させた」
着ている淡い珊瑚色のドレスも夢みたいに美しいが、それに合ったヒールのついた赤い革靴まで用意して貰っている。
雪乃は目を輝かせた。
「こんな立派なもの⋯⋯よろしいのですか?」
「もちろん。少し、足を入れてみてくれ」
雪乃はおずおずと、短めのブーツから美しい赤いヒールの革靴に履き替えた。
だが、次の瞬間に違和感を感じる。
(……固い?)
足先が合わない。
わずかに小さい。
晩餐会の喧騒が一段落し、広間の中央に空間がつくられた。
楽人たちが静かに曲を変え、軽やかな弦の音が響き始める。
その音色は、宴の締めを告げる 舞の時間 であった。
鏡のように磨かれた床に灯籠の光が揺れ、客人たちは三々五々、舞台へと進む。
雪乃は、控えの席で一人、緊張に指を固くしていた。
彼女は舞には慣れていない。
それでも、武虎が隣にいるというだけで、心は少しだけ軽くなっている。
「雪乃」
声に振り向くと、武虎が優しく微笑み、両手に一足の靴を持っていた。
「こちらを。踊りやすいよう、特別に用意させた」
着ている淡い珊瑚色のドレスも夢みたいに美しいが、それに合ったヒールのついた赤い革靴まで用意して貰っている。
雪乃は目を輝かせた。
「こんな立派なもの⋯⋯よろしいのですか?」
「もちろん。少し、足を入れてみてくれ」
雪乃はおずおずと、短めのブーツから美しい赤いヒールの革靴に履き替えた。
だが、次の瞬間に違和感を感じる。
(……固い?)
足先が合わない。
わずかに小さい。
