外もだいぶ明るくなり、人も多くなってきた。
人と人の間を抜けながら沖田さんについていく。
足袋に草履、昨日とは違う道だけどあまり変わらない光景に、本当にタイムスリップしてしまったんだという現実味が一気に増してくる。
にしても、この時代の男性はあまり身長が高くないんだなと、すれ違う通行人を見ながら思う。
確か塚井先生が、江戸時代の平均身長は男性が百五十五センチから百五十六センチで、女性が百四十三センチから百四十五センチだと言っていた。
とすると、私は男性の平均身長を優に超えているということになる。
昨日会ったときは分からなかったけど、沖田さんも男性にしてはそこまで高くない気がする。
それとは別に、私は一体どこに連れて行かれているのだろう。
賑やかな通りを抜け、少し落ち着いた雰囲気の通りを歩く。
しばらく歩いたあと、急に立ち止まった沖田さんの背中にぶつかる。
「着きましたよ」
「えっ、ここって……」
「今日からここが貴女の"居場所"です」
沖田さんはそう言って微笑むものの、新撰組を調べる過程で見たことがある。
ここは、新撰組の一番最初の屯所となった八木邸。近くには前川邸もある。
今目の前にある八木邸が、私の新しい居場所……。
普通は警戒して、居場所なんて用意しないだろう。
だけど今は、この優しさに縋る以外の方法を、私は知らない。
慣れた様子で門をくぐる沖田さんとは反対に、私は早くなる鼓動を感じながら、八木邸の敷地に足を踏み入れる。
