部屋に戻って畳に座り込み、ネットで見た新選組の情報の記憶を頭の中で一生懸命巡らせる。
ネットで見た情報とここで知ることは違っているから、もしかしたら今回も違うのだろうけど、土方さんが隊長たちを集めるということは、それほど大きなことなのかもしれない。
新選組と名を改め、芹沢さん一派の粛清も終わった。
「……あっ…」
記憶を辿って思い出したのは、"池田屋事件"。
でも、あれは確か来年の六月頃だった気がする。
皆が呼ばれたことと池田屋は何か関係があるのだろうか。なんて、私が考えたところで何が変わるわけでもない。
記憶が正しければ、池田屋の事件で隊士数名が亡くなるはずだ。
それを言えたら、私が知ってることを話せばどれだけの命が救われるのだろうか。
だけど、言ってしまったら歴史が変わりかねない。
この人達が積んできたものが全て、私が知っているものとは違うことになるかもしれない。
にしても、こんなにかっこいい生き様の人達が、どうして教科書に載らなかったのかということが不思議で仕方がない。
塚井先生に聞くまでは、教科書で見かけたりもしなかったし、新選組という名前は知っていても近藤さんや土方さん、沖田さんぐらいしか名前を知らなかった。
本当にどうしてなのだろう。
私が池田屋事件について知っていることは、塚井先生から聞いた内容しか知らない。
それも聞いたのは六月頃だ。
二年連続と同じ先生が担任というのは珍しいのだけれど、今思えば、私が高一の時から塚井先生は歴史の話をしていた気がする。
新選組の話を聞くようになったのは、私が二年生になった春からだけど。
私はもう一度、記憶を一生懸命巡らせる。
「………っ!」
その途端、激しい吐き気と体の体温が一気に下がる感覚に見舞われた。
そうだ。池田屋事件では藤堂さんが額に傷を負い、戦線離脱。そして沖田さんが持病の労咳の症状で吐血。
その姿を想像しただけで、今に倒れそうだ。
