Scene 05_02.
以心が忙しなく髪紐を探していた。連曦が己の手首に掛けておいた髪紐を外し、以心へそっと差し出すと、以心がにこりと笑いながら連曦の手にあった髪紐を受け取った。
以心 : いやね、歳を取るとさ、どんどん物を忘れるのよね。
連曦 : まったくそのようには見えません。
以心 : でしょ? あたし、見た目よりはちょっと若く見えるのよ。あたしを見て五十過ぎだなんて誰が言うかしらね。
気さくな以心の姿は珍しくはなかった。週末になればいつでも見られた、垣根のない年長者だった。以心の身支度がおおよそ済んだように見えた。以心が外で待つ林 技師に言葉を伝えようと、連曦が乗り込んだ後部座席の窓を下ろした。以心が小さな連曦の身をそっと押さえつけながら、林 技師に頼んだ。
林 技師 : 何かご入り用でしょうか。
以心 : 連曦の分とあたしの、コーヒー一杯ずつ、お願いできるかしら?
林 技師 : あの、その。おっしゃいました通り、まだ時間が早うございまして。
以心 : ああ。そうよね。じゃあこの辺のコンビニでもいいから。あたしは何でも温かいものなら平気よ。連曦は何飲む?
以心の身を支えながら連曦が辛うじて答えた。
連曦 : あ、あたしは大丈——
以心 : じゃあ、あたしと同じので二つ。あなたの飲み物も一つ買ってきて。
林 技師 : 承知しました。
林 技師がその場を離れる姿まで見届けた後、以心が連曦の上に覆い被さるように位置していた身を、ようやく元に戻した。
以心 : あら、慌ただしいわ。目が回るでしょ連曦?
連曦 : いいえ。
以心 : 朝にスジョングァ飲むのも飽きてくるのよね。식혜(食醯:シケ)は甘すぎるし。
だぼっとしたシャツまでひらひらさせながら身を正した以心に、先に己の着衣を直していた連曦が慎重に尋ねた。
連曦 : あの、團長。
以心 : うん??
連曦 : なぜ、このような早い時間に、あたしをお呼びになったのか——
以心が浅い溜息を吐いた。
以心 : きょう、수향동(水香洞)にもう一度行ってきてもらうことになりそうなの。
連曦 : 承知しました。
連曦の返答には一片の迷いも思案もなかった。むしろ以心が沈んだ声で連曦に尋ねた。
以心 : 訊かないの? なぜ、行かなければならないのか。
連曦 : あたしが必要とされる務めだと思います。でなければ、あたしに必要な務めなのでしょう。團長が指示をお伝えになる時は、それに見合う理由があると考えています。
以心が後部ドアに備わった小さな収納から두루마리(卷子:トゥルマリ)を一つ取り出し、連曦へ手渡した。
以心 : 持っていけば、向こうで取り計らってくださるわ。
連曦 : 承知しました。
以心は全ての伝達を終えたが、受け取った連曦にはまだ言い残したことがあるらしく、動かずにいた。そんな連曦の気配を以心が怪訝そうに見つめた。
以心 : 連曦、まだ言いたいことがあるの?
連曦 : あの、團長。
以心 : うん、言ってごらん。
連曦はどうしても離れない唇を何度も噤んでいた。そんな連曦の躊躇いを初めて見るかのように、以心が連曦をじっと見つめ、時間を与えようとした。
連曦 : あたしが、どうしても知りたいことが一つあります。
以心 : どんなこと?
連曦 : 唯一、あたしの頭の中に残っていない記憶が一つあります。もしや——
連曦の難しい問いを聞いた後、以心が黙って連曦を見つめた。連曦の温かい手を、もう少し温かい己の手で包んだ以心が、何も言わず首を横に振った。
連曦 : あたしは、本当に起きたことを知りたいのです。
以心 : うーん。連曦。
連曦 : はい。團長。
以心 : あたしはね、いつもあなたたちを尊重してきたのよ。あなたたちが望むことを、どうにかして叶えてあげようとしてきた。
連曦 : 存じております。いつも、感謝しています。ですが、あたしはあの日のことがきちんと思い出せません。あたしに返すというあの言葉を、あたしがまっすぐに受け取るためには、あたしにも確信が要るのです。
以心は思い悩んだ。じっと連曦の手を握ったまま、その手を見つめていた。以心はしばらく言葉を継がなかった。連曦が以心の手をもう少し強く握った。
以心 : あの日の記憶は、あなたがきょう行って探し出せるはずよ。あくまで、望むならば。取り戻したいと願うならば。あなたのありのままの記憶が、あの中にあるの。
連曦 : なぜそこにあるのですか。あの場所は、あたしと何の関わりもなかったはずです。
以心 : きょう、主教があなたに会いたいとおっしゃったのも、あなたに残された教えを伝えようとする理由が大きいと思うの。あたしたちにはそれに関する知識が足りないから。助けてくださることになっていたし。けれど、あなたが望むなら、あなたが求めるなら、記憶を返してあげてほしいと頼んであげるわ。
気の進まない以心の声も初めてのことだった。以心が重い圧をその身に湛えたまま、連曦の頼みを待っていた。連曦の唇が重く開いた。
連曦 : では、お願いいたします。
以心が頷いた。二人とも、もう躊躇わなかった。
Scene 06_01.
