異世界で監禁された僕は助けてくれた公爵さまからこの上ない寵愛を受けています

<sideエリアス>

トキが私の身体を見てかっこいいと言ってくれる。
それだけで興奮が抑えられなくなる。

この世界の常識で考えれば、肌を見てかっこいいなどと言われたら誘われていると思うだろう。おそらく誰に聞いてもそう答えるに違いない。

だが相手は穢れなきフィリグラン。
私を誘うなど微塵も考えていないに決まっている。
純粋に私の身体を誉めてくれているだけだ。

そんなトキを前に興奮した様子など見せられるわけがない。
私はトキに興奮しきった下半身を見せぬようになんとか知恵を絞った。

「そ、そうだ。トキ、湯船の中に入れる薬剤を選んでくれないか?」

いつもトキの体調に合わせて私が入れていた。
それをトキに選んでもらって注意を引いている間に下着を脱げばいい。
我ながらいいアイディアだ。

薬剤の入った箱を取り出し、トキに選んでもらう。
素直なトキは真剣に選んでくれた。

その間に下着を脱ぐのだが、少しでも刺激を与えたら危険だ。
トキの視線に注意しながら慎重に、かつ迅速に下着を脱ぐ。
ようやく下着を脱ぎ終えたが、自分でも引くほどに興奮しているのがわかる。
なんとか風呂場に入るまでは堪えてくれ。

「エリアスさん、これにします」

薬剤を手に取ったトキが、こちらにむく気配を感じて慌てて駆け寄る。
そしてトキが気づく前に彼を抱きかかえた。

これなら視線が私の下半身に向くことはない。

浴室に入り、トキが選んだ薬剤を入れてもらったのだが、よりにもよってそれが甘いミルクがたっぷりと配合された薬剤だった。もちろんトキの肌にはこの上なくいいものに違いないが、この色のせいで良からぬ妄想が滾ってしまう。

さらに興奮しそうになるのを必死に抑えて、トキを洗い場の椅子に座らせた。
これに座らせてる間はトキに見られずに済む。

まず髪を濡らし、赤子用の泡をつける。
つけながらも私の目線の先にはトキの綺麗な裸が見えている。

いつもなら服で抑え付け隠しているが、それができないからかなり危険な状態だ。
それでもトキの肌を見ない選択ができないのだからどうしようもない。

なんとか自分の髪も洗い終えたが、問題はここだ。

トキの身体に直接触れれば確実に我慢できないことはわかっている。だから。トキに気づかれぬうちに処理をしてしまえばいい。

トキの身体を片手で洗いながら、もう片方の手で素早く出しておく。
時間との戦いだが、何度か出しておけばこの後もなんとか乗り切れる。

気合を入れ、泡を手に取る。そして、片手でトキの肌に触れる。

「あれ? 今日は片手なんですか?」

鏡越しにトキに尋ねられる。
まさか気づかれるとは思わず慌てて理由を作った。

「えっ、あ、いや。その、トキを洗いながら私の身体も洗っているんだ。その方が時間が短縮できて早く湯船に浸かれるからな」

そんなわかりやすい言い訳をしてしまったが、素直なトキはそれを信じてくれてほっとした。
さすがフィリグラン。本当に清らかな心を持っている。
そんなトキを欺いている自分に呆れてしまうが、ここで知られるわけにいかないのだから仕方がない。

少しは落ち着いたところで身体を洗い流し、トキを抱きかかえて湯船に浸かった。

このミルク色には妄想が滾ってしまうが、色が濃くなって湯船の中が見えないのはありがたい。もう少しの辛抱だ。

どうにか終わりが見えてきてほっとしたのだが、トキの口から「気持ちがいい」と言葉が漏れるだけで他の想像をしてしまう。

膝に乗せていたトキが振り返り話しかけてきたが、良からぬ妄想で顔が赤くなっていたのを見られてしまった。
純粋なトキはお湯が熱いのかと勘違いしてくれたのだが、

「なんか、この体勢だと話しづらいですね。こっち向いてもいいですか?」

そう言ったかと思うと、私の膝の上でくるりと体勢を変え、私と向かい合わせに座ってしまった。

トキは何も気づかずに話しやすくていいなどと言って笑顔を見せてくる。

ああ……これは神が私に与えた試練なのだろうか……

このまま何もなく過ごしたいが、その自信がなくなってきた。
どうしたらいいのだろう……

トキの笑顔が今はどうしようもなく恐ろしい。