そこに、チフリもやって来た。シュンはチフリに尋ねる。
「コーヒー淹れたんですけど、いりますかい?」
チフリは一瞬動揺したが、悟られないように言った。
「い、いえ、私は……」
そこでコーヒーをブラックで飲むサキタマがチフリに言う。
「なんじゃ、美味いのに飲まんのか?」
シュンもチフリにもう一度聞く。
「もしかして、コーヒー苦手だったか?」
慌ててチフリは言い返した。
「に、苦手なわけないでしょう!? 飲めます! もうジョッキで飲めますとも!!」
そうかと、シュンはチフリにもコーヒーを分けてやった。
香ばしい匂いのするコーヒーをチフリは見つめている。
覚悟を決めてチフリは飲んだ。
「うっ……」
苦みに涙を堪えながら、強がるチフリ。
「お、美味しいですね……」
シュンは笑顔で返した。
「そうか、良かったよ」
それぞれが思い思いに一日を過ごし、完全に英気を養う。
次の日、シュン達は冒険者ギルドに向かった。
「さてさてー、今日は何をやるかなー?」
シュンは何かクエストが無いか物色をする。
「お、これなんてどうですかい?」
見つけたのは魔石の鉱脈に現れた『ウネウネ』の討伐だ。
その紙に書かれた名前を見てチフリが言う。
「『ウネウネ』って、あの触手のモンスターですか?」
「あぁ、気を付ければそんなに強いモンじゃないしな」
受付でクエストを受注し、早速鉱脈へと向かった。
「ここが触手の湧いた鉱脈か」
シュンは鉱脈の入り口で呟いた。
ユキミも洞窟を覗いて言う。
「この中に『ウネウネ』がいるのか」
シュンは剣を引き抜いて話す。
「そうですねー。ウネウネは根元を切り落とせば倒せますんで、そこを狙って下さい」
ユキミも剣を引き抜いて頷く。
「あぁ、わかった」
チフリも短剣を取り出し、サキタマはポケーっとしている。
洞窟内に入ると、早速ウネウネが出てきた。
ユキミは凛とした表情になり、ウネウネの根元をスパっと斬る。
チフリも短剣を器用に使い、切断していく。
シュンも一本一本斬りながら「今日は楽に終わりそうだな」と思っていた。
その時、サキタマが言う。
「あのー、ワシは何をすれば良いんじゃ?」
呆れてシュンは返した。
「お前は指くわえて俺達の活躍を見てろ」
プンスカ怒り、地団太を踏むサキタマ。
「ワシだって鬼火で倒してやるのじゃ!!」
サキタマが火を使い、ウネウネを焼き払う。
シュンは珍しく役に立ったサキタマに言った。
「お、意外とやるな」
「見たか! ワシの力を!」
だが、しばらくしてシュンは異変に気付く。
「なんか、気分が……」
頭がクラクラし、変な気分になってきた。
その時、ハッとしてウネウネに紛れた物を見つける。
洞窟の奥でウネウネを倒すユキミもチフリも、何だか気持ちがムズムズしてきた。
「……っつ」
気持ちが高ぶっておかしいとユキミは思う。顔は赤面し、息も荒い。
「な、何だこれは……」
チフリもその時、何かに気付く。
「まさか……。サーチ!!」
周りの空気を調べるチフリ。案の定、毒が紛れていた。
「ユキミ先輩!! まずいです!! 毒が!!」
言った時には、ユキミは既に膝をついてしゃがんでいた。
チフリは慌てて自分に解毒の魔法を掛けてから、ユキミに近付く。
その時、一匹のウネウネがユキミの体に纏わりついた。
「んっひゃあ!!」
ねちょねちょとしたウネウネが太ももをまさぐり、顔に纏わりつく。
気持ちが悪いはずなのに、ユキミは何だか変な気分になっていった。
「あっ、ダメッ!!」



