禁忌の雪恋〜声を奪われても君を守る〜

台所の灯りがわずかに揺れ、外から聞こえる風の音すら、どこか不穏だ。

和臣が忠告の手紙をくれたという記憶。

ありえないはずなのに、頭の片隅では確かに覚えている。
(和臣様は、その時も私を守ろうとしてくれた? どうしてそんな記憶が⋯⋯)

雪乃は簪をぎゅっと握りしめた。

簪の紫が灯りに揺れて、涙と同じように震える。
その背後で、外の闇が静かに動いた。

まるで彼女の気づきに応じるように。

——妖狐は、すでに近い。