思いのほか控えめな装いの始緣(シヨン)だった。いつも肌が覗くか体にぴったり張り付く服ばかり着ていた始緣が、ジーンズにごく普通のシャツを着て、化粧もきつくならない程度にだけ載せ、所姬(ソヒ)と共に지영(知暎:ジヨン)の家に上がっていた。そんな始緣のばつの悪い所在なさに向かって、所姬が笑いを弾けさせていた。
知暎 : やめなよ。始緣さんが気まずいでしょ。
知暎が所姬を制したが、所姬は依然として始緣を見ながら笑いを堪えきれなかった。
所姬 : アニ!! あいつ何、お見合いにでも行くの?? 何あんないきなり無口になって服もあんな着方して出てきて、あたしの車でずっと終始鏡ばっかり見てたんだよ!!?
始緣 : あ、シバル。ほんと。あいつ。
知暎 : もう。趙所姬。やめな。お母さんもうすぐ着くのに、二人で喧嘩するでしょ。
知暎の仲裁に、所姬がかろうじて笑いを収め始めた。
始緣 : 趙所姬。おまえ感じ悪い。
うつむいたまま、ばつの悪い非難を伝えた始緣に、所姬が近寄って下から見上げるように訊いた。
所姬 : おい。拗ねてんの??
始緣 : いや、まあ。あたしだって。目上の前で安っぽくいるわけにいかないじゃん。だからそうしただけなのに何ジラルなのジラルなの。
すっかり消え入る声で抗弁する始緣に、知暎がしおらかな微笑みを向けた。
知暎 : もう、始緣さんが安っぽいわけないでしょ。とにかく、来てくれてありがとう。ちょうど一緒にご飯食べたかったから。
始緣が知暎の大人びた佇まいをちらちらと窺った。何一つ変わることのない知暎の品は、始緣には真似し難く映った。自ら先に気勢を折った始緣が、小さく息を吐いた。
知暎 : なんで溜息ついてるんですか?
始緣 : ただ羨ましくて。めちゃくちゃ。
知暎 : 何が?
始緣 : なんて言えばいいのかも分かんない。とにかく。羨ましい。おまえが。
始緣の事情の全てを知ることはできなかったが、始緣が羨む理由はおぼろげながら察することはできた。知暎が再び冷たい己の手を始緣の冷たい手の上に載せ、始緣を温かく覆ってやった。
知暎 : 大したことないんですよ。ただ、隠さないで、ちゃんと向き合えばよかったんです。あたしも、ちゃんと言えなかった。お母さんが教えてくれたの。分からないこと、あたしが教えてあげる。
所姬 : あ、オンニがそうしたら、あたしは何なの。あ!! ああああ!! 思い出した。そうだ!!
知暎 : また何でうちの始緣さん困らせようとして。おまえ黙って——
始緣 : ありがとう。あ、あの。オンニ。
始緣の躊躇いがちな呼び方の訳を、知暎は全ては知らなかった。知りたくもなかった。知暎は自分を呼んだ始緣の声に、明るく笑って応えた。冷たいけれど握り合った手を互いにぎゅっと握った。
知暎 : うん。始緣。所姬がいじめたら言って。叱ってあげるから。
所姬 : おい。つーか、おまえあたしより年下のくせにあたしにはなんでオンニって呼ばないわけ。盃の整理つけなきゃでしょ。
知暎が所姬に渋い顔を作った。
知暎 : おまえ。今また。あたしの歳。
所姬 : オンニは二年後には十の位が変わる人だからそうなの? あ?
知暎が履いていたスリッパを脱ぎ、所姬の背中を叩こうと駆け出した。所姬が巧みに知暎のスリッパを躱しながら逃げた。
知暎 : おい!! あいつ捕まえて!!!
玄関を素早く飛び出した所姬。だが始緣と知暎より相対的に小柄だった所姬の身長では、逃走は思ったほど遠くへは及ばず、始緣と知暎の追撃にあっという間に追いつかれた。騒がしいマンションの廊下へ、通知音が鳴りエレベーターの扉が開いた。荷物を一包み抱えてエレベーターの中に立っていた以心(イシム)が、三人の騒がしい姿を見て明るく笑った。額には妙な筋が浮き出ていた。
以心 : うちの娘たち。お母さんちょっと手伝ってくれない? 重くて死にそうなんだけど?
