夕餉を済ませたと同時にお雅さんが調理場に入ってきた。
私が近藤さんたちと話しているところを見ていたらしく、事情を話すと、洗い物はやっておくから行っておいでと言われた。
なんだか、申し訳ない気持ちになる。
山南さんには仕事が終わってからでいいと言われたけれど、ここは八木邸だから八木夫妻が絶対の場所。
お雅さんに言われてきたと言えば、誰も何も言えないだろう。
「近藤さん、澪です」
「入ってくれ」
「失礼します」
障子を開けると、何故か入り口付近に藤堂さんと原田さんが下を向いて座っていた。
さっきもバツが悪そうに立っていたけど、何かあったのだろうか。
「澪さん、こちらへ」
「あっ、はい…」
山南さんに促され、近藤さんの前に座る。
「あの、中庭の件というのは……」
「すまなかった」
「えっ?」
私から口出しをしていいものかと思いながら、恐る恐る聞くと、近藤さんが謝罪した。
近藤さんに続いて山南さんも頭を下げる。
目の前の光景に理解が追い付かない。
「子どもたちがいるにもかかわらず、総司たちは刀を抜こうとしたそうだな」
「あぁ……」
そのことかと、間抜けな声が出る。
「三人が騒いでいるところに土方君と私が通りかかったのですが、藤堂君が澪さんを怒らせてしまったと言うので事情を聞いたら、子どもがいる前で、沖田君と原田君が本気でやり合おうとしていた、と」
「で、それを近藤さんに話して、三人仲良く注意を受けて、原田と藤堂はああいう状態ってこった。総司は反省の片鱗も見せていないがな」
土方さんのその言葉に納得がいった。
夕餉の時の広間前で会った時にはもう、三人は注意を受けていたんだと。
