その後私は診察を受け、問題がないということでその日に退院した。
翌日、私は制服に着替えて朱莉と合流し、学校へ向かった。
ずっと着物生活だったから、着るのはすごく楽だけれど、スカートという短い丈にすごく違和感を感じる。
学校が近くなるにつれ、生徒が少しずつ増えてきた。
朝の天気予報で、今日は今月でいちばん気温が高くなると言っていた。
ただでさえ毎日溶けそうなほど暑かったのに、戻ってきて早々猛暑日は勘弁して欲しい。
まあでも、団扇や扇子しか無かった上、着物で過ごしていた幕末に比べたら、私にこの暑さは可愛いものだ。
暑くなるから日傘持って行きなさいと母親に渡され、今までの私なら間違いなく無言で受け取っていた。
だから、ありがとうと微笑むと、母親はすごく驚いた顔をしていた。
開いた口が塞がらないというのは、ああいう事を指すのだろう。
その後慌ててリビングへ走っていって父親に何やら報告していたけど、それを無視するかのように行ってきますと言い残して、家を出てきた。
平助君が教えてくれた、行ってきますという言葉の意味は、今でも胸の奥に大切に残っている。
