帯だけお雅さんに手伝ってもらい、着替えを終えた。
帯だけはどうしてもズレてしまって、中々上手いこと付けることができない。
それ以外はもう全てできるのだけれど。
部屋を出て、沖田さんの後に続いて近藤さんの部屋へ向かう。
近藤さんの部屋へ向かうのはこれが三度目だ。
と言っても、未だに緊張はするが、以前と比べてだいぶ気持ちが落ち着くようになった。
本当に慣れって怖いなと実感する。
「近藤さん、沖田です。今いいですか?」
「構わんぞ。入れ」
「失礼します…」
沖田さんに優しく背中を押され、室内に入る。
「体調はもういいのか?」
「あ、はい。ご心配をお掛けしました」
開口一番に、近藤さんが体調を気にかけてくれた。
昨日丸一日寝ていたらしく、そのおかげで何だか体も軽い気がする。
土方さんを見ると、何か言いたそうな顔をしている。
おおよそ、体調管理もまともに出来ないとはとかの類いだろう。
それは言われなくても分かっているから、土方さんの視線は無視することにした。
「それで?どうした、総司」
「用があるのは私ではなく、澪さんの方でして」
「澪さんが?」
不思議そうに見てくる近藤さんの前に行き、正座をする。
本来なら、他の隊長さん達も呼ぶべきなのだろうけど、全員が揃ってしまうと話したいことも話せなくなるだろう。
縁側を歩いている時に沖田さんが、新選組が十番隊までできたこととそれぞれの隊長の名前を教えてくれた。
局長 近藤勇
副長 土方歳三
総長 山南敬助
一番隊隊長 沖田総司
二番隊隊長 永倉新八
三番隊隊長 斎藤一
四番隊隊長 松原忠司
五番隊隊長 武田観柳斎
六番隊隊長 井上源三郎
七番隊隊長 谷三十郎
八番隊隊長 藤堂平助
九番隊隊長 鈴木三樹三郎
十番隊隊長 原田左之助
正直、試衛館のメンバー以外誰かは分からない。
私の話を聞いた上で、隊長さん達にも聞いてもらう必要があると判断されたら、その時話すことにしよう。
私は軽く深呼吸をした。
「まずはこれを」
私は、手にしていた箱を自分の前に置いて蓋を開け、近藤さんの前へ差し出した。
そこには、沖田さんの言う通り、私が胸元へ入れていた包みが入れられていた。
「これは?」
「芹沢さんが生前、私に預けられた皆さんへの文です」
その言葉に、部屋全体の空気が一変した。
それでも私は、芹沢さんから預かった伝言を伝えるために、拳を握りながら前を向く。
