「それはそうと、結局どうするの?」
『どうしましょう?』
私は今絶賛、途方に暮れている。というのも昨日コンテスト用の写真を撮るために放課後をまるまる使ったにも関わらず、結局1枚も撮れていないのだ。しかも途中で体調が悪くなり、葵と日向くんに迷惑をかける始末。
『いや。ある意味、これは啓示かもしれません。神様が、写真を撮るなと言っている……!』
「人の信仰に口を挟む気はないが、一度引き受けたものを断るのは俺の印象が……」
「大丈夫でしょ。元々悪いもんはこれ以上悪くならないからね」
「ですねー」
「なっ、まさかお前たち、俺の印象がもう既に最悪だと言いたいのか!?」
「YES」
「何を根拠に――」
毎回恒例部長と鈴花先輩のじゃれ合い(?)を横目に見つつ、スマホを弄っている恵くん。どうやら弥生ちゃんとオンラインゲーム中らしい。それにしても、ふたりがあそこまで仲良くなるとは……。
何気なく、新聞部員の残るもう一人を探して視線を彷徨わせる。
「……」
日向くんはスマホを片手に持ったまま、パソコンの前の椅子に座っている。確か、今まで彼が部活中に私的にスマホを弄っているところをみたことがない気がする。真面目な彼が何をしているのか気になって、私は近づいた。流石にスマホを覗き込む気はない。近づけば気がつくだろうと思ったのだけれど、もう目の前というくらいまで来ても全く気づいていない。余程集中しているみたいだ。
なんだか余計に気になってきてしまった。そういえば、彼から趣味の話を聞いたことはなかった。中学の頃はバスケ部だったみたいだけど、それも夏くんの誘いで始めて、今はもうやっていないと言っていた。
じー、と見つめる。反応なし。
つんつん。
「ん、あっ、くるみ先輩。すみません、どうかしましたか?」
『どうかっていうか、何してるのかなって』
「先輩がコンテストに出す写真の参考になりそうなものを探していたんです」
『そうなの?わざわざありがとう』
辞退するという選択肢が見え始めたところで申し訳ないけど。にしても、私が近づいても気が付かないくらい真剣に調べてくれていたのに辞退するのはちょっとまずいかな……?
「いえ、でも難しいですね。僕、芸術系は全然だめで……センスがないんですよね」
眉を下げて苦笑する。
「それで、もしよければ、なんですけど」


