恋を知らない私が初めて愛したのは、歴史人物だった。
いつも私を"猫"に例える、誰よりも優しくて強い人。
私の、愛おしくて大切な人。
でも、私は彼や彼の仲間たちの最期を何となくだが知っている。
「私は、貴女が愛おしくて仕方がないのです」
いつもの優しい笑顔で、彼はそう言った。
「……私もです」
涙を流しながら微笑む私を、彼は愛おしそうに見つめた。
そして、私が京で目覚めた日に、彼は永遠の眠りについた。
"澪さん"
私の名前を呼ぶその優しい声はもう、二度と聞けない。
──ねぇ、総司さん。
私、将来のやりたいことが決まったんです。
貴方のように厳しく、かつ優しく、剣道という名の剣術を教えていきたいと思っています。
貴方がかつてそうしていたように。
だから、もし再会できたなら、その時はたくさん話をさせてください──
