次の日のお昼休みに優と一緒に購買へパンを買いに行って戻って来ると、机の前には菓子パンを抱えた海斗君が立っていた。
「俺も一緒に食べていい?」
「もちろん」
僕が答えるより早く、隣にいた優が返事をしていた。
「俺も、まぜーて」
高梨海斗といつも一緒にいる男子生徒が後ろから来て、僕の隣に座った。
「え? うん……」
喋ったことのないクラスメイトの登場に驚いたが、その顔には見覚えがあった。体育祭予行練習の時も海斗君の隣にいて、ずっと喋っていた男子生徒だ。
「海斗君の友達?」
僕が海斗君に聞くと、前の席に座っていた優は口に入れた焼きそばパンを吹いていた。
「汚いよ、優」
僕の机に広がった焼きそばをティッシュで拾うと、僕は優に苦言を呈した。
「ごめん。いつの間に海斗君って呼ぶほど、仲良くなったんだ?」
「え?」
優は紙パックのジュースを飲むと、不思議な顔で僕を見ていた。
「俺は海斗の友達で神田透。よろしくな」
「お前、近い」
海斗君の縦チョップを躱した神田君は、訳知り顔で僕と海斗君の顔を交互に見ると笑っていた。
「いいだろ、別に。それにしても海斗君だなんて、お前らいつの間に仲良くなったんだ?」
「それは、その……」
神田君に優と同じことを聞かれて戸惑っていると、海斗君が不満そうな顔で僕に言った。
「名前。昨日は海斗だったのに、なんで海斗君になったの?」
「だって海斗って呼び捨てに出来るほど、まだ仲良くないし」
「まだってことは、これから仲良くなる予定? それなら、いいんじゃない?」
神田君は一口でカツサンドを口の中へ入れると、一人で納得していた。
「と、友達だし……」
「友達だろ? な、海斗」
「そうだな」
神田君の言葉に目を合わせずにそう言った海斗君は、どこか寂しそうだった。
「……海斗」
「え?」
「これでいいだろ」
僕の小さな呟きが聞こえたのか、海斗君は目を輝かせていた。
(そんな反応をしたら、周りの人が誤解しちゃうと思うんだけど)
昨日の夜に公園で海斗君とキスをしてしまったことを思い出して、僕の顔は熱くなっていった。
「今日も暑いね」
手で顔を仰ぎながら赤い顔を見られないように誤魔化しながら言うと、神田君と優は再び不思議そうな顔をしていた。
「俺も熱いと思う」
「俺も」
僕の言葉に、右隣にいた神田君と目の前の席に座っていた優が頷いていた。
「やめてよ、二人とも」
海斗君の言葉に、二人は笑っていた。案外、仲は悪くないようだ。
「そう言えば、これ。チケット余ってるんだけど、みんなで行かない?」
神田君はポケットから紙切れを取り出すと、ホラー映画のチケットを机の上に置いた。
「親父が会社でもらったんだけど、うちの家族は誰も行かないっていうからさ。よかったら、今度の土曜日にでもどう?」
「俺はいいけど、葵はこういうの苦手だろ?」
「え?」
優の言葉に顔を上げると、そこには僕の顔を見つめる三人の顔があった。確かにお化けとか、ゾンビが出てくる映画は苦手だ。でもチケットに描かれているお化けの絵は、何だか可愛らしかった。
「たぶん、大丈夫……今、大丈夫になった」
「無理してない?」
海斗君の心配そうな瞳に一瞬ドキリとした。結局のところ、なぜスマホに僕の写真を入れているのかは聞けずじまいだった。よくよく考えれば、スマホに写真があっただけで僕のことを好きだとは限らない。
(本当は僕のことを好きなのだろうか……でも、友達だって言ってたし。たぶん大丈夫だろう)
「うん、みんなと映画に行けるの楽しみだよ」
「良かった」
