アイドルの君へ伝えたいことー配信アイドルの僕が、本物のアイドルに恋をした—

「ここがレッスン場だよ。あ、STELLA(ステラ)、集まって」

 レッスン場の中には、STELLAのメンバーが複数人いた。

 城内さんがそう言うと、英くんもメンバーと並んだ。

 おお、これは顔面偏差値高いな。

 可愛い顔立ち、彫刻のような肩、華奢な手、すらりと伸びた足、横顔が映える。

 英くん含めて、五名がいた。

 メンバーが並ぶと、英くんは城内さんの前であどけない少年だったが、凛々しく真剣な表情で前を向いていた。

「話がある。ここにいる長谷川悠生くんにあなたたちのパフォーマンスを見てもらおうと思う」

 城内さんはSTELLAのメンバーを見渡しながら、目つきは厳しく、低い声で伝えていた。

「そんなひょろい子になにが分かるんですか。男性アイドルなんて分かるはずないです」

 城内さんがそう言うと、すらりと伸びた足の一人が口にする。

「そうかな。俺はそう思わないよ、橙羽がよく話してた子だよ。覚えていないか?」

 城内さんが言った言葉を思い出したかのように、メンバーは英くんに顔を向けてから、揃って僕を見た。

「あ、思い出した。授業でよく見る目立つ子
のこと?」

 華奢な手の子がグーで手を叩いて、なるほどと納得した様子であった。

「そう、その子のこと」

 城内さんはこくりと首で頷く。

 他のメンバーも目を合わせて、そっかそっかと納得していた。

 英くんも同じく。

 その光景が僕によく分からなく、思わずその場で話しかけた。

「あの…僕のことなに話してたんですか?」

 英くんには答えてもらえなかったことを城内さんとメンバーに聞いた。

「さっき言った通りもあるけど、真剣な目で授業聞いてるところとか、時折笑う所とか。初めて話したこととか。なにかあったら、話すから覚えてるよ。清潔感や服の色使いも聞いてたから、俺ら気になってはいたんだ」

 彫刻のような肩の子が見た目と裏腹に優しい問いかけに思わず、胸に響いた。

「長谷川くん、ゴメン。そっか。この子か」

すらりと伸びた足の子がさっきほどの言葉を訂正して謝った。

「そうだよ。すぐ否定しちゃうんだから。本当ゴメンね」

 可愛い顔立ちの子が僕の手を握って、にこりと微笑んでいた。

「ちょっと、それは見逃せない。手握るんだったら、俺の手握ってよ」

 唇を尖らして、横顔が映える英くんは不機嫌そうにして言う。

「はいはい。これで分かったよね。じゃあ、改めて、STELLAのメンバー紹介するね。こっちが柚元景(ゆずもとけい)」

 あ、可愛い顔立ちの子が手を挙げて、軽く礼をしていた。

 女の子みたいだけど、ほどよい筋肉があり、ほんわかした雰囲気とのギャップがいい。

「あとは、辻村仁海(つじもらひとみ)」

 この人は、すらりと伸びた足の子か。

 先ほどはすみませんでしたと直角に頭を下げていた。

 いろんな意味で素直な子なんだな。

 でも、それが彼の魅力かな。

 清純派だけど、少し子供っぽいところがいいのかな。

「もう一人は、固蔵好(かたくらよし)」

 彫刻のような肩の子。

 まるで自衛官にいてもおかしくない顔立ち。

 規律や言われたことはこなすように見えるが、少し抜けているところがあるのかな。

 靴下の色合いがバラバラだった。

 紫と赤の縞模様とカエルの絵柄の靴下が両足に履いていて、これもオシャレなのか本当に間違っているのかは分からない。

 着ていたシャツのボタンが揃ってないのを見ると、抜けていると思った。

 軽く頭を下げて、僕を見ていた。

「あとは、柔宮蛍(じゅうみやほたる)」

 華奢な手の子はピースポーズをして、ウィンクしていた。

 手が華奢だけど、目には力強さがあってあやうく吸い込まれそうになった。

 僕としたことが危ない。

 頭を振って、僕は軽く礼をした。

「それで、長谷川くんも知っている英橙羽。これでSTELLAのメンバー五名。どう見て? なんか感じた?」

 横顔が映える英くん。

 英くんは少し首を傾けて、手を振っていた。

「…はい、すごいですね。STELLA。僕、地元のアイドルってあまりよく分からなかったんですけど。一人ひとりの魅力があって、もっと人気が出ること間違いないですし、全国レベルでもいける可能性を秘めてます。最高です」

 早口で言った僕をSTELLAのメンバーと城内さんは口を開けてポカンとしていた。

「…長谷川くん。え? やっぱり分かるよね。俺もそう思うのよ。だよね。長谷川くん、今度さ、コンサートあるから、見てくれないかな? それを見て、STELLAのプロモーションのアイデア考えてもらいたいんだけど」

 僕の両肩に手をつけて、満面な笑みで城内さんは言う。

「待ってよ。悠生も忙しいと思うし、勝手に決めるのはよくないでしょ」

 英くんは城内さんの言葉に異論を唱える。

「分かってるよ。どう? 長谷川くん」

 僕は城内さんの言葉に少しだけ頭を上げた。

「僕はちょっと…興味あります。僕もアイドルは嫌いではないので…よ、よろしくお願い致します」

 僕は城内さんとSTELLAのメンバーに今思う言葉を少し震える声で言う。

「よかった! 長谷川くん、ありがとう。みんなもそれいいかな?」

 STELLAのメンバーに城内さんは尋ねる。

「もちろん。オッケーに決まってんじゃん。みんなもいいよね?」