「クラウス殿。そんなところでどうなさった? 旦那様とトキ様がお戻りになったのではなかったのですか?」
ロジェリオ様のその呼びかけに我に返った。
「あ、あの……ロジェリオ様。実は、今旦那様が……」
私は先ほどの出来事を見たままに伝えた。
「なっ――、それでは今頃、旦那様はトキ様と初夜の?」
「おそらく、あのご様子ではそうではないかと……。ロジェリオ様。どうしたら……?」
一体お城で何があったのか。
全く理解が追いつかないが、旦那様のあのご様子では陛下がお二人の仲をお認めになられたとしか考えられない。
それでもまだトキ様のご体調は万全の状態とは言い難い。
そんな状態で、旦那様の閨のお相手をなさるのはかなりお身体に負担が大きそうだ。
「でも、もうお二人は部屋に入られたのでしょう?」
そう尋ねられたら頷くしかない。
「それならもう無理でしょう。しかも、部屋に立ち入るなとまで指示されているならなおのこと、旦那様がご自分で制御なさるのを祈るしかできません。私は万が一のために、必要な薬をとってきます。クラウス殿はベルが鳴ったらすぐに、お部屋に向かってください」
「承知いたしました」
私の返事を聞くや否や、すぐにロジェリオ様はご自宅に戻られた。
この間、私はトキ様のご無事を祈りながら、ベルが鳴るのを待ち続けるしかない。
ああ……神よ。
どうか、どうかトキ様をお守りください。
私は必死に神に祈り続けたが、ロジェリオ様が戻ってこられてもまだ、旦那様の寝室のベルが鳴る事はなかった。
<sideエリアス>
愛しいトキを腕にだき、馬車から飛び降りる勢いで降り、急いで屋敷に入った。
クラウスの顔を見る時間すら惜しい。
これから寝室に篭る旨だけを伝えて、私は急いで階段を駆け上がった。
部屋の扉をあけ、寝室の中に入り、トキをそっとベッドに下ろす。
「トキ……」
ようやく二人っきりの空間が訪れた。
甘く名前を囁くと、トキはそっと目を閉じた。
その表情がなんとも言えないほど愛おしい。
私はゴクリと息を呑み、そっと唇を重ねた。
ゆっくりと唇を離すと、トキが恍惚とした表情で私を見上げる。
「あの、エリアスさん……僕たち、これから……」
トキの声も手も震えている。
それが怯えではなく、あくまでも緊張のように見えるのは嬉しい。
だが、トキの体力を考えても最後までは難しいだろう。
いくら陛下より夫夫として認められ、今日が実質初夜だと言っても過言ではないとしても、そこまでのことは望んでいない。私はあくまでもトキと夫夫のような時間を過ごせればいい。
ずっと我慢してきたのだから、最後の一歩手前くらいまでは行けるのではないか。
そんな期待をしてしまっている。
「大丈夫。無理はさせない。ただ、夫夫らしいことをトキとしたい。それだけは許してくれないか?」
「夫夫、らしいこと? 何をするんですか? この間の、蜜を舐めること、ですか? それなら、無理じゃないですよ」
「いや、それももちろんだが、その先の……」
「その、先?」
キョトンとした表情を向けられて、ハッとした。
「トキ。そなたは、夫夫がするべきことを知っているか?」
「するべきこと? 何があるんですか? 夫夫でやることなら、僕、頑張りますよ」
その屈託のない表情に私は茫然とした。
トキは心も身体も穢れなき清らかなフィリグランなのだ。
蜜すら出したこともほぼないと話していたのだから、それから先など知るはずがないのだ。
これをしっかりと説明して進むべきか、それとも何も知らないトキをこの場で育てていくか。
どうする……?
