小日向さんと作戦会議をした翌日、ぼくは隙を見てヨイチくんのストラップを盗むことに成功した。
光に翳すと水色にも黄色にも見える、キラキラとしたガラスのストラップだった。罪悪感はあまりなく、寧ろ達成感を覚えた。
手に入れた罪のその美しさに、教会のステンドグラスを思い出し、リヒトさんに会いたくてたまらなくなった。
「……あ、ストラップがない! まじか……いつからだろ。早くヒモ直せばよかった」
「あー。どんまい。ヨイチ、真面目に見えてめんどくさがりだもんなー。後回し癖ってやつ?」
「だよなぁ……ショック。よし、それじゃあこの行くあてのない苛立ちは、後回しにせず発散するかぁ」
「ぎゃはは! いーじゃん、即実行。成長成長。オレの分までやってこいよ」
「おう! 成長期のヨイチ様に任せとけ!」
ホームルームを終えた後、帰り支度をして鞄を持った際にストラップを失くしたことに気付いたらしいヨイチくんは、ただの紛失として納得してくれたようだった。
しかし先に教室を出るタクロウくんに別れを告げたあと、ヨイチくんはまっすぐぼくの方へやってくる。
「雨宮クン、今日はタクロウが委員会の仕事でさぁ、おれ暇なんだ。ちょっと付き合えよ」
「……わかった」
そうして八つ当たりはされたけれど、それは当然の罰だと受け入れた。
それでも与えられた痛みで万が一罪が軽くなっては困るから、ぼくは悪くないと、痛みの中でそう自分に言い聞かせた。
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