明けない夜も、君のそばにいる。

「……黒宮王国って、どんな所なのでしょうか?」
 彼女は、赤星(あかほし) 鈴恋(りこ)
 私を幼いころから知る使用人。
菜花(さな)さま、なにかあったら、すぐに白神に知らせますからね。ご安心ください」
 彼女は、神喰(かみじき) 成律(なつ)
 彼女は、白神家の遠い親戚である、不死川(しなずがわ)家の筆頭分家の長女だ。
 鈴恋(りこ)成律(なつ)は、私と黒宮王国に一緒に行くことになっている。
「ありがとう。でも、大丈夫よ、成律(なつ)。この家に戻って来るつもりはないから、白神には知らせなくてもいいわ」
菜花(さな)さま……」
 二人とも、私がこの家でどう過ごしていたかを知っているからこそ、なにも言い返さない。
「……さあ!準備しましょう。今日の夕方には、結明(ゆめ)さまが来られるとのことですし」
 結明(ゆめ)さま……黒宮(くろみや) 結明(ゆめ)さんは、黒宮王国の第一王女。
 私が結婚する遥流(はる)さんのお姉さんだ。
結明(ゆめ)さまって、どんな方なんでしょう?」
「知らないわよ。でも、まあ、皇太子さまは、気の毒よね……。小さい頃から婚約していた安郁(あい)さまとの婚約が破棄されて、全く知らない敵国の姫と結婚するのでしょう?本当に気の毒」
「……その話は良いでしょう?もう決まったことなんだし。早く準備をして、黒宮王国に行ってみたいわ」