寮に戻り、部屋まであと少しのところで要に話しかけられた。
「顔色悪いけど、大丈夫? さっきから呼んでたのに気がつかないし」
要は斎川に駆け寄ると、おでこに手を当て熱を測る。
「ああ、ごめん」
「熱はなし、それならアレかな。生徒会長絡み」
ビクッと斎川は肩を揺らす。その反応を見た要は少しだけ口元を緩めた。
「まあたまには喧嘩もしないとな。あまり思い詰めるなよ」
そのまま斎川は部屋に戻り、制服のままベッドにうつ伏せになった。思い詰めるなと言われたが頭の中は円城寺の言葉がぐるぐる回っている。
中等部で出会ってから五年。恋愛感情に気がついて二年。何故か変に自信があって、円城寺の隣は自分しかいないし、彼もそれを望んでいるはずだと自負していた。だが突如現れた幼馴染にあっという間にその自信を崩された。全て独りよがりだったのだと思い知らされた。
ガンガンと頭が痛くなる。その痛みと胸の痛みが斎川の気持ちをさらに沈めさせていく。
部屋の外で足音が聞こえ、それが自室の前で止まった。しばらくするとドアを開けて閉める音がした。斎川の部屋のドアは開けられていない。それであれば足音は向かいの部屋の円城寺だろう。
(円城寺はどう思っただろうか)
呆れただろうか、もう言葉もかけてくれなくなるかもしれない。だが斎川はもう取り繕う気力がない。
(……明日から、どうしよう)
円城寺中心に回ってきた夕凪学園での生活を、今さらどうやって変えたらいいのか。自業自得ではあるが斎川はため息をついた。
翌朝、斎川は少し早めに部屋を出て食堂に向かう。円城寺にあわないようにいつもとは違う席につき、お膳を置いた時、声をかけられた。
「おはよ、斎川」
顔を上げ声の方を向くとそこにはお膳を持った要がいた。
「おはよう」
「一緒に飯、食っていい?」
要の言葉に少し驚いたが、一人でいるよりはいいかと快諾した。朝食の時間はいつもなら円城寺のおしゃべりに付き合いながらだったが、要とはほぼ無言で、ゆっくりとした朝食に斎川は苦笑いする。しばらくすると要が話しかけてきた。
「斎川は和食派なんだな。イメージ通り」
「どんなイメージだ。それよりお前が和食の方がびっくりだよ」
「俺んち酒作ってるからね。朝は昔からご飯なんだ」
「顔色悪いけど、大丈夫? さっきから呼んでたのに気がつかないし」
要は斎川に駆け寄ると、おでこに手を当て熱を測る。
「ああ、ごめん」
「熱はなし、それならアレかな。生徒会長絡み」
ビクッと斎川は肩を揺らす。その反応を見た要は少しだけ口元を緩めた。
「まあたまには喧嘩もしないとな。あまり思い詰めるなよ」
そのまま斎川は部屋に戻り、制服のままベッドにうつ伏せになった。思い詰めるなと言われたが頭の中は円城寺の言葉がぐるぐる回っている。
中等部で出会ってから五年。恋愛感情に気がついて二年。何故か変に自信があって、円城寺の隣は自分しかいないし、彼もそれを望んでいるはずだと自負していた。だが突如現れた幼馴染にあっという間にその自信を崩された。全て独りよがりだったのだと思い知らされた。
ガンガンと頭が痛くなる。その痛みと胸の痛みが斎川の気持ちをさらに沈めさせていく。
部屋の外で足音が聞こえ、それが自室の前で止まった。しばらくするとドアを開けて閉める音がした。斎川の部屋のドアは開けられていない。それであれば足音は向かいの部屋の円城寺だろう。
(円城寺はどう思っただろうか)
呆れただろうか、もう言葉もかけてくれなくなるかもしれない。だが斎川はもう取り繕う気力がない。
(……明日から、どうしよう)
円城寺中心に回ってきた夕凪学園での生活を、今さらどうやって変えたらいいのか。自業自得ではあるが斎川はため息をついた。
翌朝、斎川は少し早めに部屋を出て食堂に向かう。円城寺にあわないようにいつもとは違う席につき、お膳を置いた時、声をかけられた。
「おはよ、斎川」
顔を上げ声の方を向くとそこにはお膳を持った要がいた。
「おはよう」
「一緒に飯、食っていい?」
要の言葉に少し驚いたが、一人でいるよりはいいかと快諾した。朝食の時間はいつもなら円城寺のおしゃべりに付き合いながらだったが、要とはほぼ無言で、ゆっくりとした朝食に斎川は苦笑いする。しばらくすると要が話しかけてきた。
「斎川は和食派なんだな。イメージ通り」
「どんなイメージだ。それよりお前が和食の方がびっくりだよ」
「俺んち酒作ってるからね。朝は昔からご飯なんだ」



