カイナのことは、ミカにしか見抜けない

 スマホを確認した。鬼通知だった。
『すまなかった』
『申し訳なかった』
『もうしない』
『いまどこ』
『授業終わった?』
『返事してくれ』
『ひとことでいいから』
『なんでもするから』
『ひとりにしないで』
『ひとりはいやだ』
『もう消えたくない』
『きみがいないといやだ』
 子どものようなメッセージが、並べられている。
『おねかい』
『かえつてきて』
『なでもする』
『もうきみの姉にはならなあから』
 メッセージに誤字が散らばる。
 よほどパニックだったのだろうか。それもそう。だって、僕は彼にモノを投げつけた。大きな声で罵ったし。
 彼が取り乱さないなんてどうして言えるんだ?
 本当はまだ気まずい。部屋に戻りたくないとさえ考えてしまう。
 でも戻らないなんて選択肢はない。
 ここは寮があって、家に帰ることもできない。
 何より、先輩を放っておくことができない。
 僕らをただの素材程度にしか考えてない最低な人だけど。理解し合えない魔法使いだけど。
 最低だと思う人を放っておけるほど、僕は物事を合理で考えられない。
 メッセージ画面をみてる間も、どんどん新しいメッセージが届く。
『これから戻ります』
 それだけ返事する。すぐに既読がついた。
 三峰魁のメッセージは、そこで一時停止した。