沖田さんと土方さんの後に続いて、路地裏から表通りに出た。
視界の霧が晴れた時より太陽の光が眩しく、思わず目を閉じる。
ゆっくり目を開けると、信じられない光景が目に飛び込んできた。
歩く人々が全員着物や袴、そして草履を履いているのだ。
見たところ車はなく、自転車もない。
東京の風景は一変して、映画やドラマでよく見る風景になっている。
「本当にどこなの、ここ……」
未だ混乱状態の頭が、さらに混乱を増す。
ドアというドアはなく、ドアも窓もすべて障子でできているし男性の殆どは腰に短い刀を据えていて、女性は簪で髪を一纏めにしている。
買った食材などはエコバッグやビニール袋ではなく、風呂敷で包んでいるか笊みたいなやつに入れている。
映画か何かの撮影をしているのだろうか。
それに、何やらさっきから視線がチクチクと体に刺さる感じがしている。
本当に今、何が起こっているの………。
「大丈夫ですか?」
「えっ?」
前を見ると、先を歩いていたはずの沖田さんが目の前に来ていた。
どうやら私は、いつの間にか立ち止まっていたらしい。
「すみません、大丈夫です」
「もうすぐで着きますから」
沖田さんはにっこり笑って、先にいる土方さんの方へ歩いて行った。
その後を追うように、私も歩き出す。
正直に言うと、裸足で歩いているから足の裏が痛い。
それでも、はぐれないようにと二人の歩幅に合わせていく。
