禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

「お礼なら今宵、私のパートナーになってくれ。屋敷で小さな晩餐会がある。客人も来るが、雪乃⋯⋯君にぜひ同席してほしい」
突然の誘いに、雪乃の胸は驚きで震えた。
晩餐会のような華やかな場に足を運んだことはない。
でも、本当は憧れていた。

いつも古着を着させられている雪乃だが、鏡を見れば自分が誰より美しいのは分かる。
着飾った華族令嬢たちが集まる晩餐会にいつか自分も出席してみたいと思っていた。

「わ、私がですか? そんな大層な席に⋯⋯」
夢見たいな話に雪乃は動揺する。その姿を見て武虎は口の端をあげニヤリと笑った。

「雪乃、誰より美しいお前にこそ相応しい場所だ。気晴らしにもなるだろう」
武虎はそう言って、雪乃の手をそっと取った。
触れられた瞬間、雪乃の心臓が跳ねる。

「宜しくお願い致します」

雪乃が頷くと、武虎は満足げに微笑み、その目の奥に薄い影が走った。