◇◇
あともう少しで去る教室には私しかいない。
ここには先輩がもう来ることはないと思うと、無音に感じられてきた。
委員会に所属する生徒の名前が書いてある名簿を見る。
三年六組。寺町光琉。
彼の名前だ。
「みつる、せんぱい」
名前の通りだな。
貴方は私の光で、流れるように去っていってしまった。
先輩は私のことを認知していたのだろうか。あの時見てくれたのだから、そうに違いない。
目標は達成された。
だが、あの人に恋愛感情を抱いてしまった。
話しかけていればよかったのに。名前を本人の口から聞けばよかったのに。
目の前にある彼の名前はただの記号にしか見えなくて。無機質で、感情の持たない文字で。
また、学校は無音の世界に戻ってしまった。
しかし、あの二年間は違った。
私を彩ってくれて、学校生活を素晴らしいものに変えてくれた人。
先輩は私の学校生活を華やかにしてくれた大事な人。
貴方は私に大事なことを教えてくれた人。
きっと忘れることはないだろうけれど、思い出を胸に抱いて前に進むよ。
だけど、ずっと前を向いたままなんて、先輩を忘れたふりをするなんて。
そんな事はできないよ。
だから、たまには後ろを振り返ってもいいよね?
貴方の笑顔を思い出して、また前進するよ。
キャンバスには真っ赤な、壮大なアネモネが中央に描かれていた。
アネモネ。儚い恋、期待、真実。
あともう少しで去る教室には私しかいない。
ここには先輩がもう来ることはないと思うと、無音に感じられてきた。
委員会に所属する生徒の名前が書いてある名簿を見る。
三年六組。寺町光琉。
彼の名前だ。
「みつる、せんぱい」
名前の通りだな。
貴方は私の光で、流れるように去っていってしまった。
先輩は私のことを認知していたのだろうか。あの時見てくれたのだから、そうに違いない。
目標は達成された。
だが、あの人に恋愛感情を抱いてしまった。
話しかけていればよかったのに。名前を本人の口から聞けばよかったのに。
目の前にある彼の名前はただの記号にしか見えなくて。無機質で、感情の持たない文字で。
また、学校は無音の世界に戻ってしまった。
しかし、あの二年間は違った。
私を彩ってくれて、学校生活を素晴らしいものに変えてくれた人。
先輩は私の学校生活を華やかにしてくれた大事な人。
貴方は私に大事なことを教えてくれた人。
きっと忘れることはないだろうけれど、思い出を胸に抱いて前に進むよ。
だけど、ずっと前を向いたままなんて、先輩を忘れたふりをするなんて。
そんな事はできないよ。
だから、たまには後ろを振り返ってもいいよね?
貴方の笑顔を思い出して、また前進するよ。
キャンバスには真っ赤な、壮大なアネモネが中央に描かれていた。
アネモネ。儚い恋、期待、真実。



