アネモネ記念日

◇◇
 迎えた卒業式。
 先輩は花道を通り去っていった。
 あの時とは違って、私の方を見向きもしなかった。
 期待していた私がバカだった。
 もう出会うことのない、クールな彼。
 友人と笑いながら目の前を去っていった。
 大好きなあの笑顔を見られたのが、不幸中の幸いなのだろうか。
 三月にしては高い気温が、胸の苦しさを更に悪化させていった。