祖母宅から自宅に戻ってから後悔の念がようやく自分の中から出てきた。これは盗みだ。しかも犯行現場は祖母宅だ。当然、被害者は祖母だ。私はのろのろと先程の小本を見る。矢張り表紙には柿野秋絵と書いてあった。その横にはフリーダイアリーと書いてある。これは生前祖父が記した日記だったのだ。デザインは古臭くなくどうやら彼が逝去する数年前に書いたものだと分かった。その事が分かった途端冬なのに更に汗が噴き出してきた。現実から逃げたくて慌てて表紙をめくる。そこには見覚えのある字圧の強い字が私を迎え入れてくれた。怯えてるくせに睨みつけてくる。どうやら日記自体は新しくても中身は矢張り古臭いようだ。古臭いどころが黴でも生えてるんじゃないのか。何だかがっかりしながら次の頁をめくる。そこには

