破天荒ガール、世界を殴る。〜聖剣強奪!女の子を泣かせる奴は全部ぶっ飛ばす〜

第18話【政府暴走編】超高速リストラ大作戦!国家予算を守るためなら、お前ら全員追放


「報告書を出せ!今すぐにだ!」

​政府庁舎にある執務室。
大臣のネプチューンは、刻一刻と届く〝テラ移動情報〟を前に、血走った目で机の上に広げられた地図を睨みつけ、胃薬の瓶をデスクに叩きつけた。

「……テラの馬車が〝アストロ・ポリス〟に向かっている……だと?!」

​届けられた報告書には、街を私物化する代官ボイドとその取り巻きたちの悪行が、これでもかと並んでいた。
民に重税を課し、広場には〝金ぴか製の自分像〟がそびえ立ち、隠し倉庫には横領した金貨が山積み。
テラがここを通りかかれば、代官の首が飛ぶだけでは済まない。街が物理的に消滅する。

「……ボイドは馬鹿なのか?テラが見たら、像どころか街ごと粉砕される。修繕費で国が傾くわ!」

​ネプチューンは即座に直属の特務部隊を招集した。

「アストロ・ポリスに緊急指令だ!ボイド、および汚職に関与した全役員を、即刻公職追放。全財産を没収し、国境の外へ放り出せ!」

もはや隠蔽では間に合わない。テラが来る前に、物理的に〝悪〟を排除するしかない。

「異論は認めん、逆らう者は反逆罪で私が叩き斬る!」


※※※


​12時間後のアストロ・ポリス――。

​テラの豪華な馬車が街に入ったとき、そこには異様な光景が広がっていた。
街の広場では、特務部隊に引きずり出された代官ボイドが、惨めな悲鳴を上げている。

「何でー!?私が一体何をしたっていうんだ!まだ像の鼻先しかメッキを塗っていないのに!賄賂の使い道も決まってないのに、何でこんなことにーー!!」

「問答無用!ネプチューン閣下からの厳命だ!貴様のような粗大ゴミを置いておくと、この街が物理的に消えてなくなるんだよ!」

​特務部隊長は冷酷に言い放つ。ボイドは「納得いかないぞー!」と叫びながら、文字通り街の門から放り出され、そのまま北の荒野へと転がっていった。

「ふん、ゴミの分別は早めに済ませるに限るな。だが、ネプチューンの奴、随分と鼻が利くようになったじゃないか」

『全くだ、テラ。私が剣を抜くまでもない。あいつら、お前がここを通ると聞いただけで、心臓が止まるほど恐怖してるんだろうな』

「私をなんだと思っている。……まぁいい。ウワサの悪趣味な像がなくなっただけで、空気の不味さが少しはマシになった」

​広場には、高級な官服を無理やり着せられた長靴姿の青年が駆け寄ってきた。

「よ、ようこそ……!掃除番から代官になりました、ケスラーです!前の代官たちは……えーと、一分前に全員、裸一貫で追放されました!」

「……ほう。代官が掃除番か。贅沢三昧の豚よりは、マシな面構えだな」

​テラが満足げに果物をかじりながら馬車で去っていくと、背後では市民たちの地響きのような歓喜の叫びが沸き起こった。
それを見送るセレネは、手元のノートにさらさらとペンを走らせる。

「……記録:〝ネプチューン閣下による超法規的浄化措置により、テラの破壊衝動を回避。市民の満足度向上、国家の物理的存続に成功。〟……ですね」


※※※


政府庁舎にある執務室。
「ボイドの追放、および街の浄化完了」の報を聞いたネプチューンは、椅子に深く沈み込んだ。

「……守った。私はアストロ・ポリスを……いや、国家予算を守ったぞ……」

​手元の地図には、テラの進路に沿って、まだいくつかの〝真っ黒な汚職都市〟が点在している。
ネプチューンは冷酷な、しかしどこか晴れやかな顔で次の指示を出した。

「……次の街の汚職市長に伝えろ。一時間以内に自首し、奪った金を民に返せ。さもなくば、テラが来る前にお前の人生を強制終了させる」

地図に点在する真っ黒な汚職都市の一つを、汚れを拭い去るかのように指先でなぞった。その瞳には、私情を排した処刑人のような鋭い光が宿っている。

「……テラを怒らせるよりは、私にクビにされる方が、まだ命があるだけマシだとな」

​こうして、テラの〝通り道〟になる街は、彼女が到着する数時間前に次々と世界一クリーンな街へと浄化されていく。

ネプチューンによる〝テラに壊される前に本気で国を掃除する〟という、史上空前の超高速クリーン大作戦が進行していくのだった。