だが、今、すでに服の下では愚息が今までにないほど昂っている。
説明をして怖がられたら先に進むことはできない。
それなら、何も知らないまま優しく勧めたほうがいいのかもしれない。
あまりにも興奮しすぎて頭がうまく働かない。
だが、このチャンスを逃したくなくて私は、トキに優しく声をかけた。
「それじゃあ……二人で、夫夫になろう」
その声に、トキは嬉しそうに頷いた。
ロジェリオ様のその呼びかけに我に返った。
「あ、あの……ロジェリオ様。実は、今旦那様が……」
私は先ほどの出来事を見たままに伝えた。
「なっ――、それでは今頃、旦那様はトキ様と初夜の?」
「おそらく、あのご様子ではそうではないかと……。ロジェリオ様。どうしたら……?」
一体お城で何があったのか。
全く理解が追いつかないが、旦那様のあのご様子では陛下がお二人の仲をお認めになられたとしか考えられない。
それでもまだトキ様のご体調は万全の状態とは言い難い。
そんな状態で、旦那様の閨のお相手をなさるのはかなりお身体に負担が大きそうだ。
「でも、もうお二人は部屋に入られたのでしょう?」
そう尋ねられたら頷くしかない。
「それならもう無理でしょう。しかも、部屋に立ち入るなとまで指示されているならなおのこと、旦那様がご自分で制御なさるのを祈るしかできません。私は万が一のために、必要な薬をとってきます。クラウス殿はベルが鳴ったらすぐに、お部屋に向かってください」
「承知いたしました」
私の返事を聞くや否や、すぐにロジェリオ様はご自宅に戻られた。
この間、私はトキ様のご無事を祈りながら、ベルが鳴るのを待ち続けるしかない。
ああ……神よ。
どうか、どうかトキ様をお守りください。
私は必死に神に祈り続けたが、ロジェリオ様が戻ってこられてもまだ、旦那様の寝室のベルが鳴る事はなかった。
<sideエリアス>
愛しいトキを腕にだき、馬車から飛び降りる勢いで降り、急いで屋敷に入った。
クラウスの顔を見る時間すら惜しい。
これから寝室に篭る旨だけを伝えて、私は急いで階段を駆け上がった。
部屋の扉をあけ、寝室の中に入り、トキをそっとベッドに下ろす。
「トキ……」
ようやく二人っきりの空間が訪れた。
甘く名前を囁くと、トキはそっと目を閉じた。
その表情がなんとも言えないほど愛おしい。
私はゴクリと息を呑み、そっと唇を重ねた。
ゆっくりと唇を離すと、トキが恍惚とした表情で私を見上げる。
「あの、エリアスさん……僕たち、これから……」
トキの声も手も震えている。
それが怯えではなく、あくまでも緊張のように見えるのは嬉しい。
だが、トキの体力を考えても最後までは難しいだろう。
いくら陛下より夫夫として認められ、今日が実質初夜だと言っても過言ではないとしても、そこまでのことは望んでいない。私はあくまでもトキと夫夫のような時間を過ごせればいい。
ずっと我慢してきたのだから、最後の一歩手前くらいまでは行けるのではないか。
そんな期待をしてしまっている。
「大丈夫。無理はさせない。ただ、夫夫らしいことをトキとしたい。それだけは許してくれないか?」
「夫夫、らしいこと? 何をするんですか? この間の、蜜を舐めること、ですか? それなら、無理じゃないですよ」
「いや、それももちろんだが、その先の……」
「その、先?」
キョトンとした表情を向けられて、ハッとした。
「トキ。そなたは、夫夫がするべきことを知っているか?」
「するべきこと? 何があるんですか? 夫夫でやることなら、僕、頑張りますよ」
その屈託のない表情に私は茫然とした。
トキは心も身体も穢れなき清らかなフィリグランなのだ。
蜜すら出したこともほぼないと話していたのだから、それから先など知るはずがないのだ。
これをしっかりと説明して進むべきか、それとも何も知らないトキをこの場で育てていくか。
どうする……?
だが、今、すでに服の下では愚息が今までにないほど昂っている。
説明をして怖がられたら先に進むことはできない。
それなら、何も知らないまま優しく勧めたほうがいいのかもしれない。
あまりにも興奮しすぎて頭がうまく働かない。
だが、このチャンスを逃したくなくて私は、トキに優しく声をかけた。
「それじゃあ……二人で、夫夫になろう」
その声に、トキは嬉しそうに頷いた。