神田君が午前中は部活があるというので、みんなで話し合って土曜日の午後3時に映画館の前に集まることにした。
「俺も一緒に食べていい?」
「もちろん」
僕が答えるより早く、隣にいた優が返事をしていた。
「俺も、まぜーて」
高梨海斗といつも一緒にいる男子生徒が後ろから来て、僕の隣に座った。
「え? うん……」
喋ったことのないクラスメイトの登場に驚いたが、その顔には見覚えがあった。体育祭予行練習の時も海斗君の隣にいて、ずっと喋っていた男子生徒だ。
「海斗君の友達?」
僕が海斗君に聞くと、前の席に座っていた優は口に入れた焼きそばパンを吹いていた。
「汚いよ、優」
僕の机に広がった焼きそばをティッシュで拾うと、僕は優に苦言を呈した。
「ごめん。いつの間に海斗君って呼ぶほど、仲良くなったんだ?」
「え?」
優は紙パックのジュースを飲むと、不思議な顔で僕を見ていた。
「俺は海斗の友達で神田透。よろしくな」
「お前、近い」
海斗君の縦チョップを躱した神田君は、訳知り顔で僕と海斗君の顔を交互に見ると笑っていた。
「いいだろ、別に。それにしても海斗君だなんて、お前らいつの間に仲良くなったんだ?」
「それは、その……」
神田君に優と同じことを聞かれて戸惑っていると、海斗君が不満そうな顔で僕に言った。
「名前。昨日は海斗だったのに、なんで海斗君になったの?」
「だって海斗って呼び捨てに出来るほど、まだ仲良くないし」
「まだってことは、これから仲良くなる予定? それなら、いいんじゃない?」
神田君は一口でカツサンドを口の中へ入れると、一人で納得していた。
「と、友達だし……」
「友達だろ? な、海斗」
「そうだな」
神田君の言葉に目を合わせずにそう言った海斗君は、どこか寂しそうだった。
「……海斗」
「え?」
「これでいいだろ」
僕の小さな呟きが聞こえたのか、海斗君は目を輝かせていた。
(そんな反応をしたら、周りの人が誤解しちゃうと思うんだけど)
昨日の夜に公園で海斗君とキスをしてしまったことを思い出して、僕の顔は熱くなっていった。
「今日も暑いね」
手で顔を仰ぎながら赤い顔を見られないように誤魔化しながら言うと、神田君と優は再び不思議そうな顔をしていた。
「俺も熱いと思う」
「俺も」
僕の言葉に、右隣にいた神田君と目の前の席に座っていた優が頷いていた。
「やめてよ、二人とも」
海斗君の言葉に、二人は笑っていた。案外、仲は悪くないようだ。
「そう言えば、これ。チケット余ってるんだけど、みんなで行かない?」
神田君はポケットから紙切れを取り出すと、ホラー映画のチケットを机の上に置いた。
「親父が会社でもらったんだけど、うちの家族は誰も行かないっていうからさ。よかったら、今度の土曜日にでもどう?」
「俺はいいけど、葵はこういうの苦手だろ?」
「え?」
優の言葉に顔を上げると、そこには僕の顔を見つめる三人の顔があった。確かにお化けとか、ゾンビが出てくる映画は苦手だ。でもチケットに描かれているお化けの絵は、何だか可愛らしかった。
「たぶん、大丈夫……今、大丈夫になった」
「無理してない?」
海斗君の心配そうな瞳に一瞬ドキリとした。結局のところ、なぜスマホに僕の写真を入れているのかは聞けずじまいだった。よくよく考えれば、スマホに写真があっただけで僕のことを好きだとは限らない。
(本当は僕のことを好きなのだろうか……でも、友達だって言ってたし。たぶん大丈夫だろう)
「うん、みんなと映画に行けるの楽しみだよ」
「良かった」
神田君が午前中は部活があるというので、みんなで話し合って土曜日の午後3時に映画館の前に集まることにした。


