なら、私も頑張って彼の看病を務めなくっちゃ。自分がいつ倒れちゃうのか分からないけれど、それでも出来るところまで頑張ろう。
……あら?
「ふふ、はい、お口を開けて」
「……いい、皿を寄こせ」
「落としたら大変よ? 手、上げるの大変でしょ?」
「……」
座れても起き上がる事は難しいようだし、これ以上無理はさせられないわね。それに、文句は言うけれど素直に口を開けてくれるしね。
「あ、貴方名前は? 私は……」
その時、言葉を止めた。そういえば、どう名乗ればいいんだろう。帝に嫁ぐと、姓が消える。だから、今の私は《九条琳》ではなくただの《琳》。まだ、彼に私が誰なのか何も伝えてない。
こんな格好で、こんなところで粥を持ってきたりしている私が帝の正妻だなんて信じないと思う。でも、九条とは名乗れないし、気分的にも名乗りたくない。
「琳よ。貴方は?」
変に思われなかったかしら……と不安になりつつも、彼の答えを待った。だいぶ渋ってはいたけれど……
「……朧」
答えてくれた。朧、って名前なのね。でも、どこかで聞いた事のあるような……?