以心が忙しなく髪紐を探していた。連曦が己の手首に掛けておいた髪紐を外し、以心へそっと差し出すと、以心がにこりと笑いながら連曦の手にあった髪紐を受け取った。
以心 : いやね、歳を取るとさ、どんどん物を忘れるのよね。
連曦 : まったくそのようには見えません。
以心 : でしょ? あたし、見た目よりはちょっと若く見えるのよ。あたしを見て五十過ぎだなんて誰が言うかしらね。
気さくな以心の姿は珍しくはなかった。週末になればいつでも見られた、垣根のない年長者だった。以心の身支度がおおよそ済んだように見えた。以心が外で待つ林 技師に言葉を伝えようと、連曦が乗り込んだ後部座席の窓を下ろした。以心が小さな連曦の身をそっと押さえつけながら、林 技師に頼んだ。
林 技師 : 何かご入り用でしょうか。
以心 : 連曦の分とあたしの、コーヒー一杯ずつ、お願いできるかしら?
林 技師 : あの、その。おっしゃいました通り、まだ時間が早うございまして。
以心 : ああ。そうよね。じゃあこの辺のコンビニでもいいから。あたしは何でも温かいものなら平気よ。連曦は何飲む?
以心の身を支えながら連曦が辛うじて答えた。
連曦 : あ、あたしは大丈——
以心 : じゃあ、あたしと同じので二つ。あなたの飲み物も一つ買ってきて。
林 技師 : 承知しました。
林 技師がその場を離れる姿まで見届けた後、以心が連曦の上に覆い被さるように位置していた身を、ようやく元に戻した。
以心 : あら、慌ただしいわ。目が回るでしょ連曦?
連曦 : いいえ。
以心 : 朝にスジョングァ飲むのも飽きてくるのよね。식혜(食醯:シケ)は甘すぎるし。
だぼっとしたシャツまでひらひらさせながら身を正した以心に、先に己の着衣を直していた連曦が慎重に尋ねた。
連曦 : あの、團長。
以心 : うん??
連曦 : なぜ、このような早い時間に、あたしをお呼びになったのか——
以心が浅い溜息を吐いた。
以心 : きょう、수향동(水香洞)にもう一度行ってきてもらうことになりそうなの。
連曦 : 承知しました。
連曦の返答には一片の迷いも思案もなかった。むしろ以心が沈んだ声で連曦に尋ねた。
以心 : 訊かないの? なぜ、行かなければならないのか。
連曦 : あたしが必要とされる務めだと思います。でなければ、あたしに必要な務めなのでしょう。團長が指示をお伝えになる時は、それに見合う理由があると考えています。
以心が後部ドアに備わった小さな収納から두루마리(卷子:トゥルマリ)を一つ取り出し、連曦へ手渡した。
以心 : 持っていけば、向こうで取り計らってくださるわ。
連曦 : 承知しました。
以心は全ての伝達を終えたが、受け取った連曦にはまだ言い残したことがあるらしく、動かずにいた。そんな連曦の気配を以心が怪訝そうに見つめた。
以心 : 連曦、まだ言いたいことがあるの?
連曦 : あの、團長。
以心 : うん、言ってごらん。
連曦はどうしても離れない唇を何度も噤んでいた。そんな連曦の躊躇いを初めて見るかのように、以心が連曦をじっと見つめ、時間を与えようとした。
連曦 : あたしが、どうしても知りたいことが一つあります。
以心 : どんなこと?
連曦 : 唯一、あたしの頭の中に残っていない記憶が一つあります。もしや——
連曦の難しい問いを聞いた後、以心が黙って連曦を見つめた。連曦の温かい手を、もう少し温かい己の手で包んだ以心が、何も言わず首を横に振った。
連曦 : あたしは、本当に起きたことを知りたいのです。
以心 : うーん。連曦。
連曦 : はい。團長。
以心 : あたしはね、いつもあなたたちを尊重してきたのよ。あなたたちが望むことを、どうにかして叶えてあげようとしてきた。
連曦 : 存じております。いつも、感謝しています。ですが、あたしはあの日のことがきちんと思い出せません。あたしに返すというあの言葉を、あたしがまっすぐに受け取るためには、あたしにも確信が要るのです。
以心は思い悩んだ。じっと連曦の手を握ったまま、その手を見つめていた。以心はしばらく言葉を継がなかった。連曦が以心の手をもう少し強く握った。
以心 : あの日の記憶は、あなたがきょう行って探し出せるはずよ。あくまで、望むならば。取り戻したいと願うならば。あなたのありのままの記憶が、あの中にあるの。
連曦 : なぜそこにあるのですか。あの場所は、あたしと何の関わりもなかったはずです。
以心 : きょう、主教があなたに会いたいとおっしゃったのも、あなたに残された教えを伝えようとする理由が大きいと思うの。あたしたちにはそれに関する知識が足りないから。助けてくださることになっていたし。けれど、あなたが望むなら、あなたが求めるなら、記憶を返してあげてほしいと頼んであげるわ。
気の進まない以心の声も初めてのことだった。以心が重い圧をその身に湛えたまま、連曦の頼みを待っていた。連曦の唇が重く開いた。
連曦 : では、お願いいたします。
以心が頷いた。二人とも、もう躊躇わなかった。
Scene 06_01.
