明けない夜も、君のそばにいる。

「……なんだろ、これ」
 鈴恋(りこ)成律(なつ)に戻ってきてもらい、荷解きを再開する。
鈴恋(りこ)、知ってる?」
「知らないですね」
「私も知りません」
 荷物の中に紛れ込んでいたのは、差出人不明の一通の手紙だった。
「読んでみます?」
 封を開ける。
剱持(けんもつ)優楓(ゆう)……。あぁ、剱持家の長女ね」
 釼持家……。
 汐桜(しお)皇后の実家。
「え、優楓(ゆう)さん⁉」
 優楓(ゆう)は、私専属の使用人だった。
 でも、黒宮に行くと同時に、結明(ゆめ)さんの使用人になった。
 釼持家の人の中では、友好的なほうだったと思う。
「あ、もう一枚ある。……黒宮(くろみや) 結明(ゆめ)結明(ゆめ)さんからの手紙……!」