思いのほか控えめな装いの始緣(シヨン)だった。いつも肌が覗くか体にぴったり張り付く服ばかり着ていた始緣が、ジーンズにごく普通のシャツを着て、化粧もきつくならない程度にだけ載せ、所姬(ソヒ)と共に지영(知暎:ジヨン)の家に上がっていた。そんな始緣のばつの悪い所在なさに向かって、所姬が笑いを弾けさせていた。
知暎 : やめなよ。始緣さんが気まずいでしょ。
知暎が所姬を制したが、所姬は依然として始緣を見ながら笑いを堪えきれなかった。
所姬 : アニ!! あいつ何、お見合いにでも行くの?? 何あんないきなり無口になって服もあんな着方して出てきて、あたしの車でずっと終始鏡ばっかり見てたんだよ!!?
始緣 : あ、シバル。ほんと。あいつ。
知暎 : もう。趙所姬。やめな。お母さんもうすぐ着くのに、二人で喧嘩するでしょ。
知暎の仲裁に、所姬がかろうじて笑いを収め始めた。
始緣 : 趙所姬。おまえ感じ悪い。
うつむいたまま、ばつの悪い非難を伝えた始緣に、所姬が近寄って下から見上げるように訊いた。
所姬 : おい。拗ねてんの??
始緣 : いや、まあ。あたしだって。目上の前で安っぽくいるわけにいかないじゃん。だからそうしただけなのに何ジラルなのジラルなの。
すっかり消え入る声で抗弁する始緣に、知暎がしおらかな微笑みを向けた。
知暎 : もう、始緣さんが安っぽいわけないでしょ。とにかく、来てくれてありがとう。ちょうど一緒にご飯食べたかったから。
始緣が知暎の大人びた佇まいをちらちらと窺った。何一つ変わることのない知暎の品は、始緣には真似し難く映った。自ら先に気勢を折った始緣が、小さく息を吐いた。
知暎 : なんで溜息ついてるんですか?
始緣 : ただ羨ましくて。めちゃくちゃ。
知暎 : 何が?
始緣 : なんて言えばいいのかも分かんない。とにかく。羨ましい。おまえが。
始緣の事情の全てを知ることはできなかったが、始緣が羨む理由はおぼろげながら察することはできた。知暎が再び冷たい己の手を始緣の冷たい手の上に載せ、始緣を温かく覆ってやった。
知暎 : 大したことないんですよ。ただ、隠さないで、ちゃんと向き合えばよかったんです。あたしも、ちゃんと言えなかった。お母さんが教えてくれたの。分からないこと、あたしが教えてあげる。
所姬 : あ、オンニがそうしたら、あたしは何なの。あ!! ああああ!! 思い出した。そうだ!!
知暎 : また何でうちの始緣さん困らせようとして。おまえ黙って——
始緣 : ありがとう。あ、あの。オンニ。
始緣の躊躇いがちな呼び方の訳を、知暎は全ては知らなかった。知りたくもなかった。知暎は自分を呼んだ始緣の声に、明るく笑って応えた。冷たいけれど握り合った手を互いにぎゅっと握った。
知暎 : うん。始緣。所姬がいじめたら言って。叱ってあげるから。
所姬 : おい。つーか、おまえあたしより年下のくせにあたしにはなんでオンニって呼ばないわけ。盃の整理つけなきゃでしょ。
知暎が所姬に渋い顔を作った。
知暎 : おまえ。今また。あたしの歳。
所姬 : オンニは二年後には十の位が変わる人だからそうなの? あ?
知暎が履いていたスリッパを脱ぎ、所姬の背中を叩こうと駆け出した。所姬が巧みに知暎のスリッパを躱しながら逃げた。
知暎 : おい!! あいつ捕まえて!!!
玄関を素早く飛び出した所姬。だが始緣と知暎より相対的に小柄だった所姬の身長では、逃走は思ったほど遠くへは及ばず、始緣と知暎の追撃にあっという間に追いつかれた。騒がしいマンションの廊下へ、通知音が鳴りエレベーターの扉が開いた。荷物を一包み抱えてエレベーターの中に立っていた以心(イシム)が、三人の騒がしい姿を見て明るく笑った。額には妙な筋が浮き出ていた。
以心 : うちの娘たち。お母さんちょっと手伝ってくれない? 重くて死にそうなんだけど?
